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7話 嵐

 激しく窓に打ちつける雨と風。深夜から続く嵐。ルークはどうしているだろう。ちゃんと避難できているだろうか。落ち着かない、部屋の中を歩き回る事しかできない自分に対して、もう我慢の限界。一体、何を躊躇しているのか。夕方なのに夜のように暗い森。嵐の中を湖に急いで向かった。念の為に毛布を持って。ルークはそこにいつも通り、虹の光で結界を作り、落ち葉の上に横たわっていた。きっと結界の中とはいえ、心細かっただろう。食事は摂っていただろうか。この嵐の中、食事なんて摂れているわけがないではないか。


 アリーアは風で吹き飛ばされそうになるのを堪えながら、結界を強くノックしてみた。結界の外から必死で家に来るよう伝えた。風で彼女の声はかき消されていただろう。でも彼には伝わったのか結界を解いてくれた。いつも彼が肩から掛けていた布は濡れて彼から体温を奪ってしまうかもしれない。濡れた布を取り、彼の体に家から持ってきた毛布をすぐに巻きつけると、手を引いて急いで家に案内した。風雨が二人の行手を遮ろうとする。歩き慣れた道なのに、折れた枝などが道を塞いでいる。繋いだ彼の手は氷のように冷たかった。なぜ、もっと早くに彼を迎えに来なかったのだろう。ただ心配して過ごしていた時間を悔み、彼の元に来なかった自分を呪い、彼が凍えてしまう恐怖で彼女は押しつぶされそうになった。そんな気持ちを察してか、彼女の手を握る彼の手に力が入り、「大丈夫。」と伝えてくれているような気がした。


 彼と家に入ると、直ぐに暖炉に薪を足し火を大きくして、その前に椅子を移動した。そして、彼の濡れた体をタオルで拭き、新しい毛布を体に巻き、椅子に座らせ、熱いココアを用意し彼に渡した。彼がココアを飲んでいる間にお風呂と着替えを用意した。彼の身長が自分より高いと言っても、華奢な彼なら自分の大きめな服は着れるだろうと思っていた。彼の髪は薄い空色がかった綺麗な銀色だった。そして瞳は本当に不思議な色をしていた。家に入ったばかりの時は暗い緑の多かった瞳が今は薄い緑とピンク色の瞳、若干ピンクが多い。こんなに色の変わる瞳はみた事がない。いつまでも不思議な瞳を見ていたい気持ちは抑えて、とにかくお風呂に案内した。「ちゃんと体が温まるまで、湯に浸かってね。」。彼の凍えた手が、足が、心が温まればいい。彼がお風呂から上がってくるまでに、簡単な温かな食事を用意しなければいけない。そしてあの預言書をしまった戸棚に鍵がかかっている事を確認した。

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