37 何万という軍勢との戦闘は数行で書き終えていきます
最前線の軍勢が消失する。
軍勢を支えていた支援の者達も。
城塞も跡形もなく消え去った。
この事を教会が把握するのはずっと後の事になる。
いつも通り、目撃者を含めた全てが消えた。
情報を持ち帰る者などいない。
この事が教会に後手を踏ませる事になる。
いつも通りといえばいつも通りだ。
コウサクは関係者を決して許さない。
だから敵に有利になる事は何も残らない。
つまらない情けだとか道徳だとか道義だとかで道を踏み外す事はない。
そのままコウサクは進軍を続ける。
鍬を突き立て、土地を耕し続ける。
効果の及ぶ範囲にいる人々を己の支配下においていく。
教会の勢力が次々に削られていく。
その途中で、後続の聖堂騎士団とはちあわせる。
先行部隊であった2万の軍勢。
その後に続く本隊足るべき大部隊。
各地から集結した5万の軍勢。
これらもコウサクの鍬によって土の中に埋もれていった。
一度だけではない。
後続の本隊は複数に分かれる。
一度に指揮出来る限界は数万人。
この規模でいくつかに分けてるからだ。
このため、後続部隊は4万や5万といった数で分かれている。
これらが4つ、総勢18万人が続いていた。
これがコウサクの鍬によって一瞬にして消滅していく。
範囲攻撃たる開墾に対抗する術はない。
聖堂騎士団の中には、高い防御力を持つものもいる。
それとて無駄で無意味に終わる。
どんな攻撃を防ぐほどの硬さをもっていても。
どんな魔術を消し去るほどの抵抗力を持っていても。
攻撃は直接自分にかかるのではない。
足下の地面にかかるのだ。
攻撃を避ける事も耐える事も出来ない。
魔術と違って解除や無効化、抵抗が出来るわけでもない。
起こった事態に巻きこまれるしかない。
そして地面の中に沈み込んだら出来る事などほとんどない。
高レベルで人間離れした能力を持っていれば、地中からでも飛び出す事は出来るだろう。
しかし、そこまでレベルの高い者はいない。
いたとしても、すぐにやってくる次の攻撃を避けようがない。
土の中へのすき込み。
田畑の中に取り込まれた者達を粉砕して養分として土の中に混ぜ込む方法。
これもまた避けられないものだった。
まわりの土が全て襲ってくる。
全身を土の中にとらえられた者達に避ける術はない。
防御力の低いものならば即座に体の全てを粉砕されていく。
防御力の高いものとてそう耐えられるものではない。
終わることなく襲い掛かってくる土の振動。
これが防御力を少しずつ削っていく。
鎧は破壊され、肉体には絶えず衝撃が襲ってくる。
レベルが上がって手に入れた強靭な肉体も耐えられるわけがない。
防御力を無視して振動は内臓を襲う。
体の表面は強靭な筋肉で守られていても、内部から先に破壊される。
こうして精強なる聖堂騎士団も、その全てが土の中に消えていく。
耕され、実り豊かになった田畑の下で。
あるいは、整備された平原や森林の下で。
それでも飛んでいればこれを逃れる事も出来るだろう。
だが、そこまで高度な能力を使える者はいない。
上位職業になっていて、なおかつ高レベルでもなければ。
そういった者もいるにはいるが、先に気づいてなければ避けられるわけがない。
あるいは、常に空を飛んでるのもでもなければ。
そんな者などいるわけもなく。
聖堂騎士団の全ては壊滅していった。
騎士だけではない。
これを支える支援をする者達も含めて。




