31 信じて送り込んだ第二弾も当然ながら
困るのは教会の方である。
派遣した布教伝道会はことごとくが音信不通となった。
信じて送り出したが全く連絡がとれず。
いたずらに手駒を減らす事になる。
「どうなってる?!」
驚き慌てる教会。
これまで様々な裏工作を成功させてきた布教伝道会が、今回は何の成果もあげてないのだ。
強いていうならば、消息を絶った場所が分かった事が得られた情報であろうか。
そこには何かがある。
連絡を絶ちきるだけの何かが。
それだけ危険な何かがいる。
だとすれば、布教伝道会だけを送り込むわけにもいかない。
「撤退だ」
一度、工作員を撤退させる。
これ以上の損害を出さないために。
そうして、今度はより強力な兵力を送り込む。
教会が持つ戦闘力。
この世界における純然たる武装部隊。
聖堂騎士団を。
世界を統治する教会。
この教会が保有する軍事力。
それが聖堂騎士団である。
いずれも女神に忠誠を誓う戦士であり、この世界で唯一存在する正規の軍事部隊だ。
教会はこの軍事力の投入を決定した。
諜報部である布教伝道会の損害があまりにも大きいが故だ。
原因は分かってない。
だが、強力な戦闘力を持つ者がいると教会は判断した。
調査が主な任務とはいえ、暗殺から破壊工作まで受け持つのが布教伝道会だ。
それがある人突然消えるのだ。
そんな事が出来るだけの力を持つ何かがいる。
ならば、武装集団であり先頭集団である聖堂騎士団を送り込むしかない。
そう判断した教会は、異様なほど早い意思決定でもって聖堂騎士団を送り込んだ。
それだけ危機感が大きくなっていた。
だが、これも当然のように消息を絶つ事になる。
最後の定時連絡を最後に。




