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異世界転生した農民、邪神も世界も耕す  作者: よぎそーと


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25/38

25 気がつけばそこは山だった

 地図も持たずに道なりに進むだけのコウサク。

 当然、自分がどこに向かってるのかも分からない。

 だからひたすら道をたどっていった。

 道は住処と住処をつなぐもの。

 たどればどこかの集落にたどり着くのだから。



 そうして歩きに歩いた末に、コウサクは山の中に入ってしまった。

 山地にある村とも呼べない小さな集落。

 それを更に突き抜けた、山での仕事へ向かうための道。

 作業場や仕事場はあっても、人が住んでるわけではない。

 そんな場所にコウサクは踏み込んでしまった。



「まったな」

 さすがにこれには考え込んでしまった。

 手当たり次第に村や町を開墾していく。

 そのつもりで行き当たりばったりに行動していたのだが。

 ついに人も滅多に踏み入れない場所にまでやってきてしまった。



「しょうがない」

 今更どうしようもない、そう思ったコウサクは開き直る事にした。

「ここで少しがんばってみるか」

 いっそ、この山地で、山の中で出来る事をやってしまおう。

 そう考えて、担いでいた鍬を振り上げた。



 ここで山に来たのも何かの縁。

 そう思ってコウサクは、たどり着いた山を耕していく事にした。

 山地ならば山地にふさわしい農業もある。

 ここでしか生えてない山菜や薬草などを育てるのも良いだろうと。

 樹木を育ててもよい。

 材木にしろ果樹にしろ、人には必要不可欠なのだから。



 そう考えてコウサクは己の能力を使って山地を耕していく。

 山の生態系を破壊しないよう気をつけながら。

 それでいて、山の恵みを最大に引き出せるようにと考えながら。



 鍬を山に突き立てて、一気に土地をならしていく。

 木々や草木の育成に適した形に。



 川には水をためる窪みを作っていく。

 土を盛り上げてダムにしていく。

 そして、溝を作って水路としていく。

 溝といっても、数メートルの幅を持つ川なのだが。



 こうして植物の育成に適した環境が作られていく。

 この恩恵は動物も得ていく。

 食料になるものが増えていくのだから。

 山はコウサクによって豊かな実りをもたらしていく。



 ここまでわずか数日。

 入り込んでしまった場所を含め、いくつかの山をならしていった。

 人間離れした能力は、山地を軽々と駆け抜ける事を可能とした。

 そして、鍬を突き立てるだけで、植生が変わっていく。

 食料も材木も算出する生産地になっていく。



「もうちょっとやっていくか」

 ついでとばかりにコウサクは、近隣の山へも向かった。

「どこに行けばいいか分からないし」

 地図がないというのがやはり問題だった。

 おかげで、誰もいない山にまでやってきてしまった。

「情報を集めるか」

 しばらくは様子を見る事になる。



 指揮下においた農民を使って、周囲の情報を集める。

 そうして、攻め込む場所を見つけていく。

 それまでは、適当な場所を耕していく事にする。

 経験値稼ぎにもなるし、指揮下に入れた農民にまかせれば経験値稼ぎにもなる。

 なにより、収穫があれば腹を膨らませる事が出来る。



 というわけで、いくつかの村や町を壊滅させて。

 コウサクは山の農地化にいそしむ事となった。

 当初の目的である教会潰しを達成するために。

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