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プロローグ1

「ドラゴイド公爵家長女、ファルラ・ドラゴイド様。こちらへ」


王宮の大広場とかいう、今恐らくこの国で最も注目を集めている場所で、今まさに王国の大英雄として表彰されようとしている。


悪役令嬢としての道を謳歌するという、今まさに崩れ落ちている夢を抱き始めたのは7歳の時、乙女ゲームの悪役令嬢に転生していることに気づいたときである。


周囲の盛大な拍手から現実逃避するため、こうなった経緯を思い返すことにした。




7歳という好奇心旺盛真っ只中な私は、いつも通り庭園を駆け回っていた。


ちなみに、黒髪に赤い目というこの国で不吉とされる容姿が2つそろってしまったせいで、周りから疎まれていた―というのは使用人たちが話していることを盗み聞いた話だ。


ということで使用人からも最低限な世話以外はあまり声をかけられることはなく、両親ともあまり顔を合わせることもない、よく言えば自由な毎日だった。


さて、話を戻すが、庭を駆け回っていた私は恐らく庭師が置きっぱなしにしたであろうスコップにつまづき、転んだ。それだけならいいのだが、転んだ場所が良くなかった。

勢いそのまま階段を3、4段転げ落ちた私は、気を失っていた。


-------------------------------------------------------

「……ちゃん! 聞いてる?? 」


「ん? えっと、うん。聞いてるよ」


……なんだろう。これ…夢?


「絶対聞いてなかったじゃん。今日は好きなゲームの続編が出るから絶対買うんだーとか言って早起きしてきてるのに、言った本人が寝不足なんじゃ仕方がないでしょ」


あぁ、違う。

私は16歳、ゲームオタクの高校生、そして今日は待ちに待った大好きな乙女ゲームの続編発売日。


「ごめんね、突き合わせちゃって」


なんだろう、やっぱり自分がしゃべっている感じがしない。


「いいよ。だって親友のやりたいことだし、早起き好きだし」


―親友の名前すらうまく思い出せない。


「あ、ていうか電車の時間もうすぐじゃん!! ちょっと急がないと! 」


彼女の言うように、電車が来る時間まで5分となかった。

田舎住みなせいで電車の本数も多くない。


そうして走り出した私は、信号に気づいていなかった。


-------------------------------------------------------


「様…お嬢様! 」


侍女の呼ぶ声で目覚めた私は、ひどい頭痛を感じ、思わず顔をしかめた。

その頭痛が階段から落ちた痛みなのか、膨大な16年間の記憶が急激に入り込んできたからなのかは分からなかった。


私はいわゆる転生をしたのだろう。


「お嬢様、大丈夫ですか? 」


そして私を心配するというよりも、私が怪我をしてそれが父か母に知られることのほうを心配しているであろう侍女が声をかけてくる。


「えぇ。頭は痛むけど、大丈夫よ」


まぁ、両親が知ったところでそこまで咎められることもないだろうが。

()()私の安全を確認した侍女はそそくさと部屋を出ていった。


部屋に誰もいないことを確認した私は、紙とペンを用意し、前世と今のごちゃ混ぜになった記憶の整理をすることにした。


まず、前世の記憶がある今、前世で好きだった乙女ゲームの悪役令嬢、ファルラ・ドラゴイドに転生したということ、そしてここが前世で生きていた世界とは全く異なる異世界であることがわかった。

この国はベルフォール王国といい、私の家はドラゴイド公爵家、この国の中でもかなり権威のある大貴族だ。


部屋を見渡すと、改めて電子製品はなく、魔法具とよばれる魔力を使った道具が多いという点を除けば前世で言うところの中世ヨーロッパといった感じの世界観だ。


そしてこの国では14歳から学園に入ることになっている。つまり私の場合は7年後である。


―その学園というのが私の好きだった乙女ゲームの舞台であり、私は主人公の聖女にいろいろ邪魔をする悪役令嬢なのである。


ここが大切な点、私はこの悪役令嬢が結構好きだった。その悪役令嬢が今、私なのである。


ただ一つ問題点がある。このゲーム、RPG要素もあって、なんとゲームの終盤くらいで私は主人公こと聖女に倒される…死ぬというシナリオがあるのだ。


いくら悪役令嬢の道を謳歌しようと、死んでしまったら意味がない。


かくして悪役令嬢として生きても殺されないように、特訓を始めたのであった。


―これが後に最悪な事態を引き起こすとは知らずに

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