第2話：弟子との出会い
森をさまよう祐一は、不安と疲労に悩まされていた。道を見失い、何度も迷ってしまうこともあった。森の中には恐ろしい生き物がうごめいているに違いない。そして、夕暮れ時に、彼は小さな村にたどり着いた。
村に着くと、数軒の小さな家が建ち並ぶ様子が目に入った。道路沿いには、人々が穏やかに暮らしている様子が見えた。
祐一は、いつも通り周囲を観察しながら村を歩き回った。すると、小さな広場に立ち並ぶ商店の中に、一つの店が目に留まった。店先には、数多くの商品が並べられていた。その店には、可愛らしい少女が店番をしていた。彼女は金髪のロングヘアーで、小柄な体型がとても愛らしい印象だった。祐一は彼女の元へ歩み寄り、商品を観察しながら彼女に声をかけた。
「おはようございます。いい品揃えですね。」
「あっ、こんにちは。ありがとうございます。」少女は恥ずかしそうに微笑んで返答した。
祐一はその時、初めて彼女の顔をじっくりと見た。彼女の瞳は鮮やかな青色をしており、その目線は祐一をじっと見つめていた。祐一はその目に深い感情が宿っていることに気づき、不思議な気持ちになった。
「あの、お客さん。ここは商店ですが、何かお探しですか？」少女は、祐一が商品を眺めている様子に気づき、声をかけてくれた。
「はい、すみません。あの、この村で商売をされているんですか？」
レナは、嬉しそうに話した。「村で採れる野菜や果物、草木染めの布地や衣服など、村で生まれた商品を他の村々に届けています。」
「ただこの村だけでは限られたものしか扱えませんから、世界を回りたいんです。」少女は熱っぽく語った。
「世界を回るというのは、大変そうですね。でも、それには資金も必要ですよね？」祐一は、少女の目的を理解していた。
「はい、お金があれば、自分の夢を実現できると思うんです。でも、どうやってお金を稼げばいいのか分からないんですよね。」少女はため息をついた。
祐一は彼女の思いを察し、自分が商売に詳しいことを話し始めた。彼がコンサルタントとして働いていることや、商売についての経験を語った。少女は祐一の言葉に興味津々で聞き入っていた。
「コンサルタント？」レナは不思議そうな表情を浮かべた。「それは何をするお仕事ですか？」
祐一は口ごもりながらも、自分がどのような仕事をしているのかをレナに説明した。彼女は興味津々で聞いていた。
「なるほど、それはすごいですね。あなたはいいお仕事をされているんですね。」
祐一は素直に頷いた。「でも、何かが足りないんだよね。自分のやっていることに、いまいち意義を感じられなくてさ。」
レナはうなずきながら、「私も同じ気持ちだったんです。商人として生きていくことが、私の夢でした。でも、村にいるだけだと限界もあるし、世界を見て回るにはお金も必要で…」
彼女は小さくため息をついたが、すぐに目を輝かせなおして言った。「でも、今度はあなたが私を助けてくれるんですよね？私を世界中に連れて行って、商人として成功させてください！」
祐一はレナの言葉に心を動かされた。彼女がどうやって村を出ようとしていたのか、どうして商人になりたかったのかを聞き、その情熱に打たれたのだ。
「うん、もちろんだよ。一緒に世界を見て回ろう。商人として成功するために、俺が力になる。」彼は決意を新たにした。
レナは喜びに満ちた表情で祐一を見つめた。「ありがとう。あなたのおかげで、私の夢が叶えられるんです。」
祐一はレナの手を取り、力強く握った。「それが俺たちの夢だろう。一緒に実現させよう。」
二人は、まだ見ぬ未知の世界を目指して、力を合わせて歩き出した。
