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ゴブリンの襲撃





  セルアルが目を覚ますと、マイカと騎士達が集まり、深々とお辞儀をした。

  

  「命を助けて頂き、有難う御座いました!」

  「お陰でまた娘に会う事が出来ます!」


  「良かったです」

  セルアルが、ゆっくりと上半身を起こして講堂内を見渡すと

  大勢の住民達が、薄っぺらな布団の上で、不安を紛らすかの様に、

  ワイワイと賑やかに、話をしていた。

  


  「住民の人達は、自分の家に帰らないのですか?」


  「家に帰ったとしても、魔物が襲ってきたら家は簡単に

   壊されるので、雄一頑丈な講堂に集まってるのです」

  「それに私達と一緒にいた方が、守れますから」


  「成る程」「そうだ、冒険者協会のギルマスは帰って来ましたか?」


  「え?協会のギルマスは、ここには…痛っ」

  「何するんですか」「マイカ団長」


  「あ〜ギルマスは、当分帰ってこないのよ」


  「そうですか」「じゃあ、仕方ないですね」

   

  「セルアルさん、ちょっと待ってて下さいね」

  「こっち来なさい!」「貴方達もこっちに来て!」

  マイカが男を引きずって、団員達を集めるとコソコソと話し始めた。


  「ねぇお兄ちゃんは、どこから来たの?」「魔物やっつけてくれるの?」

  子供達の怯えてる表情を見て、セルアルは自分の胸を叩いた。


  「ああ、お兄ちゃんが来たからにはもう大丈夫だよ」

  「悪い、魔物達はお兄ちゃんが、やっつけてやるからな!」


  「本当に?でも、皆んなそう言って逃げちゃったよ」


  話を終えたマイカと騎士達が戻ってきて、会話に参加した。

  「大丈夫よ!」「それに私達だって、居るんだから!」


  「え〜でもマイカお姉ちゃん、弱いじゃん〜」

  「そうだよな〜」「ゴブリンにやられてたしな〜」


  「何ですって〜」

  マイカが両手を上げて追いかけると、子供達は蜘蛛の子を散らした様に

  逃げ出した。

  「逃げろ〜」


  「キャハハ〜」


  セルアルは、その光景を見て癒された…

  なんかいいよな〜


  その時、『キーン』と耳をつん裂く音が響いた。


  「何だ何だ?」「何の音だ?」

  セルアルが驚いて、キョロキョロと辺りを見渡すと、マイカが

  静かに口を開いた。


  「多分、魔物です」

  「魔物じゃないにしても、誰かが町に入ってきたみたいです」

 

  「そんなのが分かるのか?」


  「はい」「入り口に探知スキルのセンサーを、仕掛けてるので

   町に誰かが、入って来たらさっきの音がするのです」

  

  あ〜それで、さっき俺が入って来たのを知って

  魔物かどうか、見に来たという訳か。


  「私達が、行ってきます」

  「セルアルさんは、治療で疲れてるでしょうから休んでて下さい」


  「え?でも…」

  不安そうなセルアルを見て、マイカが胸を張った。

 

  「大丈夫」「私達だって騎士ですよ!」


  「団長の言う通り!休んでて下さい」

  

  「俺たちが蹴散らしてきますよ!」


  マイカと騎士達が、講堂を出ていくのを見た子供達が

  セルアルの服を掴んだ。

  「お兄ちゃん、お願い、マイカお姉ちゃん達を助けてあげて

   何時もボロボロになって、帰ってくるの」

  「もしマイカお姉ちゃんが、死んぢゃったら」


  「ああ、任せろ」「誰も死なせない」

  セルアルが、講堂を飛び出して表に出ると、既にマイカ達の

  姿は見えなかった…


  えええ、もう居ない!一体何処に?

  そ、そうか探知スキルで、広い町の何処に現れたのか、

  正確な場所が分かるのか。こりゃ不味いな〜

  

  そしてふとミルセの言葉を思い出した。

  「もしも仲間と逸れたり、逸れた仲間を探す時に

   重宝するのが、探知スキルのサーチだよ」

  「但し広い範囲のサーチだとマナの消耗が激しいから気をつける事」


  そう言えば、さっきマナ欠乏症になったばかり…

  いや、今はそんな事言ってる場合じゃない

  それに、範囲を狭めれば問題無い、だから常に移動しながら

  狭い範囲で調べればいいだけの話だろう!


  その頃、マイカ隊は既にゴブリン四十体と、戦闘が始まっていた。

  四十体に対して、マイカ達は六人。数の不利は、勿論だが

  ゴブリン一体一体の力も強く、振り下ろした棍棒を、盾でガードした

  腕が痺れる程で、たかがゴブリンと侮っていた六人は、苦戦を強いられていた。

  あり得ない、何故ゴブリンにこんな力があるのか、二人で一体を倒すのが

  精一杯で、少しでも気を抜くとやられる。

  そんな恐怖が、マイカ達の剣を鈍らせていた。


  そして、必死の思いで十体を倒した時、六人の気力、体力と共に

  限界がこようとしていた。


  それにいち早く気付いたマイカは、大声で叫んだ。

  「私が引き付けるから、貴方達は逃げて!」


  だが、その命令に全員首を横に振り、従わなかった。

  「最後まで、一緒に戦います!」


  「貴方達は待ってる家族がいるでしょ!」

  「私は天涯孤独の身!家族も居ないし悲しむ人も居ないの!」


  「ダメです」「俺達が悲しいです」

  「それに住民達だって、団長を慕って…」


  「お願いだから、私の決意が鈍らない内に、行って!」


  マイカが息を深く吸い込むと、盾を前に構えて右足で

  思いっきり、地面を踏みつけた。

  「挑発!」

  

  「さあ!早く!今の内に!」

  

  団員達は拳を握り締めて、振り返り走り出した。


  「有難う」

  小さく呟いた、マイカにゴブリン達が襲いかかったのだった。

  

  

   

  

表現力も薄く、拙い文章を何時も見て頂き有難う御座います。

頑張って書こうと、励みになります。

私事ですが、父親が体調を崩して病院の行き来や仕事なので

更新が遅れがちになるかも知れません。

それでも良ければ、見に来て頂けるのを願ってます。

これからも宜しくお願いします

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