表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

第5話

  

「ここが僕たちの担当エリアだ。では、頑張ってくれたまえ」

 私の持ち場は、吸血鬼や狼男やミイラ男に相応しく、西洋風の雰囲気を漂わせていた。

 洋館が描かれた書き割りの前には、長細い六角形の(ひつぎ)が置かれている。山本さんが指差していたのは、その黒い(ひつぎ)であり、そこに入れと言わんばかりの手つきだった。

「あの、それで私は、いったい何をどうやれば……?」

「普通に吸血鬼として振る舞えば、それで十分だよ」

 ミイラ男の山本さんが、一応は西洋お化けチームのリーダーなのだろう。狼男の田崎さんは相変わらず一言も口をきかないし、仕事の手順は山本さんから教わるしかないのだが……。

 具体的な説明は皆無であり、これでは先が思いやられる。最初に案内してくれた裏方スタッフが「すぐ辞めてしまう子も多い」と言っていたのを改めて思い出し、妙に納得してしまう。

 なるべく顔に出さないようにしたつもりだけれど、いくらか心配そうな表情になったのかもしれない。山本さんは、気遣うような口調で付け加えてくれた。

「ああ、うん。足音や話し声でも、お客さんが来たタイミングはわかるだろうし……。難しいようなら、僕と田崎くんの後追いで構わない。悲鳴が聞こえてからでいいから、二段構えで脅かす形で、バアッと(ひつぎ)から出てきてくれるかな?」

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ