表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

閾値

作者: 北 洋

 髪を茶色に染め、ちょび髭を生やし、色付きの眼鏡を掛けた小柄なその男は、土下座している梅本を見下ろしながら、ポケットに手を突っ込んだまま横柄に言った。

「ワシの靴を舐めたら、勘弁したってもええで」

 その瞬間、梅本は竹内力のような顔をして立ち上がると、「おのれはええ加減にせんかいい!」と叫びながら、いきなり、その男の顔面にストレートパンチを叩き込んだ。男は鼻血を吹き出しながら後ろに吹っ飛んだ。梅本は倒れている男に馬乗りになり男の顔をさらに殴りつけようとしたが、すぐに他の社員に取り押さえられ、警察に引き渡された。警察に連行された梅本は取り調べを受けた後、帰宅を許された。起訴はされなかった。殴った相手に恐喝罪の前科があったことと、強い精神的ストレスを受けたことにより、梅本が心神喪失の状態であった可能性があることなどが理由であった。しかし、会社としては、顧客に暴力をふるった社員を雇用し続けることはできないと判断し、梅本を諭旨退職とした。


 梅本は関西を地盤とするホームセンターの顧客対応担当、要するにクレーマー対応社員だった。梅本がその客を殴った経緯は、顧客が物干しスタンドを購入しようとして、商品が入った箱をカートに入れようとしたときに、その箱に付いていたビニールのひもで手を切り、それへの補償として商品代をタダにしろとその顧客がレジで要求したのであった。すぐに、クレーマー対応担当の梅本が呼ばれ、梅本はいつものようにマニュアルに沿って対応した。マニュアルでは、このような時は顧客に病院での受診と治療を勧め、その費用をホームセンター側で負担するということになっているのである。もちろん、商品代をタダにするという対応は認められていない。梅本が見たところでは顧客の怪我は大したことはなく、梅本は代金惜しさの言いがかりだと思った。しかし、梅本はそのような態度はおくびにも出さず、丁重に詫びた上で、あくまでも低姿勢で顧客に病院での受診を勧めた。思い通りにならない顧客は憤慨し、梅本に土下座して謝罪することを要求し、梅本はその要求通りにその場で申し訳ございませんと土下座したのである。しかし、顧客はそれでは満足できなかったのか、さらに、自分の靴を舐めることを梅本に要求し、その時、梅本の頭の中で何かが弾けて、梅本は顧客に襲いかかったのだった。

 梅本はなぜ自分がそんなことをしでかしたのかさっぱりわからなかった。男を殴りつけた時の記憶はあるが、そのとき男を殴っていた自分は本来の自分とは別物であり、梅本は心身を全くコントロールできない状態に陥っていたのである。自分の奥深い部分から発生する巨大なエネルギーの爆発に本来の小心な梅本はなすすべもなく、目の前で自分が繰り広げている暴挙をただ傍観するしかなかったのである。


 梅本はホームセンターを割り増し退職金を得て退職した後、ハローワークで求職の手続きをすると、会社の人事担当者の勧めもあり、自分の怒りの発作の原因究明と再発防止のため、病院で診てもらうことにした。

 しかし、梅本はいくつかの病院を受診してみたが、梅本の異常行動の原因はどの医者も特定できなかった。そして、何軒目かに門をくぐったある心療内科でのことだった。そこの院長でもある医師が初診時の定型的な質問をし、梅本がこれまでの経緯を詳しく医師に説明した後、医師が梅本に尋ねた。

「梅本さんは何年ぐらいクレーマー対応を続けてこられたのですか?」

「今年で14年目になります」

「クレーマー対応というのは大変な仕事なんでしょう?」

「ええ、うつ病で辞めてしまった同僚もたくさんいます」

「梅本さんは大丈夫なのですか?」

「ええ、もう慣れましたから。それに、自分なりの対処法もありますし」

「ほう、どんなことをするんですか?」

「モンスタークレーマーみたいな人に対しては、ただひたすら低姿勢で対応します。誠心誠意あやまり続けていれば、どんな人でも最後は折れてくれますよ。土下座しろと言われればしますしね。それで帰ってくれるんだったら、安いもんですよ」

「それでは、ご自身の人間としての尊厳が傷つくでしょう?」

「そんなもの、とうに捨てました」

「なるほど・・・。梅本さん、これはあくまでも私の仮説なんですが、私はこれまでいろいろな患者さんを診てきて、人間は人それぞれに許容できる各種ストレスに対する閾値を持っているのではないかと考えているんです。だから、梅本さんもホームセンターのクレーマー対応社員としてあまりにも長い間、理不尽な振る舞いに対して我慢を重ね、怒りを抑え続けてこられたため、これまでため込んだ怒りの量が閾値に近づいていて、理不尽な行いをこれ以上許容できなくなっており、些細なことで怒りが爆発してしまうのではないかと。まあ、一種の職業病といってもいいのかもしれません」

「すいません。イキチってなんですか?」

「あ、閾値というのはですね、理論的に言うと、ある反応を引き起こすために必要な最低限の刺激の量ということになります。要するに、特定の刺激の量が閾値を超えなければ何の反応も起きませんが、閾値を超えてしまうと、今までと全く異なる現象が発生するのです。梅本さんの場合は、クレーマーの理不尽な要求がその刺激と言えるでしょう。そして今回、その刺激の総和が梅本さんが本来持っている閾値を超えてしまい、それに対する反応として、常識はずれの暴力的な言動が帰ってきたということではないでしょうかねえ」

「なるほど。言われてみれば、そうかもしれませんね」

どこの病院でも原因不明と診断されてきた梅本は、この病院に来て、初めてまともな説明を受けた気がした。


 その後、梅本はハローワークにほぼ毎日通い、仕事探しを続けながら、他には特にすることもなく手持無沙汰な日々を過ごしていた。ただ、梅本が自宅で仕事探しをしている間にも梅本の異常行動は続いた。


 それは、梅本が求人情報を閲覧するためにハローワークに車で行くときにいつも使っている、ある道路上でのことだった。そこは一般道だが中央分離帯のある片道2車線の自動車専用道路で、速度制限は60kmとなっているが通常時速80kmで車は流れている。梅本はその時、右側の車線をちょうど時速80kmで走っていた。すると、梅本の車の後ろからベンツがやって来て、車間1mぐらいまで接近すると、早く行けとばかりに梅本の車に金魚の糞のようにくっついて、ハイビームでヒステリックにパッシングしながら走り始めたのだ。そんなに急いでいるのなら左側から追い越せばよいではないか。このレーンは追い越し専用車線ではないのだから。梅本はそう思って、ベンツを無視してそのまま走り続けた。すると、ベンツのドライバーは業を煮やしたのか、梅本の車を左側から追い抜くと梅本の前に移動し減速して、梅本の車を無理やり止めさせた。そして、ベンツから降りると梅本のほうに近づいてきて窓を開けろという仕草をした。その時、梅本の顔はすでに能面の本成(般若よりさらに鬼度が増したもの。ちなみに、般若の面は中成と呼ばれることもある。)のような顔になっていて、梅本は窓ではなくドアを思い切り押し開け、男を弾き飛ばした。そして、車を出ると男の上に馬乗りになり、「天誅!」と叫びながら男の顔面にパンチの雨を降らせた。男の口から血とともに折れた歯が噴き出した。梅本たちの車と路上で暴力行為を展開している二人の後ろには後続車の長い列ができていた。

 また、梅本が電車で梅田に買い物に出かけた時の帰りの電車の中でのことだった。吊革につかまって立っていた梅本の斜め前に若い女が足を組んで優先座席に座っていた。しばらくして、ある駅から杖を突いた老婆が電車に乗って来て、その女の前に立った。若い女はそれに気づいた様子だったが、特に席を譲る風でもなく、足を組んだまま座っていた。そして、電車が動き始め、電車が左右に揺れた際に老婆はよろめいて、若い女の足に引っ掛かり床に倒れたのだが、その時、その老婆が持っていた杖が梅本の足の甲を突いたのだった。梅本は激痛に顔を歪め、「誰のための優先座席じゃああ!」と言いながら、ミニスカートをはいた若い女の足首をつかむと、優先座席から引きずり下ろすや、ジャイアントスイングをかけて振り回し、その女を失神させた。

 また別の日、真夜中の午前2時過ぎに、自宅で熟睡していた梅本は突然の爆音に叩き起こされた。その音は、梅本の家が並ぶ住宅街をマフラーを空吹かししながら走るバイクの音だった。梅本は飛び起きて工具箱にあるハンマーをつかむと玄関から飛び出し、爆音の音源に向かって全速力で走って行った。そして、「今、何時や思てんねんん!」と叫びながら、改造したKAWASAKIの古いバイクに乗っていた少年を引きずり下ろすと、ハンマーでバイクを滅茶苦茶に叩き壊し始めた。ヘッドランプが砕け散り、タコメーターが吹っ飛び、ラジエターから大量の水がしたたり落ちた。そして、数分後には、そのバイクは完全にスクラップと化していた。

 幸か不幸か、煽りドライバーや優先座席の女やバイクに乗った少年に対して梅本が起こした行動はすべて、偶然その近くにいた誰かにスマホで撮影され、SNSに投稿されており、ネット社会はこれに大きく反応した。梅本は名前こそ晒されなかったが、その雄姿は多くの人の目に触れることになり、梅本は瞬間的に時の人になった。梅本の行動に対する評価は人によってまちまちではあったが、概ね、やってはいけないことではあるが心情は理解できるという内容のものであった。

 梅本の異常行動はその後も続いた。ある日は、スーパーで買い物をして出口から出る際に、持っていたレジ袋がスーパーの出入り口前に停めてあった自転車に当たり、10個入りパックに入っていた卵のいくつかが割れてしまったのだ。駐輪場が空いているにもかかわらず、無精してスーパーの出入り口に自転車を停めたこの自転車の持ち主に対する梅本の怒りが沸騰した。「くそ自転車がああ!」梅本はそう叫ぶと、その自転車を持ち上げて地面に思い切り叩きつけた。自転車のライトが吹っ飛び、前かごが大きく凹んだ。自転車の持ち主と思われる老婆が後ろで「何すんのお」と言いながら、その様子を呆然と見ていた。

 梅本は以前から腹立たしい思いをしていることがあった。梅本が朝起きて門扉のポストに朝刊を取りに行くと、ほぼ毎日、自分の庭先に同じ銘柄のタバコの吸い殻が落ちていて、時には、まだ火が点いていることもあるのだ。ある日、怒りが沸点に達した梅本は、この吸殻の犯人を突き止めるために、朝早くから玄関で待ち伏せした。すると、午前6時少し前にスーツ姿のサラリーマンが煙草を吸いながら通りかかり、梅本の自宅の庭に吸殻を投げ込んだ。その煙草の銘柄は梅本の家の庭に毎日捨ててあるものと同じだった。それを見た梅本は、空き缶の中にそれまで集めていたその銘柄の吸殻をつかむと男に走り寄り、「ポイ捨て一本、火事の元おお!」と叫びながら、その男の口の中に吸殻の塊を突っ込んだ。「うげええ」男はさっき朝食に食べた、トーストやスクランブルエッグやコーヒーと一緒に吸殻を吐き出した。

 また別の日の夕方、梅本が自宅近くの閑静な道を散歩していた時のことだった。梅本の前方をゴールデンレトリバーを連れた男が歩いていた。しばらくすると、犬は便意を催したらしく、急にアスファルトの上にしゃがみ込み、てんこ盛りの大便を排泄した。この糞は当然、この男が処分するのだろうと梅本が思っていると、「犬の糞は持ち帰りましょう」という看板が目の前に立っているにもかかわらず、男は糞をそのまま放置して散歩を続けたのだった。梅本の心に先週の怒りの記憶が蘇ってきた。先週のある日の夕刻、この道を散歩していたときに、梅本は出来立ての大きな犬の糞を踏んづけてしまい、新品のワラビーシューズが台無しになってしまったのだ。たちまち大映映画の大魔神の顔になった梅本は、走って犬連れに近づくと、ゴールデンレトリバーを後ろから抱え、「バイバイ、パトラーッシュ!」と叫びながら道路脇を流れる川の中に放り投げた。「タロー!」飼い主が犬の名前を呼びながら、川の中に飛び込んだ。

 また別の日、梅本が時々利用しているスーパー銭湯で、湯船に浸かってリラックスしていた時、八十歳過ぎと思しき老人が大浴場のドアを開けて入ってきて、洗い場に並んでいるプラスチックの椅子の一つにタオルを置くと、湯船の方によたよたとやって来てその前に座り、たらいで自分の体に2~3杯お湯を掛けると、そのままざぶんと湯船に入ったのだ。湯船に浸かる前には毎回必ず身体をきれいに洗っている梅本はこれを見て逆上し、「貴様わああ」と叫びながら、その老人の頭を両手で押さえつけると、湯船に思い切り押し沈めた。そして、「尻のお・・・穴ぐらい・・・洗わん・・・かいやああ」と言いながら、必死で起き上がってくる老人の頭をさらに何度もお湯の中に押し込んだ。老人は入れ歯を吐き出しながら、「たふ・・・けて・・・たふ・・・けて・・・」と二人以外誰もいない浴場で、声にならない声で助けを求め続けた。


 そして、また別の日、梅本が地下鉄のホームで電車を待っていた時のことだった。梅本が自動販売機で買ったペットボトルのお茶を立ったまま飲みながら、黄色い線の内側で電車を待っていると、向こうからスマホを見ながら歩いてきた若い男が梅本にぶつかり、ペットボトルのお茶がこぼれて梅本の服を濡らすとともに、梅本は危うくホームから線路に落ちそうになったのだ。梅本は瞬時に北斗の拳のラオウの顔になると、「うぬわあ」と言いながら、男の持っていたスマホを取り上げ、両手で真っ二つに叩き折った。若い男が「何すんねん?そのアイフォン買ったばかりやねんで」と梅本に文句を言うと、梅本は男が着ていたジャケットの襟を掴み、「今、線路に落ちそうになったやんけええ」と言いながら男の体を持ち上げると、線路の上に宙吊りにした。男は「すいません。すいません。もう、歩きスマホはしません。絶対」と必死で梅本に謝り続けた。

 そのような日々を過ごしながらも、梅本の再就職先はなかなか見つからなかった。梅本はクレーマー対応しか職務経験がなく、かといって、未経験の職種に就くことは年齢的に難しかったのである。怒りの発作がいつ訪れるか分からない今のような状況では、再びクレーマー対応の仕事に就くわけにはいかなかった。なかなか仕事が決まらない梅本は気分的に落ち込んでいたが、再就職期間中、良いこともあった。それは、ある可愛い女性と恋愛関係になったことであった。

梅本がいつも利用している食品スーパーで、その女性はレジ打ちのパートをしていた。二人が親しくなったのは、梅本に怒りの発作を起こさせたある事件がきっかけだった。

 ある日、梅本がいつものように必要なものを買い物かごに入れてレジで順番待ちしていると、梅本の前にいた老人がレジの女性に難癖を付け始めたのである。

「申し訳ございません。砂糖一袋100円は千円以上お買い上げのお客様に限らせていただいております」

「そんなこと、どこに書いてあるんや?」

「商品置き場に貼ってありますけど」

「どうせ小さな字で書いてあんのやろう?そんなもん、気付くかいな。もうええから、千円分買うたことにしといてえや」

「困ります。そう言われましても」

「なんでやねん。わし、毎日この店来ていろんなもん買うてんねんで。さっきも500円のちらし寿司買うたとこやがな。今買う分と合わせたら千円超すんやで」

「申し訳ございません。あくまでも一度に千円以上お買い上げのお客様が対象ですので」

「そんな冷たいこと言いなや。千円以上買わなあかんて知らんかっただけやがな。何やったら、さっき買うたちらし寿司のレシート見せたろか?」

「申し訳ございません。後ろのお客様がお待ちですので」

「なんやねん、その言いぐさは。お前じゃ話しにならん。店長を呼べや」

 老人が声を張り上げた。すると、後ろで待っていた梅本がその老人の胸倉を掴み、東大寺南大門の金剛力士像のような顔をして老人の顔を睨みつけながら言った。

「ジジイ、早よせんかい。後ろがつかえとるんじゃあ」

 老人は梅本の顔面の迫力に押されて、ぶつぶつ言いながらも、レジ打ちの女性から言われたとおりの金額を支払って足早に店を出て行った。

「ありがとうございます。いつかネットに出てた人ですよね?」

 レジ打ちの女性が梅本を見て可笑しそうに言った。

「あ、はあ」

 老人が去って怒りのエネルギーが収縮した梅本は、清楚な顔立ちをしたそのレジ打ちの女性の真っ直ぐな視線にどぎまぎしながら小さな声で答え、商品の代金を払うとすぐに店を出た。

 梅本はその後、その食品スーパーに何度か行くうちに、そのレジ打ちの女性と仲良くなり、ある日、梅本のほうから誘って、女性の勤務時間が終わったあと一緒にコーヒーを飲むに行くことになった。その後も、一緒に食事をしたり、映画を見に行ったりして、ひと月後には女性は梅本の家に泊まるようになった。不思議なことに、梅本がレジ打ちの女性と付き合うようになってから、梅本の怒りの発作は起こらなくなっていた。

 梅本はその状況を自分なりに分析していた。つまり、優しくて可愛い女性と恋愛関係になることによって、梅本の幸福感が増し、それによって梅本の怒りが暴発する閾値が上昇して、以前のように些細なことで切れることがなくなったのではないかと梅本は考えていた。

 そうなると、梅本は実に普通の男だった。つまり、退屈でおもしろみのない、一緒にいても何も楽しくない、特に、魅力的な女性にとっては本当につまらない男なのである。

 レジ打ちの女性もそんな梅本の性格に次第に飽きてきて、二人の関係はだんだんと冷えていった。そして、ある日、女性が勤務先のスーパーを退職したことによって、二人の関係は終わりを告げた。

 梅本は再び、自宅とハローワークを往復するだけの従来の単調な生活に戻った。それから数日後のことだった。その日、梅本はいつものように午前6時過ぎに目を覚ますと、用を足し、歯を磨き、顔を洗って、玄関口の郵便受けに入っている新聞を取りに外に出た。そして、梅本が玄関の方を見ると、近所の主婦と思われる女が梅本の自宅の玄関先に立っており、その女の連れたトイプードルが片足を上げて、梅本の家のアルミ製の門扉に小便をかけているではないか。

 それを見た梅本は「おんどりゃあああ!」と叫び声をあげると、閻魔大王のごとき形相で、そのトイプードルに襲いかかった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ