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夢憑依Ⅱ(憑依した先はなんと美女!)  作者: 夢未太士
第2章 第1部 美女
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盗賊狩りは一人で十分

盗賊狩りは一人で十分


賊を縛り上げ一段落すると、冒険者のリーダーギラルの意見でこの先の砦跡地でこの日は宿泊することになった。

商隊は一路廃棄砦へ、砦へ着くと先客がいた、この廃棄砦は中継基地として利用されているらしい、砦の中に入ると店があり水や食料を販売していた。

他にも商隊がいて牛車も何台かいた、ちょっとアメリカンな西部劇を思い出したが、この世界銃はあるがかなり高価らしい。

(魔法があれば銃などいらないのかも…)

午後3時を回り今日はこの廃棄砦で夜を明かすこととなった。

商隊同士は別々で食卓を囲むらしく後から来た我々はこの砦の手前の開いている広場でテントらしきものを設営していた。 

ギランとポッタムそして私とこの砦を預かる領主代理のガバナム・アルカスで、捕まえた賊の取扱いについて話し会った。

盗賊の処分は基本的に奴隷化が一般的らしいが今回この人数を生きたまま捕らえることができたのは珍しいらしく、後になってその処遇にきゅうするとは思いもしなかった。

奴隷化の魔法を使えれば何とかなるとの事でこれから話し合いが行われる、廃棄砦の管理官でもあるガバナムという男は、こずるそうな顔で最初に奴隷たちの扱いで釘を刺してきた。


「そいつらに食わせる飯はないぞ」

「いやいやお金はこちらで出すから食料を少し分けてもらえればよい」

「そうすると砦の備蓄が無くなると言っている」

         

もめていそうだが仕方がないとも思う、余分なしかも捕らえられた盗賊達20人、まさかそのまま飢え死にさせるわけにもいかない。

だが彼らにはまだ仲間がいるはず、20人捕まえただけでこのまま無事済むとは思えないのだが…そう思い私は頃合いを見計らい言葉をはさむ。


「お話の途中ですがこの辺りの賊は20人しかいないのでしょうか?」

「いや最低50人はいるはずだ」ガバナム

「それならば戦闘準備をなされた方がよろしいかと思いますが」

「仲間を取り戻しに来るとお思いですか?」ポッタム

「私が賊の仲間なら当然この夜に紛れて奪還しに来ると思います」


ガバナムは憮然とした顔で「厄介事を持ち込みやがって!」と暴言を吐くと立ち上がり。

「おい戦闘準備をしておけ 賊が仲間を取り返しに来るぞ」と言い放った。

周りは騒然としたが、3組の冒険者グループは合図をやり取りし戦闘準備を始めた。

ギラルが困り顔で私に言葉をかけてくる。


「ジェシカさん情けない話だがどこまで加勢していただけますか?」


私は少し考える、先ほどの戦闘で大体盗賊の強さが分かった、色々なチート技術を使えば何とかなりそうだ、気功防御術もハイディングもしっかり使えるし盗賊をやっつけることぐらい簡単だと思った。

だが彼らに協力してことに当たるのと自分だけで対処するのとではかなり勝手が違ってくる。

手伝ってもらうのも一つの方法だが、それだと事前にしなければならないことが多くなり即席の連携ではうまくいかない可能性が高く、少しでもケガ人や手間を減らすなら自分主導で盗賊退治を行なう方が怪我人が出ないだろうと考えた。


「皆さんが防御に徹していただければ後は全て私一人で無効化できるでしょう」

「いやそこまで…ほんとですか?嘘でしょ」

「ですが、問題がありますこの砦にも賊がいる可能性があるので、それを片付けてからでしょうか」


ジェシカがギラルに耳元で小声にして話し始めると建物の影からこちらを盗み見る人影が見えた、一瞬ギラルも驚いた顔をしたが、少し考えてジェシカの案に乗ることにしたようだ。

ジェシカはすばやくホロモニターの地図から対象者をタップし追跡機能をタップ。


「今罠を仕掛けましたので少し様子を見ましょう」


怪しい人物は必ず外と連絡を取るはず、ハイディングシステムで姿を隠し盗み聞きして彼らの裏をくそして一網打尽にすれば良い。

この時代の人族の戦闘力や知識を考えてみても敵である賊の戦闘力は児戯じぎに等しいし。

ただしあまりやり過ぎると過干渉になり、私自身が恐怖の対象となる事も忘れないようにしないといけない。

だから殺人(殺し)はほぼ回避しなければならない。

今の私は気功術の達人クラス、しかも気功癒術=回復術も使えるのでこの世界では大賢者と言っても通用するかも、本当にチート過ぎるまるでワンダー〇ーマンみたいだ。

迎撃体制を整えた後は皆で食事を交代で取りながら賊の攻撃に備えた。       

日が陰り1時間程が過ぎた所でホロモニターに先ほどの要注意人物が動き出す様子が映った、半径200mの外枠から赤いポインターを記す外部の人物が要注意人物と接触したようだ。

私はハイドシステムをオンにするとそこへ音もなく近づく、木陰に隠れ息をひそめて話し声を聞くことにした。

売店で店番をしていた男と盗賊の連絡係が接触したようだ。


「お前らドジすぎだろ」                   

「しょうがねえだろ、こういう時のためにお頭が砦にいんだからよ」

「で どうすんだ?」

「まずは人質を取れ、できれば女子供だな」

「それで」

「俺たちがまずは正面入り口から20人で弓を射かけ攻撃を仕掛ける、その隙に残りの10人で後ろから忍び込みお前らと合流、人質と一緒に後ろから現れて人質を盾に脅す、後は解るだろ」

「仲間を開放しお宝を奪う、しかも今回は商隊3つ分」

「損して得取れってやつよ」

「お前にしちゃ頭良いじゃねーか」

「だろ お頭にも伝えといてくれ」

「分かった」


下卑た笑い声が漏れる。

賊の計画は簡単至極、これなら容易たやすく制圧できそうだ。

まずは味方に防御に徹するよう指示、特に弓対策 盾での防御を中心にして貰う事にしよう。

それから女子供を人質にという事は他の商隊に居た女性が二人と子供が一人、それからミラルちゃんかな。おとなしく人質になってもらうようにしておいた方が怪我が無くて良いかもね。

その場を離れるとすぐにミラルちゃんのそばに行き小声で話しかける。


「ミラルちゃん」

「ハイ!」

「声を小さく」

「ジェシカさん?」

「これから言う事を黙って聞いて、賊が貴方達を人質にするらしいの」

「でもね安心して人質になって抵抗しないように、他の人達にも言っておいてもらえるかな?」

「ジェシカさんは?」

「あなた達を人質に取って安心させているうちに賊を叩きます」 

「判りました他の人にも抵抗しないように言っておきます」

「お願いね」

「はい」


ハイディング状態をキープしたまま冒険者ギラルの傍へ行くと又小声で話しかける。


「ギラルさん、敵は人質を取って表と裏から攻めてくるようです」

「それで どうする?」

「まずは表に15人規模で配置そして盾を持たせて弓に対応して下さい」

「それから後ろに配備した仲間にはあまり抵抗しないようにお願いします」

「裏から攻めてくる賊は私がすべて排除します」

「それから敵のスパイも解りましたが、いま皆に知らせると感付かれるので、こちらで排除しちゃいますね。」

「それでうまくいくのか?」

「大丈夫なようにしますから安心して従ってください」

「解った、よろしく頼む」


そう言うとギラルは敵の攻撃に備えて表門を警備している冒険者へと指示を飛ばした。

さて敵のスパイの位置はと探ると、青いポインターがここの責任者ガバナムへと近づいて行く。

(たぶんそうだと思ったのよね~あいつもグルね)


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