[第2章 第1部] 再び未来へ
[第2章 第1部] 再び未来へ
目が覚めたら、そこは宇宙船の中のような未来の家のような場所。
この前の夢の続きかと思っていたがどうやらそれは違うようだ。
見回すとドーム型の屋根、しかもガラス?強化プラスティックなのか?構造は詳しくわからないが半分ぐらい透き通っていて空が見える。
(透明なガラスに見えたのは全て外の映像だった)
そこには4つもの月が見えた、しかもそれぞれ色が違うし大きさも違う赤い月白い月青い月黄色い月。
すでにカプセルの蓋は開けられており、部屋の空気が流れ込んでくる 。
身体を起こし見回すとそこにはいくつものカプセルが並んでいた、もしかしてコールドスリープ、まさかラノベの読みすぎか?
そして次に驚いたのは…なんだか胸が重い、体を起こし俯いて下を見てもおなか(腹)が見えない大きなふくらみが邪魔をする…これってオッパイ?
次に俺は手のひらを目の前に出し指を見た、白い綺麗な細い指だ皺もシミもない。
そしておもむろに股間を触ってみるが…あるはずのものが無い(オーノー!)
私は起き上がりカプセルから足を出しヘリにつかまると、「よっこいせ」という言葉が自然に出てしまう、声は女性の声だった。
一瞬周りを見渡す、やはり自分が出した声の様だ。
掛け声はうっかり出てしまうが体は軽くスムーズに動く、普段の癖は体が変わろうともすぐには変わらないようだ。
俺はカプセルから出ると周りを見渡した。
カプセル型の機械は自分が寝ていたものも合わせて全部で10個、とりあえずここが何処かを知らなければならない。
歩くたびに見える白く細長い脚、そして触れる度にその肌のみずみずしさを感じる。
(今度はなんだ、女の体に憑依したのか?)
俺はその部屋を出るため扉のような凹みに近付くと何となく手をドアに向けた、するとひとりでにドアが自然に開き廊下へと出ることができた。
どうやら自動認識でドアは開くようになっているらしい。
カプセルがあった部屋から外へ出て通路を右へ少し歩く、俺はトイレ(WC)を探すことにした。
少し歩いただけで尿意を感じたからだ、女性の体に憑依したためかそれともコールドスリープの副作用か、そのあたりの感覚が少し敏感になっているらしい。
通路を少し歩くとWCと書いたプレートが見えたのでその扉を開け中へと進む。
思った通りそこはトイレだった、入ってすぐに洗面台が設置してありそこには鏡も添えつけてあった、鏡を覗くとそこには信じられないぐらい綺麗な女性が立っていた。
(ワオッすごい可愛い誰これ、まじか…まさか金髪美女とは…)髪はロング スタイル抜群。
だけど股間にあるはずのモノが無い、まあこのルックスで股間にあれがあるとミスマッチにもほどがあるが、ある種の性癖を持つ人には喜ばれるだろう。
ちなみに自分にはそういう癖はない。
鏡の中の女性は俺が動こうと思うと同じように動く、ひとしきりポーズを取り笑ってみたり変顔をしてみたり。
(意図せずこういう形になってしまったが…どうして?)
仕事上トランスジェンダー、LGBTには理解はある、そういう方向性も考えたことがあるからだ。
よく海外の映画で美容室のシーンなんかがあると男性美容師は、おかまちゃんの時がある。
日本のTVでもよく見かけるし実際美容室で働くトランスジェンダーの美容師も結構いるのではないだろうか。
(実数は知りません)
自分は一応ノーマルだが、おかまを演じて顧客を獲得することも過去に考えたことがある。
経営者だから色々な観点から集客を考えたのだけれど、自分には実用的では無かったみたいで諦めた「どんだけー」がぜんぜん似合わなかったからだ。
180度違うこの容姿でもあのセリフは全く似合わないことがわかった。
(鏡の中の女性はすごく可愛いし声もきれいだし、あのシーンを思い出してしまう)
語尾を伸ばす言葉使いにかなり違和感が出てしまう、どちらかと言うと「ど・れ・だ・け♡ウッフン」の方がよく似合いそうだ、そろそろ本筋に戻ろう。
さてさて鏡も見飽きてきたので、先ほどまで忘れかけていた本来の目的、小用を済ませることにした。
女性の体…エロ漫画ではよくあるシーンだ。
中身60のオヤジなのでもうそれは詳しい所まで良く知っているが、本当になってみると何か恥ずかしい。
(少し興奮しながらもなぜか恥ずかしい)
頭の中身が男なので背徳感が半端ない、ものすごくミスマッチを感じる。
心の中で見ちゃいけない、触れてはいけないと危険信号を発するのだ。
普段の俺ならばなんという事もなく股間に手を触れているだろう、だが下を見ても二つの山が邪魔をするのでよくは見えない。
やはりあるはずのものがないのはバランスが悪いと言うか、だが生理現象は待ってはくれないので早々に諦めて小用を済ますことにした。
便器の蓋を上げショーツを下げると一応便座を確認し汚れや付着物を拭くためのペーパー類の確認をする。
そこにはペーパーの類は添え付けされていなかったが、仕方がないのでとりあえず用をたしてから考えることにした。
便器の形は現代と大差ないが水の流れるような構造とは違っていた、単純にシャワーのような突起が出てくる仕組みは21世紀のウォシュレットと大差なかったが、そこから先は別のシステムで動いているようだった。
大かビデの設定も自動でおこなわれる、用をたした後はすべて全自動で勝手に水で洗ってさらに乾かしてくれるが、風が当たると少しくすぐったい、そして音声が流れる。
(生理現象の処理を受け付けました、生産性向上のため有機分解を開始します)
宇宙船あるあるだ、水分はろ過され再利用その他の養分はどこか違う部門で使われるのだろう、その先はまだわからないが、暇ができたら探ってみようと思う。
さてこれからどうしたものか、引き延ばそうと思えばトイレで小一時間語ることもできるが未来トイレのうんちくはこのぐらいにしておこうと思う。
女性の体は思ったより軽く、そしてしなやかだ。
元になる女性の今までの努力のたまものでもあるが、この体の身体能力は憑依した俺にもすぐにわかるほど柔らかくそしてパワーにあふれていた。
トイレから出るとまずはここがどこかを知るために船内を探索することにした。
この施設が本当に宇宙船ならばここは何処か?そしてこの宇宙船の目的は何かを知らなければならない。
俺は次にコンピュータールームを探した、通路のプレートにはブリーフィングルームとあったが、まずはそこへ行ってみることにした。
ブリーフィングルームと書かれた場所にはやはり人は居なかった、この場所はブリーフィング用かまたは休憩所と言ったほうが良いだろうか、テーブルと固定タイプの椅子が10個並んでいる。
だが誰もいないところを見ると、やはり今現在行動している乗組員は自分しかいないらしい。
俺が寝ていた部屋にはコールドスリープのカプセルが全部で10個有りこの体が眠っていたカプセルを含めて4つが空だった、と言う事は3つは予備と言う事なのか、この船の搭乗者は私を入れて全員で7人という事なのだろう。
(カプセルを覗いて見たらビースターもいた、獣人いたよ)
ブリーフィングルームからは指令室とコンピュータルームへの矢印がプレートに表示してあった。
コンピュータールームはブリーフィングルームから直に扉を開けて入るだけ、指令室は左右に通路がありどちらかを進めばその先に指令室があるらしい、スタッフが起きていれば通常は航行システムの運用上指令室に数人が詰めているはずだが現在は誰もいない。
つまりこの宇宙船は全員がコールドスリープで眠った状態でも、自動運転で星に着陸できると言うことになる、素晴らしいね宇宙船まで自動運行ですよ未来の科学は。
と言うことはこの娘が起きたのがこの宇宙船のシステム的なもので定められている計画的な日程なのか、それとも単にエネルギー節約の為なのか解らないが、今のところ俺もとい私だけしか起きて居ないという事なのだ。
早速コンピュータールームに入り色々調べることにした、メインスイッチを入れてコンピューターのスリープ状態を解除、なぜか操作方法が頭に浮かぶ、この体の記憶情報が徐々に俺の脳とリンクしてきたのかもしれない。
コンピューターの操作もなぜかすんなり進む、とりあえず情報を得なければ。
カーソルを動かして検索窓にプログラムと入力し検索をかけると色んなことが分かってきた。
やはりこの船は宇宙船で乗組員は7人、長距離航行のため搭乗者を限定したらしく。
本来10人乗れるはずのところ7人に絞ったとのこと。
衣食住は7人で最低50年ぐらい大丈夫らしい。そしてこの宇宙船は地球からの探査船らしい事も分かった。