次元夢旅行(惑星開拓史)
夢とあこがれ
なってみたいものの一つに絶世の美女がある、それは美しい女性のグラビアや大人になってから目にする悩ましい姿の映像を見る機会が増えてからだ。
まさか自分がそのようになれるとは夢にも思わなかったのだが。
そこにはもしかしたら今までに経験したことのない楽しみもあるかもしれない。
なったらなったで考えもしなかった苦労の数々がある事も思い知るだろう。
それは人生を2度経験するのと同じことだ。
今度の物語はそんなあこがれを具現化してみた。
あなたならどうしますか?
60歳おじさんが挑む、美女の体で未来を変える
心はおやじ体は超美女、正義を貫く変身(変態ではない)おじさんは今日も行く。
お仕置きの場面が多く出てきます、別にSではありません。
ああ…あこがれの美女体験!
[第2章] 惑星開拓史
訪れたのは眼下に見える青い星から38万k離れた重力の少ない大地、先日届いた辞令は月の基地ラビッドから発艦する惑星探査船の艦長としての赴任命令の知らせだった。
彼女の名はジェシカ・ラムセア・ミスイ、東和皇国宇宙防衛軍に所属する少佐という肩書を持っている。
防衛大学卒業後すぐに東和皇国防衛軍に入隊し幹部候補でありながら、たたき上げでの入隊を希望し、平の2等兵からたった2年で少佐まで昇進した。
通常幹部候補でも少尉止まりのところ3階級特進の成績を残し本日晴れて栄誉ある宇宙防衛軍へと栄転したのである。
「やはり空気は薄いわね、ドックまではあとどれくらいなの?」
「月面モノロードで10分です」
モノロード(遊歩道にコンテナが付いた横に動くエレベーター)
「まったく誰かさんが遅れなきゃ慌てることもなかったのによ~」
ジェシカとラビそして憎まれ口をたたくのはカズキ・イトウ、ジェシカとラビ・コンドウは同じ船に乗る予定だが、カズキは別の船に乗る予定だ、彼らは皆同じ基地から今回の宇宙探査作戦に参加した隊員たち。
すでにジェシカ達の船には残りのメンバーが到着しているらしい。
カズキは別の探査船だがどうしても月までは一緒に来ると言い、連絡便には3人そろって乗ることになった。
今回宇宙探査作戦には10艇の宇宙船が用意された、そこには世界中から志願した軍人や学者などの専門家が乗り込み第2の地球を探すための旅に出る予定だ。
一度出発すれば最低100年という長い時間を星の探査という任務のため費やす予定であり、無事帰還できる可能性が極めて低い過酷な任務となっている。
現在、惑星間の航行方法は瞬間転移式航法と言いワープ航法とは異なる、ワープ航法が宇宙の自転を利用する速度アップに対し瞬間移動航法とは座標空間転移魔法を機械化した画期的な方法だ、今から300年前に理論が発表されたが魔法を解析し発動装置を作るのは至難の業だった。
だがその問題も魔法が解決することになった、この時代は魔法があり科学があるハイブリッドな文明を謳歌している。
その為地表からのシャトル(定期便)も乗ってから1分もかからず月の基地に着く。
そのうちシャトルではなく直接瞬間移動ポッドを利用して月へ移動するのが可能になる予定だが、今は気功力という人の持つエネルギーに瞬間移動の装置が依存している為、小型化するのにあと少し時間が必要だと開発者は言っていた。
「悪いわね、女の子には男と違っておしゃれする時間が余分に必要なのよ」ジェシカ
「別の便でくれば良いのに」ラビ
「仕方ないだろ、もしかしたらこれが最後のお別れかもしれないんだぜ」カズキ
「私も好かれたものね」(少しため息をつく)
ジェシカがそういうとカズキは顔を赤くして下手な口笛を吹いている。
そうカズキはジェシカに惚れてしまったのだ、と言っても異性としてではなく上官としての生き方に惚れたのだ、むしろ女としては見ていないところが腹立たしい、4つ下の曹長という階級だが彼もかなりの成績を残してこのメンバーに登用されている。
そして彼はジェシカの部下でもあった。
「ほんとよねカズキがMだとは思わなかったです」
ラビことラビ・コンドウはともにジェシカの部下として働いてきた戦友でもある。
中東の派遣業務で部隊を引き連れ人道支援にあたっていた時に3人の部隊は、一人も欠けることなく町からの避難誘導を完遂してのけた。
銃弾が飛び交う激戦地でかなりの銃弾を浴びてもひるむことなく任務を遂行し、彼らは生き残り勲章まで手に入れた。
その功績が認められ今回の宇宙探査船に乗り込むよう辞令が出た、もともと3人は今回の宇宙行きに志願しており、適性検査や選別はすぐに済んだ。
残念なのは3人が一緒ではなかったことぐらいだろう、まあそれでも同じ時間を生きるため次回会う時もほぼ同じ容姿で再会できるだけまだましというところかもしれない。
「俺は別にMじゃないぞ」
「じゃあ特定の人に対してM?」
「…」
「否定しないんだ?」
「そのぐらいにしておけ、もうすぐ着くぞ」
「イエスマム‼」
月面モノロードがラピッド宇宙港外宇宙用のドック前に止まると3人は最後のあいさつをする。
「期待はしていないが、元気でな また会おう」
「上官も元気で!」
「またねカズキ」
この先は分かれ分かれになるが、そんなに遠くない未来にまた会えそうな気がするから不思議だ。
あのお調子者が簡単にくたばるわけはないし、こちらも毎日軟弱なトレーニングをしてきたわけじゃない。
1年前のあの日から仲間と誓ったこの日が来ることを、そして必ず成果を上げてまた会うことを…
ジェシカとラビは1番ドックへカズキは5番ドックヘとそれぞれの船が停泊している場所へと向かう。
カズキは少し泣きそうになりながらも手を振っていた、ジェシカはそれに親指を立てて胸に押し当てる。
ジェシカ達の部隊で流行らせた合図だ、意味は(大丈夫とOKと任せろ)を兼ねて使う。
最初にやったのは3人とは別な奴だが、そいつは任務中に新種の病原体に侵されて死んでしまった。
地球では過去に何度となくウィルスにより人類滅亡の危機に見舞われたが、気功術による抗ウィルス抗体活性術により何とか滅亡は免れた。
だがそんな中でも戦争はなくならず、特に貧困の多い国では争いは絶えなかった。
いくつかの戦争大国は自国で禁止された化学兵器の開発を紛争地域で使い始めたため、人道支援で派遣された東和皇国防衛軍の中にも命を落とす隊員は少なからず出ていた。
今地上ではそのウィルスが猛威を振るっているのだ、地球がなくなるかもしれないと言うのに。
一応ワクチンは開発されているので、何とか食い止めてはいるが問題なのは大国が化学兵器の開発をなかなか辞めないことにある。
それに今地球では別な情報から滅亡の危機があると言われている、それは惑星の衝突。
今から100年前に見つけた地球に近づいてくる惑星の発見、近いうちに太陽系へやってくるという。
なんでもその星の大きさは太陽の数十倍もあるらしい、今は肉眼では見えないが発見されてから今年で100年が経ち、ようやく火星の光科学望遠鏡を使い千倍の倍率で見えるようになったらしい、計算では太陽の30倍という大きさ、最も接近するのが200年後で今のところどの星を巻き込むかは分かっておらず、研究者の間では衝突するかしないかは賛否両論と言ったところだ。
どちらにせよあまり明るい話題ではない、その不安を解消するためなのか世界宇宙開発局が各国に呼びかけ第2の地球を探す計画を今から80年前に立ち上げた。
当然最初は皆「何を世迷いごとを」と無視していたが、各国の科学者がその星の軌道や飲み込まれた場合の被害状況を色んな形でシュミレーションしてみた。
すると地球が80%の割合で滅ぶとコンピューターの解析結果が出たらしい。
一番やばいのが直接地球に衝突コース、次にやばいのが太陽への衝突コース、この2つの場合は地球の生物はまず助からない。
では3つ目のコース、直撃しないでほかの星に衝突した場合はどうなるのか、何らかの形で惑星衝突による隕石の拡散により最低でも地球の3分の1は大災害に見舞われるという結果が出ている。
4つ目の楽天的な惑星襲来コースでもかなりの環境的な激変が起こると言われている。
太陽の30倍=すぐ近くを通るだけで引力に巻き込まれて太陽系の軌道を外れてしまい1年で太陽の軌道から外れ地球は氷の惑星に変化するだろうと言われている。
これらは科学者により学会へと発表され第2の地球探索計画は異例の速さで進められることになった。
そしてようやく今日その第一歩が始まる、探査船は10艦、搭乗人員は各艦に7~10人
探索する方面により人員は少なくなるがおおむね一つの船に7名の船員が乗艦することになっている。
そして捜索に出る方向だが、例の太陽系へ向かってくる惑星へ向かって調査に向かう船が5艦、そしてそれ以外が5艦となった。
途中でその惑星の進路を正確に見て来いというわけだ、但しその計測はAIにて自動で行われるため搭乗員には途中で知らされることはない。
時間的に一番接近するのは20年後であり、全搭乗員がコールドスリープ状態となるからだ。
この計画にGOサインが出たのもコールドスリープによる50年以上の生体保存が可能となったためだ。
コールドスリープのポッド開発は当初難航していたが魔法と科学の併用によるハイブリッド理論によりエネルギー媒体のコア化が可能となった。
人間の体自体を生体エネルギー源として使い魔法をもとに機械化した装置で半永久的に動かすという画期的な発明。
それにより船内で使うエネルギーとは別にコールドスリープのエネルギー源を確保できるため50年以上のコールドスリープが可能になったからだ。
もちろんエネルギー源だけではカバーできない部分もあるのだが、そのほとんどがハイブリッド理論で解決している。
要するに今度の発明で宇宙旅行は革新的に進歩したという話だ、そして探索艇を同時に12艦も作るのだから。
たまたま火星から貴重な鉱物類が見つかったということもこの計画が進んだ理由でもある。
それはさておき、ジェシカ達は1番ドックにて本日乗り込む宇宙船アミューズとご対面する。
船の名前はABC順らしい
1番艦[アミューズ]
2番艦[ブルーバード]
3番艦[クルセイダー]
4番艦[デリンジャー]
5番艦[エクストリーム]
6番艦[フォーエヴァー]
7番艦[グローリー]
8番艦[ハーベスター]
9番艦[インスパイヤー]
10番艦[ジャッジメント]
11番艦[ナイトホーク]
12番艦[リバイアサン]。
今日出発するのは10艦だが全部で12艦作られている、2艦は予備といったところだ。
誰も好きで50年以上寝て暮らそうというものはいない、帰って来た時にはすべてが変わってしまい親も兄弟もいない世界に一人取り残される可能性があるのだから。
だがその世界でも無くなりさえしなければ希望が持てる、その可能性を探すために今日70人以上の冒険者たちが船に乗り込む。
ジェシカ達が1番艦へと入っていく。
カツッカツッカツッ・
「敬礼!」
「みんな元気か?」
「はい 全員いつでも出発できます!」
艦長としての初仕事は就任の挨拶からだ…
「諸君らは選ばれた、地球という愛すべき星を離れ我々はこれから旅をする、50年後100年後もしかしたら誰もが我々の事を忘れてしまっているかもしれない。だがここにいる者たちは忘れない隣には幾千の戦場を共に戦った仲間がいることを。必ず約束を果たす時が来る、忘れるな、未来は我々にかかっている さあ諸君出発だ!」
「おー」
「1番艦アミューズ発進!」
「よし 堅苦しい挨拶はここまでだ、初めての者もいるだろうからそれぞれに挨拶をしておけ、これから50年以上一緒に暮らす家族だからな」
「最初は私からだな、ジェシカ・ラムセア・ミスイ東和皇国宇宙防衛軍所属、若輩ながら階級は少佐を拝命している今回艦長を仰せ遣ったよろしく頼む」
「ベルトア・トウゴウ中尉 副艦長です1年前からジェシカ艦長の副官をやっております、よろしくお願いします」
「アキ・ニシノ少尉です、ヨーロッパ戦線フランス防衛軍から来ました医療業務は私に任せてね、言うこと聞かない人にはきつ~い注射が待ってるからよろしくね」
「マイケル・ゲラン曹長よ南米ブラジル防衛隊から来たのよ~操縦できないものはないわ~外見は見ての通りだけどよろしくね♡彼氏募集中よ♡」
「ジョセフ・スズキ軍曹ですUASFアメリカ海兵隊所属だよろしく頼む!好きなことは食べることと寝る事、以上!」
「ラビ・コンドウ准尉です、宇宙航海術担当ですよろしくお願いします、私もジェシカ艦長と同じ部隊です」
「ウェンディ・マッカートニー軍曹ですにゃよろしくにゃあたしも同じくジェシカ艦長といっしょにゃ」
彼らはこの船の規定に法り各種テストや点検を終わらせ、一週間後コールドスリープに入り、瞬間移動式宇宙航行でおよそ1万光年離れた人類が生存可能な星を探しに旅に出る。
1万光年離れた星に人類生存可能な星がどうしてあると分かったのか?そこも説明しておこう。
この時代は先に書いてある通り魔法が確認されている、魔法というのはこれまで未知なものであったが、この時代はその魔法を解き明かすことが可能となり、その恩恵を得るようになったのだ、そしてもし未来を予知する魔法があったらどうするのか?
もちろん魔法を簡単に操ることは難しいだろう、不可能と言わないところがみそだが…
魔法は東歴200年に確認できるようになった、もともと魔法の基礎は有ったが使うための魔力が足りないので使えなかったというのが正しいだろう。
それが何らかの原因で再び使えるようになった、その後はお察しの通り。
魔法による遠く離れた星の探査が進み、いくつかの星が人類生存に適していることが判明した。
一番近い人類生存可能な星の道のりが1万光年離れているというわけだ。
そして瞬間移動という魔法を機械化し宇宙船ごと移動させる、瞬間移動=0時間移動なのだから光より早いわけだが、移動先に障害物があればそれでジエンドになる。
だからAIが瞬時に何もない空間を探し瞬間移動をかけるその計算時間が約1秒、その積み重ねが移動時間となり1万光年を50年という速さで進むことができるようになった。
座標空間移動魔法を機械化し空間と空間を入れ替え宇宙を移動する。
昔はすべて分解して解析して作り直すなんて難しい考えで移動を可能にしようとしていたみたいだが、全ては魔法が解決してくれた。
瞬間移動を使い座標さえわかれば1万光年もあっという間なのだがその場合は問題になるのがエネルギーというわけで、移動距離に対してそれ相応のエネルギーが消費される。
そのエネルギーは気功力(魔力)にして1億人分、船には太陽光による発電システムや宇宙線からのエネルギー変換システム、そして魔光石という魔素の蓄積システムもあるので、いっぺんに1万光年移動するのではなくちょっとずつ移動するわけだ、全部が全部簡単にいくわけでもないと言っておこう。
ともあれここから先50年後彼らがどうなるかというお話でもあるのだが。
この先は読んでみればわかるはずだ、それでは乗組員の健闘を祈るとしよう。
登場人物及び歴史的な背景は全てフィクションです、内容や物語には最近流行りの言い回しが沢山出てきます、理解したい方は他のラノベ作品をたくさん読んでから本作品を購読されることをお勧めします。
2021年9月に一時掲載しておりましたが取りやめておりました
今回新たに内容を書き換え掲載開始いたします。