第95話 砂漠の盾
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ダンジョン攻略が終わった後、バラムドーラに戻ると皆が歓迎し、そして凱旋だと喜んでくれた。
その日はちょっとした宴が開かれ、食べて踊っての中々楽しい宴だったりした。まだ、僕は王様と呼ばれることには慣れていないんだけどね……でもダンジョンで手に入れた財宝も皆キラキラした目で見ていたね。
そして――ダンジョン攻略から数日が過ぎた。僕はジャックやライゴウやアイン、そしてスイムを含めた水の竜団の面々と一緒に狩りに来ている。
今日のメインはジャックだ。ダンジョンで手に入れた大きな盾。アイが使っていたそれを今はジャックが手にしている。
以前ジャックは一緒にダンジョンに潜りたさそうだった。ジャックは相手を傷つけるのが苦手だ。優しい性格だからね。でも守るために戦うことは必要と考えているみたいで色々と模索しているようだった。
そんなジャックに相応しいのは何かと考えたらやっぱり盾だよね。だからアイが持っていた盾は大きさそのままでジャックに進呈したんだ。
そしたらすごく喜んでくれてね。ただあまり盾を使った戦い、ジャックの場合は守りと言った方がいいのかもだけど、それに慣れてなかったみたいだった。
そこで手ほどきをしたのがライゴウだった。ライゴウは大剣使いだったから意外だけど、盾相手の訓練もしていたようで、その過程である程度なら盾の扱い方もわかるって話だったんだ。
何かそう聞くと納得だよね。そして基本的な練習も終わったということで実戦のために狩りに来たわけなんだよね。
「練習にはこの辺りがいいかもな」
「ふむ、今日は狩りもかねてとのことで、我々の同行も許可してもらってありがたく思う」
ライゴウが周囲を見ながら頷く。その後でスイムが言葉を続けたけど、相変わらず丁重な言葉遣いだね。
「しかし男臭い面子だよねぇ。いつもと比べて」
髪を掻き上げながら口にしているのは水の竜団の魔法使いの一人クロールだ。本人曰く水の竜団一のイケメンらしいけど、実際かなりかっこいい。
薄い水色と濃い青色というツートンカラーなサラサラの髪の毛が特徴だ。女性にモテそうな感じが凄く出てるよ。
「今回はライゴウ殿の提案で男だけで行くことになったのだから仕方あるまい」
クロールに答えているのは同じく水の竜団の魔法使いの一人バタフライだ。魔法使いとは思えない程体格が良くて、ローブを来ていなければ戦士に間違えられそうでもある。
ちなみに水の竜団ではあと二人、紅一点のプールと一番の若手のブレストがいる。プールは今回の趣旨から同行していない。ブレストは雨を降らす水魔法が得意なんだけど、あまり戦闘向きではないということで今も畑仕事を手伝ってくれているんだ。
後はサーチもそもそも戦闘が得意でないという理由で今回はパスしていたね。
ちなみに男だけで来た理由は、僕にもそういう時間は必要という理由だった。妹のモルジアもフィーも不満を口にしていたけど、そこはライゴウが押し切ってくれた。
僕としても、確かにたまにはそれもいいかなと思っている。男同士の友情というのにもちょっと憧れるしね!
「ス~ナ~♪」
ちなみにスーは一緒だ。性別があるのかはわからないけどね。
「女の子がいない今、スーだけが癒やしさぁ~」
「ス~?」
クロールがスーのことをなでなでしているね。可愛いものが好きなんだとか。
「すまないな。クロールは腕はあるんだが言動がとにかく軽いのだ」
「いえいえそんな!」
スイムがため息交じりに謝ってきた。けど僕に遠慮なんていらないし好きなように喋ってくれていいと思う。
「がはは、ボスの周りにはいつも誰かしら女がついているからな。だけどそれも疲れるだろう? 野郎同士なら気兼ねなく話もできるぜ。鬱憤がたまっていたら聞いてもいいぜ?」
「はは、鬱憤とかはないから大丈夫だよ~」
「本当か? ふむ、しかしあれだけ美人揃いだと、王様は夜も大変そうだよな」
「? 夜って?」
「そりゃボス。あっちだよあっち」
「ライゴウ。王はそういうタイプではない。お主のようにガツガツしてないのだ」
スイムが諭すようにライゴウに言うと、マジ!? と目を白黒させていたよ。
僕にはいまいち言ってることはわからなかったけどね。
「まぁいっか。今日はジャックがメインだし頑張れよ」
「おら、王のために頑張るだ!」
ジャックが鼻息を荒くしていた。そしてまもなくして正面から砂塵を巻き上げながら進んでくる群れがいるのを発見した。
「おっと、来たぜ。ありゃ牛か?」
「砂漠で牛……サハラバッファローというのがいるってフィーに聞いたことがあるよ。群れで動いてて、魔力を帯びた突撃の威力が高いんだって」
「突撃か。おあつらえ向きだな。ジャック! お前の盾の力を試すチャンスだぞ」
ライゴウがジャックの背中、は無理だから膝のあたりをパシンと叩いた。
「おら! 頑張るだ!」
そしてジャックが大盾を構えて前に出ていく。サハラバッファローが近づいてくると砂の地面に振動が伝わってきた。
数は全部で八匹だね。それでもジャックの大きさなら盾を構えただけでちょっとした壁となって相手の進行を防ぐことが出来る。
「ここから後ろには抜けさせないだーーーー!」
ジャックがサハラバッファローの体当たりを大盾で受け止めた。凄いなジャックは。全く動くことなくあれだけの突撃を全てとめてみせたよ。
「「「「「「「「ブモォオオォオォオォオオオオオ!」」」」」」」」
「無駄だべ! 絶対に動かないだ!」
「よくやった! 夕食は焼き肉確定だな!」
押し返そうとやっきになるサハラバッファローの横に移動し、ライゴウが大剣を持って切り込んでいくよ。
「おお! やっぱこの大剣の切れ味はいいぜ! ヒャッハーーーー!」
ライゴウが今使っているのは元々はアイが使っていたものを譲り受けたものだ。前の大剣は砕けてしまったからね。
「やれやれ、見た目通り君の戦いからは美しくないね。戦いはもっと華麗に決めないといけないよ。水魔法・超軟水――」
次に動いたのはクロールだった。魔法の行使でジェル状の水が生まれてサハラバッファローに纏わりついていく。
クロールの水魔法は水を硬水や軟水に変えることで威力が発揮できるらしいね。
「水魔法・大水槌――」
軟水で動きを封じた後、硬水に変化した水で槌を作成しサハラバッファロー達に振り下ろしていった。
「ふっ、相変わらず僕の魔法は美しい」
「ドロドロの水やハンマーでぶっ叩くのが美しいのか?」
バタフライがジト目を向けていた。ま、まぁ美しいの基準は人それぞれだからね。
「ちなみに僕はもう魔力が残り少ないから後は頼んだよ」
「お前は……なら俺が行こう。水魔法・水鎧」
魔法を行使するとバタフライの全身に水で出来た鎧が装着された。これがバタフライの水魔法だ。
水魔法だけど水を纏うという点で、放出する系統よりは魔力の消費が少なくてすむらしいね。
鎧をまとったままサハラバッファローに向かっていき両腕をブンブンっと振り回して攻撃していった。その度に水しぶきが上がるけどあれにも攻撃判定があるらしい。
「水魔法・水蓮――」
そしてスイムも戦闘に参戦。両手を前に突き出して、水圧を高めた水を高速連射した。サハラバッファローの身を貫くほどの威力は流石だよね。
「これで大体倒したか? ジャックよくやったぞ」
「おら、役立てた?」
「あぁ、十分だ」
「むぅ、まだだ! 大きいのが来る!」
再び地面が揺れてアインが警戒心を示した。どどドドドッと突っ込んできたのはサハラバッファローだと思うけどさっき倒したのよりも遥かに大きい。
「おらが止めるだ!」
ジャックが再び前に出て大物の突進を止めに入った、けど、今回は後ろに押し戻された。
「グヌヌヌヌウゥウウウ!」
「ブォオオォォオオォオォオオオォオオ!」
ジャックと大物のせめぎ合いが続く、けど、ついにジャックが大物のサハラバッファローの動きを完全に止めた。
「よくやったぞジャック! 後は我が! 蟻顎羅穿豪槍!」
「ブモオォオオォオォオオオオッ!?」
そしてアインのダンジョンで編み出した新技が炸裂。サハラバッファローの巨体が吹き飛ばされ地面に落下した。
やったねアイン。これで今度こそ全部倒したよ!
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