第85話 砂漠の愛
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「ドリルだぜ、最強ドリドリドリルだぜ!」
モアイの集団を倒した後、直線の道を更に僕たちは進んでいる。
道々、ライゴウが機嫌良さそうに歌を口ずさみだした。どうやらドリルが相当気に入ったみたいでつい口ずさんでしまうんだとか。
「ライゴウ。もうその変な歌止めなよ。凄く耳障りなんだからさ」
「んだよ! 最高だろドリル! たく、女はこういうロマンがわからねぇからまいるぜ。なぁアイン!」
アローネに文句を言われて顔を顰めたライゴウが、アインの肩に腕を回して同意を求めた。このメンバーではライゴウはアインと一緒に先頭に立ち戦うことがおおい。
そのせいかライゴウはアインに親近感を覚えているようだね。
「うむ。我もあれには感動した。どうにか我も王が披露した奥義を活かせないかと考えているのだが、我如きが王の偉大なる業を体現するなど、そもそも恐れ多いことかも知れません」
「いやいや! そんなことないよ! それに奥義とか、そんなたいそうなものじゃないし」
どうもアインは僕を過大評価し過ぎな気がするよ。
「それはそれとしてライゴウはなにか勘違いしてますの」
そんなやり取りの中、モルジアも会話に参加していたね。腕を組んで、不機嫌そうに口を開いたよ。
「勘違いだって? 一体何がだ?」
「いいですこと? あのドリルはドリルが素晴らしいのではありませんの。偉大なるお兄様の魔法によって生み出されたドリルだからこそ見るものを魅了しあっと言わせるほどの荘厳なる美技に昇華されましたの! そこを忘れてはいけませんの」
「なるほど。一理あるかもな」
「いやないよ! モルジアも言い過ぎだから~」
ふぅ、全く。モルジアは可愛らしい大切な妹だけど時折発言が斜め上に言ってしまうことがあるんだよね。
そこがまた可愛いところでもあると思うけどね!
「妾の王による魔法が偉大なことは確かであろうな。流石は後のファラオよのう」
フィーが黒い聡明な瞳を向け、そんなことを口にした。本当に期待されているのかからかわれているのか……フィーの考えは時折僕にもわからなくなる。
「ここはモアイばっかだな!」
砂鉄装甲で強化されたライゴウがやってくるモアイを叩きのめした。
「この槍の鋭さ、王の目は確かですな!」
アインも負けじとモアイを討ち取っていく。さっきみたいに大量のモアイが一度にやってくることはないから二人でも難なく片付けることが出来ていた。
そして第七階層を突き進んでいき、遂に僕たちは大きな広間に出たんだ。
「うふふ、よくここまで来たわね。愛すべき子羊達よ~! 私はあなた達を歓迎するわ。愛をもってねーーーーーー!」
すると広間に入った途端、大きな声で僕たちに呼びかけてきたのがいた。うん、いた、大きなモアイが! 人型で何故か全身ピンク色の巨大なモアイがね!
「何か凄いの出てきたぞおい!」
「い、今までのモアイと確実的にひと味違うわね」
「てか、この喋り方、まさか、女なのか?」
「色もピンクですの」
『ケケッ、中々キツイやつだな』
「あ、でも愛とか言っているし戦うつもりないのかな?」
「ン、ンゴォ……」
「そういう甘い考えは捨てた方が良いとは思うがのう」
目の前に立つ、巨大でピンク色のモアイにフィー以外は戸惑いを隠しきれない。
僕もちょっとびっくりだけど、もしかしたら話し合いで解決できたりするんだろうか?
「あ、あの」
「あらん? 何坊や? 可愛い子ね。とっても愛らしいわ! 愛よね愛!」
えっと、どうしたらいいんだろう。
「その、僕たちはこの先に進みたいんですがいいですか?」
「あら、それも愛かしら?」
「いえ、別に愛というわけでも……」
ピンク色の顔を近づけてきて、愛を聞いてきたけど、返答に困るよね。
「そう。でも残念ね! 愛ゆえに! 愛ゆえに! 私はこの先の愛する王を護らなければいけないの! 愛! 故にね! そうだからこれはきっと愛のための戦い。悲しきことね。だけど、愛を知らない子羊たちに! 愛を教えるのも愛の伝道師たる、このモ愛! の! 役目よね。これも、愛、愛なのよーーーーーー! 愛の、試験なのーーーーーー!」
両手を広げて妙なポーズを取って声高々に宣言してきた。モ、愛? あ、そういえば額の辺りに愛という字が刻まれてるよ。
「さぁ戦いましょう子羊たち、熱い愛のバトルを始めるの、よおぉおおおおおお!」
するとモ愛が大きな剣と盾を片手ずつ持って攻撃し始めた。
「砂魔法・砂合壁!」
僕は合成された砂の壁を作りその一撃を受け止めた。だけど、壁を通して衝撃だけが僕に降り注ぐ。
「スー!」
「あ、ありがとうスー」
でも、それはスーの砂防御で防がれた。
「ス~ス~」
僕がなんともないのを見て、頬にすり寄ってくるスー。心配してくれたんだね。
「王を護ると言っていたね。つまりここをこえればこのダンジョンの最後の階層にいけるってことかも」
「うむ、そうであろうな」
フィーも納得してくれた。なら、ここは一気に!
「王よ! ならばここは我にお任せを!」
そう思っていたらアインが前に出て、戦う意志を示した。
「この先にボスがいるのでしたら、王には力を温存しておいてもらいたいのです! フィー殿もどうか!」
「おう、その考えには俺も賛同だぜ。こういう時はボスの配下が頑張るってもんだ」
「え? そんな、皆は仲間だと思ってるけど配下だなんて」
「いいのよ。王様は気にしないの。そういうノリの方が調子が出るってわけだし」
アインを皮切りにライゴウとアローネも前に出て、このモ愛と戦う意志を示してくれた。
「そ、それなら私も出ますの! 私だって戦えますの!」
「え? でもモルジア……」
「お願いですのお兄様。私も戦えるというところを見ていて欲しいですの!」
モルジアが真剣な目で訴えてきた。戦える……だけどモルジアは積極的に戦闘をこなせるような属性でもないのだけど……
「良いではないか王よ。それに、モルジアはもしかしたら感じ取っておるのかも知れぬからのう」
「え?」
意味深な言葉を口にするフィー。何かがフィーには見えている?
兄としてはあまり危険な真似はしてほしくないけど、でも。
「わかったよ。でも、危険だとわかったらすぐに助けるからね!」
「はい! お兄様ありがとうございますの!」
そして、前に出てモ愛を見上げる四人。するとモ愛が、泣いていた、て、えぇええぇええ!?
「はうん、モ愛感動――素晴らしいわ! これぞ愛! 大切な仲間を思いやる最高の愛の形なのね! ならばこのモ愛もその気持ちに答えましょう! 全力の愛でぇええぇえええ!」
え、と、とにかくこうしてモ愛と皆との戦いが始まったんだ!
凄く愛を与えたくなった!という方がいましたら宜しければ評価という名の愛★をこの下から頂けると嬉しく思います!
ブックマークがまだだったな~という方がいましたらこの機会に是非!
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