第81話 砂漠の迷宮で砂漠?
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マッソ地帯を無事抜けた僕たちはダンジョンの第五階層にやってきた。やってきたんだけど――
「砂漠……」
そう。第五階層は一面砂漠だった。砂漠からやってきてダンジョンを攻略していき、また砂漠についちゃったよ。
「ダンジョン特有の構造であるのう。ダンジョン内ではこれまでと景色が一変するなんてことはよくあることであるぞ」
フィーが説明してくれた。そうなんだ……それにしても暑さといい、本当に砂漠そのものだよ。ダンジョンとは思えない程明るいし。
ただ、これだけ明るいけど空には太陽がない。おかげで嫌でもここはダンジョン内部なんだなと認識させられる。
「太陽がないとはいえかなり暑いし、皆も気をつけてね」
皆に注意を呼びかけた。これだけ暑いと歩いているだけでもジリジリと体力を奪われる。
「勿論ですの。お兄様も、お体には、必要であれば私が日除けに!」
「安心せい。王は妾が抱きしめて、暑さから守ろうぞ」
「抱きしめたら余計に暑いでしょ! もう」
何かフィーとモルジアとイシスが楽しそうにやり取りしているね。
「皆、仲がいいのはいいことだよね」
「ス~ナ~」
「ンゴッンゴッ」
「う~ん、私が言うのも何だけど、大変だねぇあの三人も」
アローネが何故か同情的な目を他の女の子たちに向けていた。どうしたんだろう?
「サーチ、どっちに進めばいいかわかるか?」
「……流石にちょっと厳しいな。屋外みたいな構造でここまで見渡しがいいと近場ならともかく、出口がどっちかとなるとはっきりとはわからねぇ」
サーチが困った顔を見せる。ダンジョンのある程度閉鎖された空間なら察知はしやすいみたいけど、ここまで広くて遮るものもないと地形を知るのは容易ではないみたいだね。
「なら僕に任せて、砂魔法・砂感知!」
ここは一面砂漠だから外と変わらない。つまり僕の魔法がよりよく発揮される。範囲を広げて周囲に何があるか掴んでいく。
「……僕の範囲でも出口はわからないけど、ただこっちに泉の反応があるよ」
「ふむ、ダンジョン内のオアシスといったところか。恐らく方向的にはそっちが正しいであろう。ダンジョンの特徴のようなもので、途中で休憩地になる場所が存在することもまぁまぁあるのでのう」
フィーが教えてくれた。なるほどね。確かに泉は砂漠の休憩地としてはぴったりだ。
「よし、ならそっちに向かおう」
「方向がわかれば、先は俺がいくぜ。気配で危険は察知できるからな」
そして僕たちより先にサーチが前を歩いてくれた。周囲を目ざとく確認しながら進んでくれる。
「な、やべぇ!」
するとサーチが声を上げ、血相を変えて戻ってきたよ。
「ヤバいのが来てる。皆逃げろ!」
「おいおい、敵も見ずに逃げろってのか?」
「見たらやべーって言ってるんだよ!」
ライゴウが呆れたように言うけど、サーチの慌てようが尋常ではないね。
「ふむ、しかし、もう遅いかも知れんのう」
顎に手を添えフィーが口にするとほぼ同時に、砂が大きく盛り上がり巨大な魔物が姿を見せた。
「グウウウォオオォオォオオォオォオオォオ!」
雄叫びを上げたのは見た目には巨人。しかも全身が砂で出来た巨人だった。僕が作成するゴーレムに近いだろうか? ただ、巨人を形成している砂は滝のように流れ続けている。
『ケケッ、こいつは!』
「知っていますのカセ?」
『ケケッ、砂巨人、文字通り砂から生まれた巨人だ。かつて古代の大戦争において召喚された砂漠兵器とされ、災厄の魔物とされたとかされてないとか言われてる魔物だ』
「そ、そんなとんでもない化け物がいるとは! むむぅ、砂漠のダンジョン恐るべし!」
「えっと、されたとかされてないとかって凄く信憑性が曖昧な気が……」
驚愕するアインに対して、イシスはとても冷静だったよ。
とは言え、確かにかなり強そうではあるね……
「こうなったら先手必勝ですの! 空間魔法・ダンベル落とし!」
モルジアの魔法で砂巨人の頭上から大量のダンベルが落とされた。だけど、ダンベルは砂巨人の体をすり抜けるように砂の地面に落下していく。
「ど、どうなってますの!?」
『ケケッ無駄だ。砂巨人は全身が砂でできた巨人だ。砂に腕押し、いくら攻撃したって無駄だ』
「ちょっと待ちなよ。それってもう無敵ってことじゃないのさ!」
いいながらアローネが矢を射るけど、砂を貫通するだけだ。
「グォオッォオオォオ!」
すると砂巨人が手を翳し、かと思えば腕が砂に変わって襲いかかってきた。
「皆逃げて!」
僕が叫ぶと、皆が砂から逃れるように散った、と思ったのだけど。
「ンゴォオォォォォオオォオオ!」
「あぁ、ラクが!」
「ラクゥウゥウゥウウウウ!」
そんな、ラクが砂に捕まっちゃった。ラクが悲鳴を上げているよ。
「ス~~!」
「うん。そうだね。友だちは助けないと! 砂魔法・砂縛! 止まれ砂巨人! そして連続行使砂人形!」
「グガッ!?」
僕の砂魔法は砂に作用できる。相手が砂で出来た巨人なら、魔法で動きを封じることぐらいはそれほど難しくはないんだ。
そして砂巨人の手も崩れ捕まっていたラクが落ちてくる。
「ンゴォオォオオ! ンゴ?」
でも問題ない! 事前に作っておいた砂のゴーレムがキャッチしてくれた。
これでラクも怪我なく済んだね。
「だけど、動きを封じても倒せないと仕方ないだろ?」
「それなら大丈夫。砂感知でわかったんだ。この巨人には心臓のような核がある。喉のあたりにね」
「なら私に任せておきな! 魔闘技・螺貫射!」
アローネの弓が火を吹き、燃え上がった矢が砂巨人の喉元を貫いた。同時にパキンっという高音の響き。
「グゴ、ガ、ァ……」
すると砂巨人が喉をかきむしり次第に形が保てなくなりボロボロと崩れ落ちていった。どれだけ攻撃が通じない相手でも弱点をつけば一発だね。
「ふむ、流石は妾の王であるな。瞬時にピンチのラクを救出し、そして相手の弱点まで暴いてしまうのだからのう」
「全く弱点がないというのもおかしな気がして、調べただけなんだけどね」
「その先見の明がお兄様が素晴らしいお兄様である証ですの!」
うん。でもラクが助かってよかった。
「ホルス、ラクのこと本当にありがとう」
「ンゴォ~」
イシスが瞳をうるうるさせてお礼を言ってくれた。ラクも甘えるように頭を擦り付けてくる。
「でも、ラクがピンチにならないように今後は気をつけないとね」
「ンゴ?」
「ス~ナ~」
スーもラクをナデナデして良かったねと言っているようだよ。凄く微笑ましい。
そして僕たちは砂巨人を倒した後も途中で砂漠の魔物を倒しながら攻略を続けた。そして件の泉に到着する。
ここに来るまでに、フィーは元気だけど他の皆は大分疲れてるね。
「ンゴォ~」
ラクがまっしぐらに泉に向かった。途中ラクの瘤から水を補給してもらったけど、当然そうすればラクも水分が必要になるからね。
「ラク、そんな慌てて何かあったら……」
「いや流石に大丈夫じゃねぇのか? 泉に魔物が住み着いているわけでもあるまいし――」
泉で水を補給しているラクを心配そうに見ているイシス。ライゴウは一息つきながら問題なさそうにしているけど――その時だった。
「嘘、ちょっとラクが!」
「ンゴォォオォオォオッォオオオ!?」
突如泉の中から腕が伸びてきてラクを引きずり込んじゃった! え、なにこれ!
「きゃぁあぁああラクぅうううう!」
イシスが叫んだ! くっ、しまったまさか泉にそんな脅威が……と思っていたら泉が突然光りだして何故か女の人がラクらしきラクを持って浮かび上がってきたんだけど!?
「お前が落としたラクはこっちのマッソで強そうなラクかい? それともこっちの悪魔的なラクかい?」
そして突然二択を迫ってきたけど、いやどっちも違うよ! そもそも落としてないから!
フィー「マッソは終わるといったのう、だがあれは嘘ぞ」
イシス「汚いわ、さすが神獣、きたない」
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