第73話 砂漠のピラミッド
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「こういったダンジョンはピラミッドとも呼ばれておるのであるぞ」
奇妙な形のダンジョンについてそうフィーが教えてくれた。砂漠にはこういう形のダンジョンが多いらしいね。
そのピラミッドに向けて僕達は進んでいく。正面に階段があってその先が入り口になっているみたいだ。
砂漠から入口に向かって進んでいく僕らだったけど、どうやらダンジョンにもそう簡単に入れてくれないらしい。
「砂の中から巨大な芋虫が!」
「ンゴッ!」
『ケケッ、こりゃサンドワームだな』
カセが教えてくれたけどサンドワーム……イシスが口にしたように巨大な芋虫みたいな見た目だ。ただしそれは胴体だけで、頭の部分は巨大な口といった様相でもある。
しかもそんなのが三匹も現れたよ。これはちょっと不味そうかも知れない。
「ギャアオォオォオオオアアァヴアアワアラアアア!」
奇妙な叫び声を上げてサンドワームが紫色の液体を吐き出してきた。それが僕に降り注ぐ。
「お兄様!」
「大丈夫!」
確かに気色の悪い液体が降ってきたけど、スーが砂防御で全て防いでくれた。
「モルジア、砂鉄をお願い!」
「お任せですの!」
そしてモルジアが空間から砂鉄を取り出してくれた。よし、ここからは僕のターンだ!
「砂魔法・砂鉄大砲!」
僕の魔法で黒光りする大砲を造り上げていく。全部で二十四門作成した。
それをサンドワームに向けて一斉射撃する。
「グオォオオオォオオォオォオオォオオ!」
砂鉄砲弾を受けたサンドワームが悲鳴を上げた。そこに砂鉄がある限り砲弾は途切れない。発射し続ける砲弾がサンドワームの体に次々とめり込んでいった。
「私も見ているだけじゃありませんの!」
モルジアは僕が射った後の砲弾を空間収納してそれを三十メートル上空から次々と落としていった。モルジアは最近空間魔法の射程が伸びたんだよね。毎日魔法の練習していたからその成果だと思う。
それにしてもこれはまさに砲弾の雨だね。これはこれで効いてそうだよ。
「こっちも負けてられないぜ!」
向こうではライゴウ達がサンドワーム相手に奮闘していた。
「うぉ! くそ、こいつぶよぶよして逆に刃が通らねぇ!」
だけど、大剣の攻撃は中々ダメージにつながっていない。砲弾は効いてるけどね。衝撃には弱いのかも知れない。
「こういったのは、この節目を狙えばいい!」
アインがサンドワームの節目に槍を突き刺す。悲鳴がサンドワームの口から漏れていた。だけど吹き出た紫色の体液を浴びて苦しげな表情を見せる。
そう言えば砲弾を上げてワームから吹き出ているのも紫色の体液だけど、もしかしてこれも毒液? だとしたら近づくのは危険だ!
「生命魔法・抗体活性!」
するとすぐにイシスがアインの側に行き魔法をかけてあげていた。どうやら毒に強い抗体を活性化させて抵抗力を上げたみたい。
アインもすぐに楽になったみたいだよ。
「チッ、弱点がわかってもこれじゃあ近づけないぜ」
「仕方ないのう。ここは妾が一気に」
「フィーはもう少し待って!」
「ンゴッ!」
フィーが手を翳したけどイシスが止めていたよ。ちょっとサンドワームと皆の距離が近いからね。フィーの魔法だと皆が巻き込まれかねない。
「私の矢もさっぱり通らない。こんなの相手にあの子凄いね」
こっちの二匹はもう倒れてピクピクしている。この後は皆を援護してもいいけど、僕はもう一つの手を試してみることにした。
「砂魔法・砂鉄装甲!」
魔法を行使すると砂鉄がアインとライゴウの元に走っていき二人の全身を覆い、重みのある鎧のように変化した。
「おお、こりゃなんだ?」
「王の魔法ですな!」
「うん。その装甲があれば体液から身を守ってくれるよ」
僕が答えると、ライゴウとアインが体を捻ったり飛んだりした。
「おいおい、鉄なのに全く重みを感じねぇぞ?」
「その装甲は、動きに連動して可動するから寧ろ軽いぐらいだと思うよ」
「なるほどのう。砂鉄の装甲が仲間をアシストしているわけであるな」
「流石我が王! このアイン、必ずこの魔法を活かして見せましょう!」
そしてアインがサンドワームに槍を突き刺すと見事に貫通した。
「うぉっしゃぁああ! いくぜ獅子両断!」
気合を入れたライゴウも節目を狙って大剣を振った。するとサンドワームが文字通り両断されて砂に落ちた。体液からも装甲が守ってくれているからアインもライゴウも無事だね。
「ふむ、妾の出る幕ではなかったようであるのう」
「ボス、すげーなこの魔法。砂ってのは味方を強化まで出来るんだな」
「はは、最近思いついたんだけどね」
フィーが感心している中、ライゴウさんが近づいてきて僕の背中をバンバンっと叩いた。やっぱり見た目通り力が強いなぁ。
「王のお力で、我もより心強く槍を扱うことが出来ました」
「あぁ、言われてみれば俺も力がより乗った気がするな」
「動きに合わせて可動する装甲のおかげであろう。その分肉体への負担が減ってより強い力が発揮できるようになっているのだ」
フィーが僕に代わって説明してくれた。流石フィーはよく見てくれているね。
「流石お兄様ですの。自らも戦闘をこなしながら、仲間への援護も忘れない。まさに王として相応しい配慮の出来る至高の御方ですの!」
「ス~! ス~!」
「ンゴ! ンゴッ!」
な、なにかモルジアに妙に持ち上げられてしまったよ。スーとラクも何か盛り上がっているし。
「モルジアも十分すごいよ。魔法の効果が上がっているのが実感できたし、それにイシスだってアインの毒を即座に治療してくれたし」
「うむ、あれには助けられました! 感謝の言葉もありませんな」
「そんな、でも役に立てたなら良かった」
「さて、ならばそろそろ向かうとしようぞ我が王よ。ピラミッドの中へのう」
「うん。そうだね!」
そしてフィーに促されて僕たちはいよいよピラミッドという名のダンジョンへ足を踏み入れたんだ――
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