第62話 砂漠で暴れるジャックを止めよう
いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!
読者様からの感想やレビューをどしどしお待ちしてます!
「あの首輪を外す、そんなの砂魔法で出来るのかな……」
「あの首輪は、新型になるにゃん。恐らくは何もせず外したら奴隷は死ぬにゃん」
僕が迷っていると、ペルシアがはっきりと首輪が取れることが死に繋がると口にした。
それだといくら砂魔法でも……
「何か手はないですの!」
モルジアが眉を吊り上げて叫んだ。せめて何か一つでも手があれば、そんな望みを込めたような声だった。ペルシアが困ったような顔を見せて、そして答えてくれた。
「……もし外すなら術式を知る必要があるにゃん」
術式――ペルシアの口から飛び出したのは、可能性がゼロではない証明でもあった。
その言葉に思わず問い返す。
「術式がわかればどうにかなるのペルシア?」
「アリババ商会は魔導具を特に多く扱っているにゃん。だからうちもメンテナンスはお手の物にゃん。だから術式さえわかれば、うちの技能で解除ができるかも知れないにゃん。でも、その術式を調べるのは並大抵のことじゃないにゃん」
「待って! なら術式さえわかれば、ペルシアが何とか出来るの?」
「うちの分かる範囲内ならにゃん。でも、あの首輪のタイプならなんとかなりそうにゃん」
ペルシアの答えに僕はハッとなった。そうか、そういうことなら!
「砂感知!」
すぐさま砂魔法を行使した。暴れているジャックの足元から砂が這い上がり、首輪にまで到達する。
「何をしているのかにゃん?」
「砂感知だよ。この魔法なら砂の触れた場所や物の情報がつかめる。術式だってわかるのさ!」
そうなんだ。術式を知るだけなら砂感知があれば可能だ。問題は僕だと術式がわかっても解除方法まではわからないってことだった。
だけど、今ならそれはペルシアが補ってくれる!
「お願い皆! 術式を調べるまで少し時間が掛かると思うんだ! だから――」
「お任せを、主殿の為にもこのアイン、全身全霊であの大男を食い止めてみせましょう!」
「私もやるー!」
「私もお兄様の邪魔は絶対にさせませんの!」
「話は聞かせてもらった! なら我らも水の魔法で時間を稼ごう!」
「俺達に任せとけって!」
「トヌーラの思い通りになるのなんてゴメンだわ」
「よっしゃ水魔法の真髄を見せてやるか!」
「全員で動きを止めるんだ!」
そして皆が暴れるジャックさんを抑え込もうと必死に動いてくれた。
スイムさんや他の水魔法使いさんたちまで。だからここからは僕の出番だ!
あの首輪の術式を感知して、そして地面に砂で術式を書き込んでいった。これでペルシアにも僕が感知した内容が伝わる!
「にゃん! これは驚きにゃん。こんな手があるとは思わなかったにゃん」
意識を首輪に集中させる。砂が読み解いた内容を砂文字でペルシアに伝えていく。
「いいにゃん! その調子にゃん!」
「ジャックさんは助かりますか?」
「この術式が続くなら大丈夫だと思うにゃん。もう少し、もう少しにゃん!」
術式が次々と砂で描かれていく。感知で頭の中に流れ込んでくる術式を次々と明示していく。
その間にもジャックを皆が食い止めてくれていた。そして――
「やったにゃん! 解読できたにゃん! これで致命的だった首輪と連動した死の術式が外せるにゃん。モルジアはうちが術式を解除したらすぐに首輪を外すにゃん」
「わかりましたですの!」
そしてペルシアが工具を取り出し、モルジアの空間転移でジャックの近くまで移動した。
「にゃーーーーん!」
そのままジャックの首に飛びついて、首輪の解除に取り掛かっている。
「集中してるにゃん。うちのカバーをお願いしたいにゃん」
「任せて! 鉄砂縛!」
「グォオオォオォオォオォオオ!」
暴れるジャックの動きを砂鉄で封じ込める! 少しだけ我慢してね!
「あの巨体の動きをこうもあっさり封じ込めるとは……」
「あの坊ややるじゃない」
「流石お兄様ですの」
「我が主はやはり至高の存在!」
「私達全員でも結構大変だったのにね~」
皆の声が飛び交う中、ペルシアが作業しやすいように、少しでも暴れないようにしないと!
そしてペルシアが首輪に何か作業していき――
「やったにゃん! これで外しても死ぬことはないにゃん! モルジア頼むにゃん!」
「わかりましたの。空間魔法・空間収納!」
ペルシアの話を受けた後、モルジアの魔法で、シュンっとジャックの首輪が消えたよ。魔法で空間に収まったからだ。
「ぐぉお、お……」
「にゃ、にゃん?!」
すると暴れていたジャックの動きが止まり、そして前のめりに倒れていった。ペルシアが慌ててジャックから飛び退く。
ズシィィイン、と重苦しい音が鳴り響く。土煙が上がった。
ジャック、だ、大丈夫なの?
「ジャックさん!」
声を上げてラビアがジャックに向けて駆け寄っていく。僕も気になったから後に続くけど。
「ふぅ、大丈夫にゃん。動きがあるし気絶しているだけにゃん」
ジャックの様子を見ながらペルシアが言った。よ、良かった! ジャックは無事なんだね。
「回復しますね」
そして皆でジャックの周りに集まり、皆、あれ? とにかく、イシスが魔法でジャックを回復してくれた。
イシスの手から溢れた光がジャックを包み込み、やがてジャックがうめき声を上げて頭を振った。
「目覚めそうですの」
『ケケッ、何だもう終わりか。つまんねぇな』
カセからそんな声が聞こえてきた。こういうトラブルが好きそうだよねカセは。
「あれ? おら、おら、一体どうなってるだ?」
「ジャックさん!」
「おわっ! な、なんだだ!?」
ジャックが無事なのを確認してラビアがジャックに抱きついた。ジャックが慌てる姿がちょっとおかしかったよ。
「それにしても、流石に倒す他ないと思ったのだがな。全く大したものだよ君は」
スイムさんが僕を見ながら感心したように言ってくれた。でも――
「僕一人じゃ無理でした。スイムさんたちも、そして僕の大切な仲間も、皆が協力してくれたから出来たんです」
「……ふっ、皆が協力か――」
スイムさんが薄い笑みを浮かべながら、瞼を閉じた。
スイムさんには本当に感謝の言葉もない。あのトヌーラの依頼を受けて動いていたというのに、今は僕のために協力してくれたわけだし。
「そ、そうだったか。おら、皆に迷惑掛けちまっただな……」
「そんなことないわ! 悪いのはあのトヌーラよ!」
「そうにゃん。みんなあの馬鹿が悪いにゃん」
話を聞いて自分のやったことに落ち込むジャックだったけど、それは違うと皆が励ましていた。そう、悪いのはトヌーラだからね。
「うむむ、しかしあのトヌーラという男は許せぬな! 我の槍で貫いてくれるわ!」
「追いかけて光線で貫いちゃお!」
そしてアインとメルがトヌーラに憤る。その気持ちはよくわかるよ。
ただ、僕は一つ気になることがあった。
「そういえば、フィーはどこにいったんだろう?」
「あ、そういえばいないよ!」
「気がついたらいなくなってましたですの」
皆に聞いてみたけど、やっぱり気がついたらいなくなっていたみたいだ。う~ん、一体どこに?
◇◆◇
「くっ、こんな砂漠に一人とは、これも何もかもあの餓鬼のせいだ! 帝国を追放された雑魚の分際で!」
砂漠を歩きながらトヌーラが一人憤っていた。空から太陽の光は消え、夜の帳が下りてしまっていた。気温も下がっているがトヌーラのマントはある程度寒さからも守り体を温める。
「だが半巨人のジャックが暴れたらただじゃ済むまい。ふん、ザマァみろだ。そして改めて兵を集めてあの資源を奪い返してみせる!」
歯ぎしりし、自然と考えが口から漏れるトヌーラ。そんな彼の正面に人影が見えた。
「ふん、愚か者の考えそうなことであるな」
「は?」
ぶつぶつと独りごちながら砂漠を進むトヌーラだったが、突如耳に届いた声で驚き、顔を上げた。
するとそこには褐色肌の絶世の美女――スフィンクスのフィーの姿があった。
フィーは何を!
・やっちゃえフィー!
:かましたれフィー!
・次回のフィーが気になる!
と少しでも思ってくれた御方!もしまだ評価をしてないな~ということでしたらこの下の★で評価して頂けると嬉しく思います。勿論次回以降でも好きなタイミングで大丈夫ですが評価が増えると作者のモチベーションがより強化されますのでどうぞ宜しくお願い致します!
ブックマークがまだだったーという方がいましたらこの機会に是非!
それではここまでお読み頂きありがとうございます!本日もあとからもう1話この続きを更新したいと思います!




