第5話 砂漠の蟻
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「おはようイシス」
「うん、おはようホルス」
イシスを城に迎えた後日、僕は改めてイシスに挨拶した。何かひとりじゃないって実感出来て嬉しかったよ。
「ンゴッ!」
「うん。ラクもおはようだね」
近づいてきたラクの頭をイシスと撫でると喜んでくれた。
「この砂のお城、凄いよね。夜は全く寒くない」
砂漠の夜は寒い。昼間と違って温度が一気に下がるんだ。だから夜には開口部は全て閉じている。
その上で夜は昼間の熱をある程度保ったままにしておいた。僕も最初は夜の冷え込みに驚いたからね。おかげで城の中は夜も寒くない。
さて、挨拶の後は彼女がはにかみながら申し訳無さそうに聞いてきた。
「あ、あの、み、水浴びしてもいいですか?」
城の近くには僕が掘って出てきた池がある。結構広いし、砂漠は熱いからね。僕も水浴びに利用してるよ。
「勿論いいよ。それならゴーレムを見張りにつけるね」
「ありがとうございます!」
イシスは嬉しそうだ。こういう時にゴーレムは役に立つ。彼女も最初は驚いていたけど今はゴーレムにも慣れたようだよ。
「今後は好きに浴びてくれていいからね。ゴーレムはイシスの指示にも従うよう調整しておくから」
「何から何までありがとうございます」
「あ、それと今後はもっと気軽に話しかけてくれてもいいからね。僕もこんな感じだし」
イシスはちょっと固い気がしたから一応ね。今の口調が喋りやすいならそれでもいいんだけどちょっと遠慮がちに思えたからね。
「う、うん。それじゃあありがとうホルス」
照れくさそうに上目遣いで言い直したイシスにちょっとだけドキッとした。やっぱり可愛いなイシスは……
そしてイシスが水浴びに向かった。その間、僕は泉をみないようにしないとね。流石にその、女の子のそういう姿を覗き見るわけにはいかない。
イシスの水浴び……い、いけないいけない! 何を考えてるんだよ僕は。平常心平常心……
「きゃ、キャァアアア!」
だけどその時、イシスの悲鳴が耳に届いた。何かあったのか! 慌てて僕は窓から飛び出した。砂魔法で砂をクッションにして着地。
泉まで走る。するとそこにはゴーレムを相手する大きな猿の姿。毛並みが黄色くて肩幅が広い。これまでの猿とは明らかに違う!
しかもそれが三匹もだ。ゴーレムが戦ってくれてるけど苦戦している。
「砂魔法・砂槍!」
砂の槍を十二本作成し飛ばした。一匹の猿に何本か刺さったけどこいつら体が大きい割に身のこなしが軽い。槍が刺さった大猿もそこまでのダメージはなさそうだ。
「ウホウホウホウホウホォオオオオオ!」
大猿の一匹が叫んだ。かなり興奮状態にあるな。まさかイシスの水浴びを見て? だとしたら飛んだエロ猿だよ。
「砂魔法・砂渦!」
動きの速い相手にはこれだ! 砂が渦を巻くような挙動を見せ、猿たちの足が取られる。
「「「ウホッ!?」」」
必死に逃れようとしているけど、そう簡単には出れないよ。さて後は――
「砂魔法・砂巨烈拳!」
巨大な砂の拳で三匹纏めて殴りつける。大猿達は吹っ飛び砂に突き刺さって動かなくなった。
ふぅ、全く水浴びしている女の子を襲うなんてとんだエロ猿だったね。
「イシスさん。大丈夫だった?」
「ひゃ、あ、あの」
「うわ、ごめんよ!」
やば! うっかり振り向いちゃった! て、手で隠していたし、はっきりとは見えなかったけど、結構大きい……いや、何を言ってるんだ僕は!
「し、城に戻ってるから何かあったらまた呼んでねーーーー!」
「あ、あの、ありがとうございます!」
イシスのお礼を背に受けながら部屋に戻ってベッドに飛び込んだ。
はぁ、参っちゃったなぁ。う、油断すると思い出しそう。煩悩退散! 煩悩退散!
そして暫くしてイシスが戻ってきた。改めて謝罪したけど。
「そんな! 私を守るために来てくれたんだし……それに嬉しかったから……」
気を遣ってくれたのか、優しい言葉を掛けてくれた。怒ってないみたいで良かったけど、今後は気をつけないと。
いや、それ以前に、もうちょっとゴーレムを強化した方がいいかもしれない。
だから城の外に出て、ゴーレムを呼び構成する砂を増やした。更に二回りは大きくなったゴーレムを四体。ただ小回りがきくように元のサイズのゴーレムも残しておく。全部で十二体の砂のゴーレムで守りを固めてもらおう。
「ンゴォ~」
「うん。これでイシスさんが水浴びしていてももう大丈夫だよ」
「わ、私のために何かごめんね」
声がして振り返るとイシスが立っていた。見ていたんだね。
「元々守りは固めようと思っていたからイシスさんが気にすることじゃないよ」
「――その、話す時、私に遠慮はしないでと言ってくれたよね?」
「うん! 気楽に接してくれた方が僕も楽だしね」
「えっと、それなら、私もイシスと呼んでくれても、えっと、その方が、お互い気が楽になるかなって――」
イシスが提案してくれた。うん、それなら。
「なら、僕のこともホルスと気軽に呼んでね。いいかなイシス?」
「あ、うん! ホルス!」
良かった。気のせいかイシスの笑顔に明るさが増した気がしたよ。
こうしてイシスと出会ってからの二日目は終了した。
そして三日目――僕たちの城に新しいお客さんが姿を見せたんだけど。
「アリ~」
「アリ、アリ~」
そう。そのお客さんは以前に僕が助けて蜂蜜、いやこの場合蟻蜜だったね。それをわけてくれた黄金色の蟻さんたちだった。
「あれ? ハニーアントだ」
「え? イシス知ってるの?」
「うん。砂漠で暮らす蜜を集める蟻なんだ」
「そうだったんだね。でも良くここがわかったね~」
「アリ~アリ~」
蟻達がジェスチャーで何か訴えてるけど……
「もしかして、以前私にくれた蜜はこの子達の?」
「うん。他の蟻に襲われていたのを助けて上げたらわけてくれたんだ」
「そういうことなんだ。ハニーアントは匂いに敏感だから、蜜の匂いを辿って来たみたいです」
そうイシスが教えてくれた。
「へぇ、でもよくわかったね」
「なんとなく、雰囲気で、あ、でも間違ってるかも?」
イシスがそう言うけど、蟻達が首をふるふると横に振った。これは僕にもわかるね。イシスの言っているとおりだと伝えたいんだ。
「でも、わざわざここまでどうして?」
「アリ~」
「アリッアリ~」
蟻達がまた何か訴えてる。う~ん……
「一緒に来てほしいって言ってるのかも」
イシスが顎を押さえながら考察してくれた。
蟻達もぶんぶんっと首を上下させている。
どうやらイシスの言った通りみたいだけど、一緒にか。悪い蟻じゃないとは思うけど。
「どうしようか?」
「私はホルスに任せる。でも、何か切実そう……」
切実か……うん、それなら。
「わかった。行くよ」
「アリィ!」
「アリリィ!」
蟻達がバンザイして喜んでくれた。
「ンゴゥ!」
「うん。一緒に来るかい?」
「ンゴ~」
ラクは仲間はずれが嫌みたいだね。勿論一緒に来てもらうよ。
「じゃあ、皆僕に近づいて。あ、蟻さんは道を教えてね。それじゃあ行くよ!」
「「「ア、アリィイィイイイ!?」」」
そして僕たちは砂の波で移動した。何か蟻が凄く騒いでいるけど、落ちる心配はないからね!
蟻達に何が!
ハニーアント「アリ~(応援ありがとうアリ~)」
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