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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第八章 狙われた砂の王国編

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第339話 ロキからのメッセージ

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

 砂には、焼き付けられたような文字が刻まれていた。


 僕はその文字を確認する。


『オレハブジ オンナカナシムナ』


「これ……ロキのメッセージだ!」


 名前が書かれていたわけじゃない。


 だけど、砲弾でわざわざこんなメッセージまで残してくるなんて、ロキしか考えられないよ!


「皆! ロキからだよ! 無事だったんだ!」

「しぶとい奴よのう」

「悲しむ? 嬉しいの間違いだろう」

「全くにゃん。いない方が平和にゃん」

「女性が悲しむと思ってるとか、勘違いも甚だしいですの」


 フィーが呆れ、ルガールが鼻で笑い、ペルシアとモルジアまで容赦なく続ける。


 辛辣!


 ロキに対して女性陣が辛辣すぎるよ!


 というか、フィーとモルジア、いつの間にか近づいてきてたの!


「ス~! スー! スー!」


 するとスーが文字を指差しながら慌て始めた。


「どうしたの、スー?」

「スー!」


 何だろう?


 あ、そういえばまだ続きがある。


『ツヅケテ ニハツメイク キヲツケロ』


 続けて二発目――まずい!


「皆! 急いでここから離れて!」


 僕が叫ぶと、全員が一斉にその場を離れた。


 その直後――。


 空の向こうから、再び何かが風を切り裂く音が聞こえてくる。


「来るぞ!」


 フィーが叫んだ次の瞬間――。


 ドォンッ!


 激しい衝撃音と共に、砂柱が高く巻き上がった。

 砂埃が一気に広がり、視界を覆う。


「ゲホッ、ゲホッ! 目が痛いにゃん!」

「ペルシア様、どうぞハンカチを」

「もう! ロキも少しは考えて撃つですの!」


 モルジアが顔を庇いながら文句を言う。


 確かに砂埃のせいで皆にも影響が出ている。


 でも、周囲を確認した限り、けが人はいないようだ。


 それだけでも良かった。


「見てみよう」

「スゥ~」


 僕の肩にしがみつきながら、スーが可愛らしい腕を前に突き出す。


 僕は慎重に二発目の砲弾が落ちた場所へ向かった。


 そこでは、シュウシュウと煙を上げながら、赤熱した砲弾が砂に半ば埋まっていた。


「まだ熱いね」

「不用意に触るでないぞ」

「うん」


 僕は直接触らず、砂魔法で砲弾を少しずつ動かしていく。


 すると、一発目と同じように、その下の砂に焼き付けられた文字が現れた。


『ミッカゴ』


「三日後……?」


 短い文字だった。


 けれど、その横には文字とは別のものが刻まれている。


 いくつもの線と印。


 何かを示しているようにも見えるけど――。


「これは何だろう?」

「メモしておくにゃん」


 ペルシアがすぐに手帳とペンを取り出し、刻まれている内容を書き留めていく。


「これ、多分地図になってるにゃん」

「地図?」


 一体何の地図なんだろう。


「まさかロキの居場所?」

「う~ん……恐らくこれは――」

「主よ! 文字を急いで消すのだ!」


 突然、フィーが叫んだ。


 その声はさっきまでとは違い、明らかに緊迫していた。


「え?」

「早く!」

「わかった!」


 僕はすぐに砂魔法を使い、ロキが残した文字と地図を砂で覆い隠す。


 その直後だった。


 フィーが空へ向けて手をかざす。


「そこじゃ!」


 火球が放たれた。


 空中で大きな爆発が起き、炎が何羽かの鳥を飲み込んだ。


 けれど――。


 悲鳴がない。


 燃えた鳥たちは鳴き声一つ上げず、羽と破片を撒き散らしながら落ちてきた。


「フィー! 突然どうしたですの!」

「妙な鳥が数羽、こちらへ向かってきておったのじゃ。どうにも我らの様子を確認しに来たようでのう」

「妙な鳥……」


 まさか、コレクト側が着弾を確認するために飛ばしてきたのか?


 砲弾は一気に長距離を飛んでくる。


 でも鳥なら、着弾してから確認に向かわせれば到着まで時間が掛かる。


 もしかするとロキは、そのわずかな時間を利用して僕たちにメッセージを読ませるつもりだったのかもしれない。


 だとしたら――。


「フィー、ありがとう。教えてくれて」

「我が主の為なら当然であろう」


 そう言ってフィーが僕を抱きしめてきた。

 あ、頭に柔らかい感触が――。


「フィー! くっつきすぎですの!」

「正妻なのだから当然であろう」

「誰が正妻ですの!」


 モルジアがすぐにフィーへ詰め寄る。

 そのやり取りを見て、自然と笑みがこぼれた。


 そうだ。


 ロキは無事だった。


 そして恐らく、何らかの事情で大砲を作らされている。


 表向きは僕たちを攻撃しているように見せながら、実際には砲弾そのものを手紙代わりにして情報を送ってくれているんだ。


 コレクト側には、自分が協力していると思わせながら。


 もしこのことが知られれば、ロキは危険だ。


 逆に言えば、まだ敵を欺けているうちは無事でいられる可能性が高い。


 僕は、ペルシアが書き留めた内容へ目を向ける。


 ロキは無事だった。

 それだけでも十分嬉しい。


 だけど――。


 三日後。


 そして、この地図。


 ロキは一体、僕たちに何を知らせようとしているんだろう――。

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