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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第八章 狙われた砂の王国編

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第316話 怯えるアングル

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

「とんでもないことになったぞ。あのレクターだけは絶対に相手してはいけない奴なのだ。そんなのに目を付けられたらこの国は終わる」


 そう言ってアングルが髪を掻き毟った。アマネトも言っていたけどそこまで恐ろしい存在なのか。


「――こうなったら引き渡そう」

「え?」


 アングルの言葉に思わず声が漏れた。


「だからアマネトを大人しく引き渡すのだ。そうすればこの国は守られる。それが一番――」

 

 そこまで言ったところでアングルが口を閉ざした。僕の目を見て察してくれたのか。当然だけど僕はアマネトを引き渡すつもりなんて無い。今はアマネトも僕の国の大事な民なのだから。


「――愚問だったか。その選択を出来るような男なら私だって苦労はしていないからな」


 アングルが自嘲気味に語った。


「はははっ、褒め言葉として捉えておくよ。でも、アングルの気持ちもわかるよ。相手の力量を知っているからこそ恐れるというのはあるだろうからね」


 これまでに見せたことのない表情をアングルは見せていた。それだけ相手に恐怖を覚えているのだろう。


「――レクターが攻め込んできたら戦うのか? その奴隷ただ一人のために」

「戦うよ」


 即答した。無益な戦争なんて避けたいけど相手からやってくるなら手を拱いていられない。


「それで民に犠牲が出てもか?」

「――犠牲を出さない。その覚悟で戦う」

「甘い! 戦になれば必ず人は死ぬ。犠牲を厭わない覚悟でなければ負ける! 死者の出ない戦争など夢物語だ!」


 アングルが叫んだ。似たような事を前にも言われた気がする。だけどそこだけは譲れないんだ。


「そうかも知れない。僕も甘いと思っているよ。でも最初から犠牲ありきで戦うのも違うと思う」

「ス~……」


 スーが寄り添い鳴き声を上げた。心配してくれているのがよくわかる。


「――私にはついていけん考え方だ」


 言ってアングルが席を離れ背中を向けて歩き出した。嫌われてしまったかもしれないね。


「アングル。君が望むならエルドラド共和国に戻ってくれていい。僕からもロベリアに話してみるよ」

「何だと? 私がエルドラドに?」


 僕の言葉を聞いてアングルが振り返った。目には驚きの色が滲んでいる。


「うん。これまでの君の働きぶりはしっかり見ていたからね。おかげで随分と助けられたよ。そのこともしっかり伝えれば商会に戻るのもロベリアは許してくれると思うよ」

「――陛下はそれでいいのか?」

「本音を言えば残ってほしいというのはあるよ。アングルの存在はとても大きいし国としても助かっているからね。でも――」


 そこまで言った後、スーの頭を指で撫でて改めて言葉を続けた。


「アングルには帰るべき場所がある。それなのに僕の都合でこれ以上巻き込めない。だから安心して。僕が君のいいところをしっかり伝えてロベリアを説得して見せるから」

「――本当に、とことんお人好しな王だな……」

 

 僕の話を聞き、アングルは力なく笑った後、部屋から退出した。アングルは多分ここに来て変わったと思う。だからロベリアだって納得してくれる筈だ。


「さて、そうなると色々と忙しくなるよね。先ずは急いでロベリアに連絡しないと」

「ス~!」


 それにレクターの事もある。攻めてくると言うならそれ相応の準備も必要だからね――

本日発売の月刊コミックREX1月号にて本作のコミカライズ版の第5話が掲載されています!

そしていよいよ12月25日にコミック単行本第1巻が発売!どうぞ宜しくお願い致します!

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