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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第八章 狙われた砂の王国編

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第312話 内通

いつも感想や誤字脱字報告をいただきありがとうございます!

「なるほど――その話が確かなら有意義な情報ですな」


 エルドラドの首都にあるとある喫茶店にて執事服の男が話していた。対面の席に座っているのは執事の男よりも大分若い。


「こちらも色々と調べた結果ですよ。可能性は高いと思います」

「ふむ――しかし、何故それを私に?」

「兄が何の役にも立てなかったお詫びですよ。それに――あそこは私にとっても煩わしいのでね」


 そう言って対面の男が笑った。無邪気な笑顔だったがその内面には薄暗い感情が広がっていそうであった。


「――話はわかりました。それで謝礼はどれほどを希望かな?」

「いりませんよ。そんなのは目的じゃない。ですが何れお世話になることもあるかもしれませねんからね」

「なるほど――主と繋がりを持っておきたいということですな。しかしそれはこの情報の是非次第。勿論全くでたらめだった場合は――それなりの覚悟が必要ですがな」


 そう言って執事服の男がジッと対面の男を見た。


「怖い怖い。だからこそキチッとした情報を提供しているつもりですよ」

「……わかりました主にもしっかり伝えておくとしましょう。さて、これ以上長居しても仕方ありませんな。ここの会計はこちらで持ちましょう」

「はは、ではお言葉に甘えて――」


 執事服の男が立ち上がり先に出た後、残された男は残った紅茶を啜りつつ――窓を眺めながら不敵な笑みを零すのだった……。





◇◆◇


「調子はどうかな?」

「ス~?」


 僕たちはアマネトの部屋に向かい体調に変化がないか聞いてみた。アングルがいることもあってアマネトが見つからないよう皆で協力しながら毎日を過ごしてもらっている。


 ただこれは中々に大変なことだ。もしかしたらアマネトもストレスを抱えているかもしれない。


「大丈夫です。皆さんよくしてくれますので」

「それなら良かったです。でも何か気になることがあったらすぐに言ってくださいね」

 

 僕に同行してくれたイシスがそう言ってアマネトに微笑みかけた。アマネトも柔らかい笑みを浮かべる。


 とはいえ、流石にこのままというわけにはいかないだろうね。アングルもすっかりここの生活になれてしまっているし今は王国にとっても大事な戦力でもある。


 そうなるとアングルに隠したままというのはアマネトにとっては不便でしかないよね。


「アマネト、実はそろそろアングルに君のことを話してもいいかなと思ってるんだ」

「そう、ですか」

「――不安かな? アングルも今は大分打ち解けているしおかしなことにはならないと思うんだけど、でも君が嫌ならまだ黙っておこうと思う」

「いえ、陛下がそう判断されたなら私も信じたいと思います」


 アマネトは受け入れるつもりなようだ。でも少し陰も感じる。ただ、それはアングルに対する不安とはまた違うきもするのだけど――


「アングルに伝えるのは今すぐにというわけじゃないから、もし考えがかわったりしたらすぐに言ってね」

「はい。お気遣いありがとうございます」

「うん。それじゃあ――」


 そして僕とイシスはアマネトの部屋を出た。歩きながらイシスに話しかけてみる。


「なにかアマネト元気がなかった気がするんだけどイシスはどう思ったかな?」

「ス~――」


 僕がイシスに問いかけると肩の上の?ーも心配そうな声をあげた。?ーもアマネトの事を心配してそうだよ。


「私もちょっと気になったけど、アングルに話すことが嫌というわけではないのかも。何か不安を感じているのかもしれないね」

「う~ん。やっぱりそうだよね」

「だから次の時は私も個人的に話にいってみるね。女の子同士でないと話せない悩みがあるのかもしれないし」

「なるほど……」


 確かに言われてみればそういうこともあるかもね。だったら次はモルジアやフィーなど女性陣に話をしに言ってもらうのも手かもね。


「それならロキには黙っておかないとね」

「それは絶対だね!」


 言ってイシスがグッと拳を握りしめた。ロキも職人としては優秀だし色々教わることも多いけど女性が絡むと見境がないからね――そんなことを話しながらも僕たちも仕事に戻ったんだ。





◇◆◇

 

 夜になりアマネトは窓の外の月を眺めていた。今宵は満月であり夜空には綺麗な月が浮かんでいる。


「今の生活は楽しい。ここに皆は私に良くしてくれる。とても幸せな筈なのに、どうしてこんなに胸がざわつくの?」

 

 自問自答するアマネト。一時は囚われの身となり不安にかられる日々を過ごしただけに今の日常がいつ壊されるか不安で仕方がなかった。


 その時だ――一羽のフクロウがどこからともなく飛んできてアマネトの目の前で動きを止めた。翼をバサバサと羽ばたかせジッとアマネトを見つめてくる。


『ミツケタゾ――』


 それはフクロウから発せられた声だった。そしてアマネトにとって聞き覚えがありそして二度と聞きたくない声だった。

 

 アマネトを認めフクロウは飛び去った。その様子をただ黙って見届けるしかなかった。アマネトの肩はワナワナと震えていた。そしてアマネトは静かに膝から崩れ落ちる。


「遂に――見つかってしまった。きっとあの男は私を捕まえに来る。どんな手段を使ってでも……」


 愕然とした表情でアマネトはそう呟くのだった――

明日27日発売の月刊コミックREX10月号にて本作のコミカライズ版第2話が掲載されます!

どうぞ宜しくお願い致します!

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