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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第八章 狙われた砂の王国編

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第308話 今後の方針

「とは言え小僧。この状況でこのまま手をこまねいて待っていては相手に好き勝手させるだけではないか?」


 ここで話に割り込んできたのはロキだった。しかもその顔は真剣そのものだ。どこか今までの雰囲気と違う気がする。


「そんなこと言いながらまたお前はとんでもないことを言い出すつもりじゃないのか?」

「十分考えられるにゃ~。攻め込まれる前に如何わしいことしてやろうとか考えてそうにゃ」

「お前ら俺のこと何だと思ってんだ?」

「ただの変態ですの」

「頭のおかしなドワーフかのう」

「見てるだけで消し炭にしたくなる阿呆であるぞ」

「愛が足りないかしら愛が!」


 ロキに対する皆のイメージが最悪だよ! イシスは何も言ってないけど苦笑してるし!


「馬鹿にするな! そんなことはいつでも常に思っているからな! 今に始まったことじゃない!」

「端的に言ってお前は最低なドワーフだと思うぞ」

「ねぇアイン。ドワーフのオスッてみんなあんな感じなの?」

「メルよ我はドワーフに詳しくはないが、きっと奴は特殊個体だと思うぞ」


 堂々としたロキの発言が余計に女性陣の顰蹙をかっていたよ! アローネまで呆れ目だしメルの視線も冷たい! アインもなにげに辛辣だよ!


「ふん。そんなことよりもだ、このまま好き勝手に侵略行為を許すなど我慢ならんのだ!」


 気を取り直したロキが話を続けた。ロキの普段の行いはともかく今回に関してはどこか他人事ではないと思っていそうだよ。


「そこまで言うということはロキも何か身に覚えがあるの?」

「――かつて我々ドワーフを含めた少数種族も似たような目にあったからな。まぁ正直あんな意識の低い同胞がどうなったところでなんとも思わんが――とにかく守りに入りすぎてもいいことなんて何もないぞ」

「ふむ。その意見にはライも同意できるぞ」


 カラドボルクが人化した存在でもあるフェルが意見を述べた。イシスの生命魔法で今生に復活した彼は元はカラドボルグを最初に手にした英雄でありその記憶が具現化した存在だ。


 それだけにこういった時のフェルの意見は参考になりそうだね。


「フェルの考えも出来れば聞かせて貰いたいかな」

「フェルお願いしていい?」


 僕がフェルに問いかけるとイシスも一緒になってお願いしてくれた。フェルはイシスの事を主として見ていて普段は姫と呼んでいる。だから僕よりもイシスの意見を重要視する。


 この状況ではイシスが僕の意思を尊重してくれたのがありがたいことでもあるね。


「勿論ですとも姫! では僭越ながらライの意見を述べようぞ。先ず大事なのは戦というのは常に薄氷の上での戦いである。賢明な為政者ほどそのことを理解している。何をするにもしっかりと足場を踏み固めてから実行に移さねば勝利よりも多くの犠牲が生まれるモノなのだ」


 なるほど――流石多くの戦いを経験したフェルだけあってすっと胸に落ちていく感覚に陥った。


「故に時間との戦いでもあり限られた時の中で行動に移さねばならない。相手が攻めに転じてきていると言うのに何もしないなど愚の骨頂」

「う……」

 

 耳が痛い話だね。現状では明らかに僕たちの方が後手に回っている。


「ありがとうフェル。奇譚のない意見はとてもありがたい。ただジャハルの言うように今こちらから仕掛けるのは得策ではないとも思うのだけど」

「勿論ライもそれは考えていない。だが出来ることはある。王よライから言えることは一つ。こちらも急いで砦を建設するのだ」

「砦を――それは戦いを挑むためという意味ではなく?」

 

 僕の質問にフェルが深く頷く。


「敵国が行っているのは挑発と同時に牽制でもある。その上で王側がどう対応するか見ているのだ。ここで甘い対応をしては付け入られるだけであろう。かといって敵国の直ぐ側に建てるのも現状良策とは言えまい。ならばこちらも同じことを行うのだ」

「そうか……つまりバラムドーラ側からそこまで離れず、それでいて帝国寄りのどこかに砦を建てるということだね」

「うむ。流石フェル殿です。その作戦には私も賛成です」


 ジャハルがフェルに敬意を評しそして彼の意見に同調した。確かに何もしなければ帝国は必ずそこに付け込んでくる。


 帝国の行動に楔を打ち込む為にも砦の建設は必須だろう。


「しかしこれから砦を作るとなると時間が掛かりそうだぞ。今回も火竜建団に頼むのかい?」


 ライゴウから問いかけだった。確かに普通に考えたら時間が掛るんだろうけど――


「今すぐは難しいと思うにゃ。火竜建団は王国内の仕事に追われているにゃ。それに砦の建築となると費用も含めた話し合いが必要にゃ」

「確かにその分時間も必要ですね」

「その事だけど、砦の建築は僕に任せて欲しいんだ」


 砦の建築について皆が頭を悩ませてくれたけど、そこは実は僕に考えがあった。


「この砂漠であれは砂さえあれば僕は魔法で城を造れる。それを砦にすれば早く済むと思うんだ」

「なるほど。確かにそれはいい手だねぇ。砦は作るスピードが大事でもあるからねぇ」


 アンラキが笑みを浮かべながら言った。確かに彼の言うように時間は出来るだけ省略したいところだ。


「砂で城をか。中々豪快なことだな」

「フフフッ、妾が主様と出会った時はまさに主様が生み出した砂城で二人きりの時を過ごしたものよのう。思い出すのうあの甘美な日々――」

「サラッと嘘を吐かないでください!」

「そうですの! 私だってお兄様と一緒でしたの!」


 感心するリタに対しうっとりとした顔で語るフィーだったけど、即座にイシスとモルジアがツッコミを入れていたよ。た、たしかにモルジアは後から合流することになったけどフィーが来た頃にはイシスとラクは一緒だったからね。


「ところで陛下。砦はどこに造られるおつもりで?」


 フィーたちが牽制し合っている中でスイムが確認してきた。確かに造るにしてもどこにするかは大事だよね――

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