第282話 砂漠で皆の無事を確認!
何かフィーとリタの空気が重い! 視線がぶつかってバチバチ言ってる気がするよ!
「丁度よいのう。こうして久しぶりにあったのだお前がどれだけ弱くなったか見てやろう」
「アッハッハ。余が弱くだと? 面白いことをいう。主に名付けまでしてもらい今の余は以前とは比べ物にならぬほど強くなったのだぞ」
挑発めいたことを口にするフィーに煽るように言葉を返すリタ。何かどっちもムキになっている気がして不安だよ。
「フン。話によると貴様。無様にも盗賊風情に封印されてたそうではないか。そんな雑魚がいくら主に名付けしてもらったところでたかが知れてる」
「貴様! どうやら久しぶりに決着をつける必要があるようだな」
「ま、待って待って二人共! 折角戦いも終わったのにそんな――」
一触即発の雰囲気が漂ってきたから慌てて止めに入ったんだけど――
「そもさん!」
「せっぱ!」
て、はい?
「競争で三位を抜いた今の順位は!」
「三位! 九十九から一を引いたらいくつか!」
「九一九! あるピラミッドから宝が――」
何か謎解き合戦が始まったよ! 何これ! いや確かに最初出会った時フィーに似たようなこと聞かれたけど。
「ホルス! 無事で安心した~。でも何だか凄く平和的で良かったね」
「これもきっと愛よね愛!」
「というかまたお兄様に悪い虫がうむむむ!」
フィーとリタが謎解きしあってる中、イシスとモルジアが近づいてきた。僕のことを心配してくれたみたいだけどそれは僕にしても一緒だよ。二人が無事で良かった。勿論アイもね。
「王よ! 流石です。盗賊共を蹴散らしてきたのですね」
「流石だよね~王様すっご~い」
「アリ|~」
「アギィ!」
アインとメルも元気そうだった。何でもアインはゴブリンサンドキングを倒したらしい。凄いよ!
「陛下ご無事で何よりです。ですが城の方が気になるところですね」
「あぁ。一度信号弾が上がってたから俺も大砲ぶっ放しておいたけどな」
ジャハルとロキが言う。騎士団も大活躍だったみたいだ。それにしてもロキが大砲を――城で何かあったなら急がないといけないかも。
「なんとなくそう酷いことにはなってない気がするんだけどねぇ。ま、あくまで勘だけどさぁ」
これはアンラキの言葉だ。幸運を操る魔法を扱るだけにそういう予感は鋭いのかもだけどそれでも悠長にはしてられないよね。
熱くなってるフィーとリタには一旦やめてもらって城に戻ることにするよ。
「むぅ、仕方ない今回は引き分けとしておくか」
「ハッハッハ我が主に助けられたな。これでまた負けることはなくなったわけぞ」
「は? 馬鹿言うな。余が勝ち越しているのだから助かったのは貴様だ」
「面白い冗談であるのう。勝ち越してるのは我ぞ」
「余だ!」
「我だ!」
「はいはい。もうそんなのどっちでもいいでしょう?」
「何? 小娘壱号どうでもいいというか!」
「どうでもいいじゃない」
「あなたもよ。お兄様の手を煩わせないで」
「何だと? 貴様余を誰と――」
「だからそういうのはフィーだけで間に合ってるんだから!」
「な!?」
フィーとリタがイシスとモルジアに言いくるめられていたよ。う~んうちの女性陣がたくましい。
さてそのまま城に向かって行く僕たちだったけど。
「おお! ホルス王ではないか!」
「あ、クリムゾン!」
「お兄ちゃん!」
「ま、マイン! 良かった無事だったのだな!」
「ちょ、痛いよお兄ちゃんってばぁ」
クリムゾンが駆け寄ってきてマインをギュッと抱きしめたよ。再会出来てよかったよね。
「王にはいつも世話になりっぱなしだな」
「そんなことないよ。それに僕たちに城の危機を教えてくれたのはマインだったし」
「そうか。マインよくやったな」
「えへへ~」
クリムゾンに褒められてマインも嬉しそうだね。
「おおそうだ。王に見せたい者がいたのだ」
「え? 見せたい」
「うむ。連れてきてくれ」
疑問の声を上げるとアインが仲間に呼びかけた。
「あぁ。ほらこっちに来いって」
「ひ、ひぃいぃごめんなさいごめんなさい~」
うん? 何かクリムゾンの仲間たちに引きずられるようにして女の子が姿を見せたよ。
「ふむ。此奴は?」
フィーが聞く。クリムゾンはどこか困った様子で答えた。
「いやそれが砂漠で潜んでいて何か怪しいから何者か聞いてみたら、この通り怖がって謝ってばかりなんだ。わけがわからないが怪しいから連れてきた」
あぁ、確かにそれは怪しい。けど、一体この子誰なんだろう?




