第259話 砂漠で垣間見えるセサミの力
セサミは扉を開くことで魔法や技を吸い込めてしまう。
「ほら、返すぜ」
おまけに吸い込んだ物を扉から出すことも出来てしまう。僕たちが行使した魔法と技を一度に返してきた。
「スー!」
「砂魔法・大砂壁!」
スーが自動防御で僕に迫った攻撃を防いでくれる。僕は自分への防御はスーにお願いして皆を守るために魔法を行使。巨大な壁で攻撃を防ぐ。
「なるほど。やっぱりお前が一番厄介ってわけか」
「すげーぜ王様よ! 前より魔法の力あがってねぇか?」
「陛下は決して王の立場になってふんぞり返るだけのような愚かな王ではないのです。自分の魔法に真剣に向き合いロキの意見も素直に聞き入れ日々努力を怠らない。だからこそ今でも王の砂魔法は成長し続けている」
スイムがそう評価してくれた。な、なんだかくすぐったいな。
とは言え、まともにやっても魔法はすべて吸い込まれる。ただの攻撃じゃ駄目だ。それなら――
「砂魔法・砂人形!」
「何?」
セサミの周囲に砂のゴーレムが出現する。町にも警備用に何体も動かしてるけど、今の僕は前よりも魔力が上がってる。だからまだまだ魔法は打てる!
それに砂で作った槍も持たせた。今は魔法でゴーレムの武装も作成可能だ。
「行け! ゴーレム!」
「スー!」
ゴーレム達が一斉にセサミに攻撃を仕掛けた。あの扉は飛んでくる魔法や攻撃を閉じ込めることは出来てもゴーレムのように自由に動く相手には無理だと思う。それが出来るならとっくに皆を扉に閉じ込めた筈だ。
「なるほど――開けゴマ」
だけど、セサミが扉を開くと同時に鉄砲水が吹き出ていき近づこうとしたゴーレムを押し流しその勢いでゴーレムが崩れていった。
「別に俺の扉は飛んでくる魔法を閉じ込めて返すだけの為にあるんじゃないぜ」
「――あの男、扉の中に様々なものを閉じ込めている可能性が高い。何が出てくるかわかりません。陛下お気をつけを!」
「砂魔法・流砂!」
スイムに頷いて返事し、新たな魔法を行使。セサミの足が砂に取られた。
よし、攻撃でないなら扉には閉じ込められない!
「こんなもの些細な足止めにしかならないぜ」
「些細な足止めで十分なのさ!」
「うぉおぉおぉおぉおおお!」
「やったるぜ王様よ!」
熊に変化したベアードと大剣をもったライゴウが疾駆しセサミに攻撃を仕掛けた。
「飛ぶ攻撃が駄目なら接近戦で仕留めるだけだ!」
「熊のパワーを見せてやる!」
セサミは砂で足を取られている。あの状態で二人の相手は流石に無理だろう、と思ったのだけどセサミは双剣でライゴウとベアードの攻撃を防いだ。
ただ、それでも防戦気味だ。これなら――
「砂魔法・砂槍!」
「水魔法・水連」
スイムも援護してくれた。僕の作った砂の槍と水の連射。ライゴウとベアードを相手しながらこれは――
「開けゴマ」
「な! こいつ扉で風を!」
セサミは正面に扉を開き自らに突風を当てて流砂から脱出した。こんな手も使うのか――
「開けゴマ――」
更に扉が開かれ中から巨大な大蛇が三匹姿を見せる。
「魔獣まで扉の中に――」
「そいつはサンダーラナーガだ。電撃を帯びた三匹の蛇は中々強烈だぜ?」
稲妻を撒き散らしながら蛇が迫る。光で視界も防がれた。
「砂魔法・砂感知!」
「開けゴマ」
周囲の状況を確認しないといけない。砂の感知を試みるとほぼ同時にセサミが更に扉を開いた。
しかも感知で見るにかなり大きい。これは?
「引きずりこめゴマ――」
「え? しま!」
その時だった。一瞬にして黒い触手のようなものが僕に絡まる。自動防御が発動したけど防御ごと引きずり込まれる!
「油断したな。お前はさっきまでの魔法で扉に直接は引き込めないと思いこんでただろ? だが、それがそもそもの間違いだ」
くっ、予想以上に触手の引きずり込む力が――僕の目の前に巨大な扉が迫ってきた。大口を開けてまるで地獄へと繋がる門のような……
「ス~! ス~!」
「みんなごめん! でも、絶対に抜け出してみせる!」
スーをしっかり抱きしめ、僕は覚悟を決めた。扉の内部に完全に引きずり込まれそして扉が閉まっていく。皆の叫ぶ声が聞こえてる。
とにかく、諦めたら駄目だ! だから皆も――




