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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第六章 砂漠を狙う剥製王編

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第251話 新兵器の威力

「おいおい何か凄いのがきたぞ!」

「ロキの戦車の両肩に大砲が目一杯つまった箱みたいのが乗ってやがる!」

「ふっふっふ」


 いつの間にかこしらえていたゴーグルを嵌めたロキが得意げに笑った。


「ぬぅ、これはまた珍妙なライも初めて見たぞ」

「ロキの作った戦車なんだよ」

「あのドワーフ。本当に胸のことさえなければ優秀ですの」

「ンゴ……」


 少し遅れる形でやってきたイシスとモルジアがそうロキを評した。当然常にイシスと行動を共にするフェルとアイも一緒だ。ラクも来てるがゴブリンサンドの大群に不安を覚えているようでもあった。

 

「とにかく、あいつら一気に倒してやるぜ! 多連装大砲一斉放射だ!」


――ズドドドドドドドドドドゴゴゴドォオゴォオゴォオオンッ!


 雷鳴が幾重に重なるような轟音を発し、ロキの戦車から砲弾が発射された。ロキ曰く女性の胸を参考に作ったとされる大量の砲弾は見事にゴブリンサンドの大群に命中し大爆発を引き起こした。


 砂漠に巨大なクレーターが出来上がる程の威力。


「やったか!」


 塔の上からサーチが叫ぶ。爆発の余波で砂塵が舞い上がり死海も悪くなるが、それもすぐに消え――見えてきた。それでも怯まずバラムドーラに向けて突き進むゴブリンサンドの大群を。


「だ、駄目だ! 確かに凄い威力だし数千から一万ぐらいは片付いたと思うが、数が多すぎる!」

「だったらもう一度ですの! いえ、何度か撃つですの!」

「おいおい、そんな連続は無理だぞ。全部撃ったし弾を補充しないとよ」

「一発で終わりかしら?」


 ロキの説明に聞いていたアイが眉を顰める。


「いいかお前ら覚えておけ。弾は撃ったらなくなるもんだ。そして弾は撃ったら込め直すもんだ」

「御託はいいから速く込め直すにゃん!」

「わかったが急ぐにはもっとおっぱい成分が」

「死ねッ!」

「ギャッ!」


 ロキはあっさりルガールに引っかかれて吹っ飛んでいた。


「しかしあれだけの弾を込めるには時間がかかりそうだな……」


 引っかかれた痛みと輪っかの締め付けの両方でもがき苦しむロキを無視してルガールが考えを巡らす。


「おい! 砂狼に乗ったゴブリンサンドがこっちに来てるぞ。五百ぐらいだがあれが先遣隊ってところか」

「砂狼――ならば!」


 ルガールが前に出てそして天に向けて遠吠えを上げる。


『アオオォオォォオォオォオォオォオオン!』

「そうかそれがあったにゃん!」


 ルガールの行動を見たペルシアが熱く語る。


「人狼は狼の中では最上位の存在とされるにゃん。人狼のルガールが吠えれば狼なら従わざるを得ないにゃん!」

「あ、砂狼がゴブリンサンドを振り落としたぞ!」


 ペルシアの説明が終えるとほぼ同時にサーチが叫んだ。どうやら先に向かってきていたゴブリンサンドは砂狼の暴走によって落とされ噛みつかれ絶命したようである。


 そして騎手のいなくなった砂狼のみがルガールの遠吠えに呼応するように喉を鳴らした。


「よし! これで砂狼は我らに従ってくれるだろう。後はこちらから打って出るべきだと私は思うのだが?」

 

 ルガールがジャハルとその隣りに立っていたアインに向けて問いかけた。


「賛成ですぞ。我らもアイアンアントを率いて一気に攻め込もうぞ!」

「うむ。そうだな。それにさっきルガールの言われたように、ゴブリンサンドの王を倒すのが先決だ」


 こうしてジャハル率いる騎士団とアイン率いるアイアンアントの兵団が前線に立ちゴブリンサンドの大群に向けて打って出ることに。


「アローネと弓使いは塔の上から援護を、アイン率いるアイアンアント隊は右翼から騎士団は正面を――」


 ルガールが即座に作戦を練り伝えていく。そしてルガールもまた前に出るために隊を組んだ。


「私の速度についてこれるものは一緒に。遊撃隊として可能なら一気にゴブリンキングを狙う」

「速度ならフェルが一番です!」

「む、しかしライには姫を守るという指名が――」

「私は大丈夫! だからお願い」

「……わかりましたぞ。ですが何かあればすぐに戻る故」

「お、おらも皆を守るために前に出るだ!」


 フェルはルガールの遊撃隊に加わる形にジャックは騎士団に加わり盾となり援護することとなった。


「あ、あの私も何か役立つことがあれば――」


 姿を見せたのは天翼人のアマネトだった。


「ありがとう。ならばここで皆と一緒に支援を頼みたい」

「そうにゃん。アマネトはうちと一緒にここで皆が何かあった時のための準備を進めるにゃん」

「準備ですか……わかりました」


 素直なアマネトにペルシアもホッとした顔を見せる。ルガールの真意をペルシアも気づいていたのだろう。


 アマネトはかなり特殊な立場にいる。いつ誰に狙われてもおかしくない希少な種族でもあるのだ。故に前に出して万が一があってはならない。


「それでは征くぞ!」


 そして向かってくるゴブリンサンドに向けてバラムドーラの軍も突撃を開始する――

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