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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第五章 砂漠と帝国の刺客編

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第216話 砂漠の人質

 運を操作できる魔法……もしそれが本当ならすごいなと純粋に思う。


 ただ、そうだとしたらアンラキはマグレフ帝国からやってきた兵士ということになってしまう。


「その、今のは……当たってますか? アンラキさん」


 とにかく、本人にしっかり聞いておく必要があるだろう。本当の事を言うかまではわからないけど――


「……ふぅ、まいったねぇ。そんなことは――」

「おい! やめろリスリー!」

「貴様、一体どういうつもりなのだ!」

「黙って! 黙らないと、この女がどうなるか!」


 その時だった。リスリーが寝かされていた部屋から女性の声が響き渡る。


「まさかリスリー? チッ、よりによって、アンラッキー!」


 アンラキが弾かれたように部屋に戻っていく。


「王よ、あの男を好きに動かすのも危険であるぞ!」


 フィーが警告を発してきた。信じたくなかったけど、とにかく後を追う。


 部屋に飛び込んだ僕たちの視線の先では、短い槍の先をイシスに突きつけて威嚇しているリスリーの姿があった。


 そのリスリーを囲うようにして様子を見ているアインとクリムゾンの姿もある。


 何これ? 一体どういう状況?


「イシス!」

「ホルス、ご、ごめんなさい。目が覚めたから声をかけようと思ったのだけど……」

「勝手にしゃべるな! 殺されたいのか!」

「ンゴ! ンゴ~!」

「愛が足りないわ! マスターごめんなさい。私がついてながら……」

「くっ、我も不覚であった! 王よ申し訳ない!」


 ラクが悲痛な叫びを上げている。アイも俯き加減でアインも悔しそうだ。だけど仕方ない。まさかいきなりこんな蛮行に走るなんて思ってないだろうし……


「リスリー! 一体何をやってるんだ!」


 するとアンラキがリスリーに向けて叫んだ。彼にとっても予想外の行動なんだと思う。


「……隊長。申し訳ありません。私としたことが毒に倒れ敵に囚われるなんて、だからこの責任が私が自ら取ります!」

「……アンラッキー」


 アンラキが額を押さえて天を仰いだ。それにしても隊長?


「どうやらこれで決定的となったようだな。お前たちは帝国兵だな?」


 ジャハルが視線を尖らせ問いかける。アンラキは頭を振り、ケモナルも嘆息していた。


「黙れ! 貴様こそ帝国騎士だろう! 鎧を見ればわかる!」


 ジャハルに向けてリスリーが叫んだ。責めるような口ぶりだ。確かに元帝国兵の皆は鎧は基本そのままだ。一応ロキに頼んで紋章などは消してもらったみたいだけど、形である程度判断出来るのかも知れない。


「そのとおりだ。だが今はバラムドーラの王に仕える騎士としてここにいる」

「ふざけるな。私の兄を――約束も守らず惨殺したような国に仕えるだと! そこまで落ちたか恥を知れ!」


 リスリーが怒気を込めて叫んだ。でも、惨殺って一体何のことなのか……


「リスリー……少し落ち着け。その子も解放するんだ。毒に侵されたお前を助けるのに尽力してくれたのだぞ?」

「そうよ! 愛が足りないわ!」

「ンゴ! ンゴ!」


 諭すようにアンラキがリスリーに問いかける。アイとラクもそれに倣って彼女を咎めた。


「だからこそです。こんな醜悪な連中に施しを受けるなど……私は天国の兄さんに顔向け出来ない!」

「やれやれ、随分と勝手な物言いの小娘よのう」

「そうよ! 私はともかくお兄様のことまで悪く言うのは許せないですの!」

『ケケッ、この状況でもぶれないなお前は』


 フィーが険しい顔で口にし、モルジアも興奮している様子だ。


 それにしても、さっきから兄というのを連呼している。もしかして亡くなった兵の中にこの子の兄が?


「ちょっと落ち着いて欲しい」


 とにかく、ここはしっかり話を聞く必要があると思った。だから語りかけたんだけど、キッと睨みつけてきてリスリーが叫ぶ。


「黙れ、私が許せないのは貴様だ! 兄さんを人質に取り、解放を約束しながら油断させてシャハル殿下率いる千鋭騎士団を襲った! 更に、約束を違えて、兄さんを!」

「え? ちょ、ちょっと待って。それって一体何の話?」


 確かにシャハルや帝国兵とは戦ったけど、人質についてはさっぱり覚えのない話だよ。


「リスリー。いい加減に落ち着け」

「いいえ! もう私は耐えられない! この王はどうせ自分が殺した相手の事も覚えていないのだろう! 私の兄であるキース・スコットのことなど!」

「待て! 今キースと言ったか?」

 

 クリムゾンが何かに気がついたよゆにリスリーに話しかける。


「黙れ! 亜人がきやすく私に話しかけるな!」

「なんて言い草ですの!」

「まぁ待つのだ小娘弐号。今はあの男に任せて見ようではないかのう」


 怒りを顕にするモルジアをフィーが制した。クリムゾンの様子に何かを感じ取ったのだと思う。


「……随分と興奮しているようだな。だが、貴様の口にしたキースについてはこの俺がよく知っている。砂漠で倒れていたところを妹が助けてつれてきてくれたのだからな」

「――何だと?」


 リスリーの目つきが変わった。それにしても、そうかキース……聞き覚えのある名前だと思ったけどクリムゾンの話していた――

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― 新着の感想 ―
[一言] ……リスリー、真実を探求せずに目の前の出来事に囚われるのは、間違っているぜ。
[一言] ここの対応次第で真性サイコグズかどうか決まるな、個人的にはもう真性サイコグズ認定してるが…。(恥知らず、恩知らず、無知、思考放棄、イキリ傲慢、クズの五重苦) どうなることやら。
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