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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第五章 砂漠と帝国の刺客編

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第195話 砂漠で顕現するフェルグス

 イシスの魔法で人化したカラドボルクは、金髪で金瞳、大柄で筋肉質な男だった。見た目豪傑と言った風体で手にはカラドボルグ、そうカラドボルグを持っていたんだ。人化した筈なのに剣は手にしているんだからちょっと不思議に思う。


 ただ、彼は自らをフェルグス・マグ・ロイヒと名乗っていた。そこに何か秘密があるのかもしれないよ。


「えっと、あの、カラドボルグさん、ではないのですか?」


 イシスもそこが気になったのか、片膝を付き彼女の足もとで頭を垂れている彼に問いかける。


「カラドボルグはライが愛用した剣でございます姫。ライはフェルグス故」

「ら、ライ?」

「うん? 誰だ貴様は? 今はライが姫様と話しているのだぞ?」


 フェルグスが僕に気が付き、訝しげな顔を見せてきた。う~ん、今までの感じだとライは私とかそういう意味で使ってそうだね。


「ライ? それより愛よね愛!」

「ははは、姫はなかなか小洒落たペットを飼っておりますな。実に可愛らしい」

「キャッ! ちょ、貴方ちょっとバチバチしすぎかしら! 触らないで欲しいかしら!」


 フェルグスがイシスの肩に乗っていたアイに触れようとして拒否されていた。今も全身から雷が迸っている。アイが嫌がるのはそれが原因なんだろうな。


「ふむ、元に戻ったばかり故、まだ電撃の調整が上手くいっておらんな。だがご安心を。この程度ライに掛かればすぐに馴染みます故」


 両手の拳をギュッギュッと握りしめ感触を確かめるフェルグス。戻ったというから剣を使っていたころの意識は残っているのかも。


 そうなるとやはり普通の人化とはまた異なる感じに思えるね。


『なるほど。これは残留魂の影響だろうな』


 するとカセが意味深な発言をした。残留魂? それは僕も初耳な言葉だね。


「う~ん? カセ残留魂ってなんですの?」


 どうやらモルジアも僕と同じ疑問を持ったようでカセに聞いてくれたよ。


「残留魂というのはのう。道具などに使用していた者の魂が染み付く現象であるぞ」

『くっ、俺が言おうと思っていたのによう! 横から入ってくるなよ!』


 カセに変わってフィーが説明を始めた。だけど、カセは面白くなかったようで文句を言っている。


「何か文句あるのかえ?」

『いえ、ありません』


 だけどフィーがカセを睨めつけると、震える声でカセが返事したよ。気のせいかカセから汗が迸ってる気がする。


「……カセも意外と情けないですの」

『う、うるせぇ! あんなのに睨まれたら命が幾つあっても足りないぜ』


 カセが狼狽している。だけど、命を気にしてたんだね……


「でも魂ってそんなに刻んで平気な物なの?」

「うむ。それはのう――」

『ケケッ、魂といっても多少残留魂として刻まれるぐらいならそこまで影響はないのさ。すぐに回復するからな』

「むっ――」

 

 今度はカセがフィーに先駆け説明し、若干フィーが不機嫌になった。


「しかし、残留魂が長年残ることは先ずないのだがな。だが見るに小娘壱号の生命魔法で残っていた残留魂が顕現したと見るべきであろう。カラドボルグを長年愛用し、思い入れが強かったからこそかも知れぬのう」

「うむ。確かにライは死ぬまでこの剣と共にあったものよ」


 フェルグスがカラドボルグを掲げ誇らしげに語る。なるほどね。それで剣を使い続けていたフェルグスが姿を見せたわけか。


「しかし、お主も美しい。見るとここには美しいおなごが多いではないか。まるで桃源郷であるな」


 そこまで語った後、フェルグスが腕を組みがっはっはと豪快に笑い出した。


「おいおい、それは女にしか目が行ってないだけだろう?」


 そこに待ったを掛けたのはライゴウだ。綺麗な女性が多いのも事実だけど屈強な男性もいるからね。


「うむ。我々男もしっかりいる。それにこの国の王は、ここにおられる我が主君であられるぞ!」


 アインが僕の横に並びフェルグスに向けて言い放つ。すると、ん? とフェルグスの目が僕に向けられた。


「主が王だと言うのか? 何とも頼りないのう」

「フェルグス、ホルスは私達を助け皆の暮らしが良くなるよう一生懸命考えてくれている王なんですよ」


 嗜めるようイシスが言った。僕を擁護してくれるのは嬉しいけど、頼りないと言われるのもわかる。僕はまだまだ未熟だ。


「……姫がそこまで言われるなら、素晴らしき王なのかも知れぬな。しかしライは姫の眷属。王だからといって命令をきくつもりはないぞ」

「むぅ、何と無礼な!」

「いや、いいんだアイン。王と言っても僕は皆に強制的に何かをさせようという気はないしね。でもイシスを守ってくれるなら安心だよ。頼りにしてる」

「ほう――自分のことはどうでもいいから姫を守ってくれと主は言うのか?」

「フェルグスはイシスの魔法で生まれたわけだし、それは当然だと思うしね」


 ふむ、と顎を引き、僕を見るフェルグスの眼光が強まったような、そんな気がした。


「……なるほどなるほど。ところで一つ聞くが主は戦えるのか?」

「え?」

「王は砂を扱わせれば右に出るものはおらぬぞ。この砂漠であれば最強の力を持っていると言っても過言ではなかろう」


 え? いやいや! 最強という意味ではフィーこそがそうだと思うんだけど!


「なるほど。それは面白い。ならば王よ、ライと一手手合わせ願おうか」


 そしてフェルグスが構え、雰囲気が変わった。えぇ、一体どうしてそんな話に?

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