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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第五章 砂漠と帝国の刺客編

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第188話 砂漠で仲間にも罰を与えよう

「は~いお注射のお時間でちゅよ~」

「待て待て待て待て待て待て待てぇええぇええええぇええ!」


 僕の目の前で、鎖でがんじがらめに縛られたロキと注射を持っていたケアの激しい攻防が繰り広げられていた。


 もっともロキは身動きできないから、この戦いは一方的な物で終わると思う。


「おい坊主! のんきに見てないで、いや待て。ケアと言ったな? い、いいおっぱいしてやがるぜ! ちょっともう少し前かがみになって」

「もっと濃いめのを射つですの!」

「準備しますね~」

「待て待て待て待て待て待てぇええぇえ! この際注射のことは置いておいて、頼む! せめてほんの少し前を開くだけでも! どうか! この通り!」

「鎖で縛られたまま土下座で頼み込みだしたよ!」

「こ、このドワーフにはプライドがないのかよ」


 全くもって驚きだよ。近くで見ていたライゴウも呆れて絶句してるよ!


「馬鹿野郎! プライドとおっぱい! どっちが大事だと思ってやがるんだ!」

「いや、プラ――」

「漢なら、おっぱいだろぉおぉおぉぉおぉぉおおお! むしろおっぱいこそが俺のプ・ラ・イ・ドだぁああぁああぁああ!」

「血の涙!?」


 土下座しながら血の涙を流して本当しょうもないことを叫んでるよ。


「クッそこまでとは、負けたぜ!」

「いや、ライゴウも何言ってるの?」


 ライゴウの後ろに立つアローネが白目を向けているよ。だけどそんなことは関係なしにロキが土下座して必死にケアに――


「お願いだ! あんたとルガールのおっぱいを!」

「いっぺん死んでみた方がいいですの。ケア猛毒を注射しますですの」

 

 モルジアが物騒なことを言い出したよ! いや明らかにロキが悪いのだけどね。


「えぇ~折角性欲を極限まで低下させる薬を作ったのに?」

「ふむ。それならそれで良いのでは。腕はありますし、流石に殺すのは」


 だけどケアは毒より新しく作った薬を試したいみたいだ。スイムもそれには同意らしい。

 

「待て待て待て待て! さっきから何物騒なことを言ってやがる! 坊主! いいのかこれで!」

「え~と……」

「ス~……」


 ロキが僕に止めるよう言ってきてる気がするけど、ごめん。流石に今回は擁護しきれないよ。ルガールは大切なお客様だったのだし。

 

 とは言え、流石に冗談だとは思うけど毒というのはね。


「あの、毒だけはやめてあげて欲しいかな。ロキも煩悩さえなければ腕は確かだから」

「そ、そうですよ。流石に毒はちょっと」


 僕がお願いするとイシスも追随して訴えた。やっぱりイシスも流石に毒まではやりすぎと思ったようだね。


「つまり性欲をなくす注射は問題ないということですの。お兄様の優しさに感謝するですの!」

「ちょ、待てよ! 注射はいらん! おっぱいをよこせ!」

「こりゃ駄目だ」


 話を聞いていたサーチも呆れ顔だよ。この状況でまだそれを望むのはある意味凄い。


「いっそ消し炭にしてみたらどうかのう?」

「いやいやフィー! だから殺すのは、本当に腕だけは確かだから!」

「待て待てだけってなんだ!」

「「「「「「「オイッスゥ……」」」」」」」

「キュ~イ……」

「ンゴ……」

「ス~……」


 あぁ、ロキの使役しているノームやサラマンダー、それにラクやスーまで残念な物を見る目に……


「とにかく、性欲をなくせば少しはまともになりますですの」

「ふざけるな! いいか? 俺がこれまで鍛冶師として頑張ってこれたのはおっぱいがあったからだ! 俺にとっておっぱいは希望! それをなくしたらどうなると思う?」

「まともになるのう」

「まともになりますね」

「少しはまともになるですの」

『ケケッ、ちったぁまともになるんじゃねぇか?』

「まともな愛が溢れるかしら」

「まともになるんじゃないかい?」

「皆の意見が一致してる!?」


 女性陣が揃ってまともになると判断したよ!  イシスでさえ真顔で答えてるし……いや、確かにそれ以外は一応仕事もしっかりこなしてくれるしね。


「くっ、これだけ一緒にいてまだ俺は理解されてないってのか!」

「むしろ何故理解されてると思ったのかが不思議よのう」


 フィーが冷たく言い放つ。とにかくロキは女性陣からの信頼がない。


「とにかく! もし俺から性欲を奪ったら間違いなく仕事に支障が出る! 絶対だ!」


 う~ん……ここまで格好の悪い宣言もそうないよね……


「私のことで迷惑を掛けたみたいで済まない……」

「ルガールさん! だ、大丈夫ですか?」


 ロキと皆でなんとも不毛なやり取りしているとルガールがペルシアの肩を借りてやってきた。


 さっきのこともあるから気になって声を掛けた。


「問題ない。確かにちょっと驚いたというかショックだったが」

「あんなことをされたのだから当然ですの!」


 伏し目がちに答えるルガールにモルジアが同情的な目を向け叫ぶ。


「いや、そういう意味ではない。あんな奴に何も出来なかった自分の不甲斐なさが……面目ない」


 だけど、どうやらルガールはロキの行為、にだって勿論気分を悪くしてると思うけどそれに対していつもみたいに反撃出来なかったことを気に病んでいたようだ。


「仕方ないにゃん。人狼は満月の夜限定で人になるにゃん。この時ばかりはルガールもか弱い女の子にゃん」


 ペルシアがルガールを励ましていた。僕も知らなかったけど、基本戦闘力の高い人狼も満月の夜になると人の姿になってしまうようだ。だから今日の戦いで前線行きは避けたんだろうね。


 戦いが長引いて夜になると今度は敵にとって格好の餌になりかねないから、それを気にしたということなのだろう。


「とにかくだ。その男は最低最悪の不埒でゲスなドワーフだが」

「何でそこまで言われにゃいかんのか」

「言われるようなことをしてるからですの!」

「ロキ、とにかく先ずは謝って!」

 

 僕も今回は強めに言わせてもらった。せめてそれぐらいはしてもらわないと。


「くっ……ま、まぁあれだ。確かに暴走したのは確かだ。だからこの通り!」


 おお! ロキが土下座したよ! しっかり謝る気に――


「この通り! さっきのことは謝るから、どうかその大きなおっぱ――」


 モルジアの魔法でハンマーが振り下ろされた。地面に大きくめり込んでいて、モルジアがパンパンッと汚らわしい物を払うように手を合わせたよ……


 もっと普通に謝罪してくれればいいのに……何故余計なことを。


「もういい。その男に謝ってもらっても仕方ない」

「な、何かすみません……」


 ルガールが諦めたように言う。王として僕から謝罪させてもらった。本当に申し訳ない。


「良いのだ。陛下は悪くはない。ただあの男を野放しにはできんだろう」

「うん。だからお注射で性欲をなくそうね♪」

「いやだあぁあぁああ! この俺のアイデンティティーを奪うなぁああぁあ!」

「いや、鍛冶師なら鍛冶仕事こそがアイデンティティーじゃないのか?」


 ライゴウの言うことに同感です……


「ふぅ、とは言えその男の言うように性欲が無くなって使い物にならなくなってもな……逆に迷惑を掛けてしまう」


 ルガールがため息交じりに言った。どうやら僕のことで気を遣わせちゃってるみたいだ。


「今回は全面的にロキが悪いので、ルガールさんが望むなら、僕も心を鬼にして!」

「いや、大丈夫だ。それに何もしないというわけではないのだ。ペルシア様」

「にゃん。任せるにゃん!」


 そしてペルシアがロキに近づいていくと、何故かロキが興奮しだした。


「おお! ペルシアちゃん。うん、俺としては勿論君でも構わんのだよ」

「黙れにゃん」


 蔑むような目を向けるペルシア。そしてリュックから金色の輪っかを取りだして、スポッとロキの頭に嵌めた。


「これでいいにゃん」

「ん? これは? 俺への贈り物か! フッ、参ったなこれだからモテる男は」

「この状況で良くモテると思ったものよのう」

「ふてぶてしいことこの上ないですの」


 キメ顔を見せるロキにフィーとモルジアが冷ややかな視線を送った。


「だが、俺は君のおっぱいの方が、あさあああ、痛ででででえぇええぇえええ締まる、頭が締まるjぅうううぅぅうぅううううう!」


 そしてロキがいつものようにペルシアに卑猥なセリフを吐き出した直後、頭を押さえて苦しみだした。えっと、これは一体?


「にゃん。やっぱり金剛圏の効果は絶大にゃん♪」


 そしてペルシアが笑顔で輪っかの名前を口にしたよ。う~ん、これって……

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