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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第五章 砂漠と帝国の刺客編

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第181話 スフィンクスのマネ?

 フィーを中心に巨大な竜巻が発生した。模倣剣マネルを手にしたコロケデースの魔法だった。

 

「どうかのう自分の魔法を喰らった気分は?」

 

 妙にくねくねとした動きでコロケデースが言った。模倣剣でフィーの能力を真似してから突如コロケデースはこんな言動に変わっていた。


 彼は形から入るタイプだった。故に模倣したフィーっぽく振る舞う。だが彼の真似の仕方は独特の物だ。


「んふふ、妾の魔法は完璧よのう。のうのう、そうよのう。のうのうのう妾はのう」

「お主……妾を馬鹿にしているのかえ?」


 竜巻が収まり、姿を見せたフィーの蟀谷がピクピクと波打った。小馬鹿にしたような相手の模倣に若干イラつているようでもあった。


「ほう? この竜巻でも傷一つないとは流石よのう。だが何を言われようとのう。妾は小娘フィー号と一緒よのう、のう、のう、のう、どうかえ? 自分の真似をされた気分はどうかえ、かえ、かえ? のう、のう、のう、かえ、かえ、かえ」


 しまいには奇妙な振り付けまで織り交ぜて自信ありげに語りだした。完全に悪乗りしている。


「よ~くわかった。お主、死にたいのであるな?」

 

 フィーが鋭い視線でコロケデースを睨みつけ問いかける。


「妾が? 馬鹿を、言うでない!」


 答えつつコロケデースが剣を振り上げると、フィーの立っている場所に火柱が発生した。スフィンクスの灼熱の魔法を再現したものだ。確かにその威力はフィーの魔法を彷彿とさせる。


「んふふふふ、どうかのう? 妾の魔法を妾が受けるのは!」

「わけのわからんことをいいよる」

「なっ!?」


 火柱が収まると同時にコロケデースが驚愕した。理由は明白だった。彼の目の前に突如これまで存在しなかった巨大な怪物が姿を見せたからだ。


「何を驚いておる? これこそが妾の本来の姿よ。人の姿は仮初の物。そしてこの状態の妾の力こそが本物の妾の力ぞ」


 そしてスフィンクスの姿となったフィーが軽く右手を振るうとその風圧だけでコロケデースが吹っ飛んでいく。


「ぐはっ!」


 砂の上をゴロゴロと転がりながらコロケデースが呻き声を上げた。軽く手を振っただけでこれである。その実力差は火を見るより明らかだ。


「さて。お前はこの妾の力も模倣出来るかのう?」


 狡猾な笑みを巨大な女の顔で浮かべるフィー。一方でコロケデースの顔は青ざめていた。確かにフィーを模倣はしたがそれは人型のフィーの物だ。この姿のスフィンクスではない。


 模倣剣は同じ相手に二度使用できるようには出来ていない。つまり人型のフィーを模倣した以上、スフィンクスとなった彼女を模倣するのは不可能だった。


 コロケデースはこの状況を打破する方法を必死に考える。そして思いついた。それが一筋の光明となり彼はフィーに語りかけた。


「妾は貴様に問題を出そうぞ!」

「……問題だと? この妾にかえ?」

「そうである。よもや断るとは言うまい? 妾は謎掛けが好きだからのう。勿論答えられなかったら負けを認めて貰うがのう」

「ふっ、面白い。ならば出して見るがよい。妾を真似た貴様がどのような問題を出すか見届けてやろうぞ」


 掛かったとコロケデースはほくそ笑んだ。この問題のくだりは別にフィーを真似たから出たものではない。もとから噂として砂漠の魔獣は謎掛けが好きだと聞いていた。


 故にコロケデースは心の中で勝ちを意識した。コロケデースはこうみえて謎掛けは得意な方だ。


「では出すぞえ。問題であるぞ。それは常に人に付いて回る。それはときに形を変え短くなったり長くなったり時には歪み、そして人をあざ笑うがごとくその者の行動を真似てみせる。だがそれを見ても人は全く気にもとめない。果たしてそれは何か? さぁ答えるがよい。答えられるものならのう」

「影」

「……へ?」


 自信満々に問題を出すコロケースだったが、しかしフィーはあっさりと答えてみせた。ぽかんとした顔を見せるコロケデースにフィーが答えを繰り返す。


「だから影であろう?」


 コロケデースの目が泳いだ。それは正解だと言っているようなものだった。


「全くしょうもないのう。その程度で妾に対抗しようとはのう」

「あ、く、くそ……」

「ふむ。いよいよ口調を真似る気も失せたか? ならばお返しに妾も問題を出すとしようぞ」

「も、もんだい……そうか! わかった答えてやろう!」


 騎士はすっかり口調も元に戻り笑顔を引きつらせながら返答した。この問題に答えなければ殺されると思っているのだろう。


「では問題であるぞ。そのものはとてもおろかであった。人を小馬鹿にする様に言動を真似、愚かにも物まねなどで妾を倒そうなどと考えた。その愚かな男は愚かにも知恵比べを妾に望むが敗れ、そして灼熱に包まれ消し炭と化した。さぁ、その愚かなる者は誰か答えよ」


 威圧するようにフィーが問いかけるとコロケデースの顔からみるみるうちに血の気が引いていった。


「あ、あ、そ、それは……」

「どうした? 答えるがよい。勿論答えたなら答え合わせのために妾も実行させて貰うがな。勿論答えなければ貴様を殺す。さぁ。答えよ10数える間にのう!」


 その後、コロケデースの剣のみがぽとりと落ちた。砂の上には影が染み付いたような人型が残った。だがフィーはそれを気にする様子も見せなかった。


 果たしてコロケデースは問題に答えたのか否か――もっともどちらにしても彼の命運は変わらなかったわけだが……

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