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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第五章 砂漠と帝国の刺客編

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第179話 メルの戦い

「スナネコは切っちゃ駄目だからね!」

「何の話だ何の!」


 メルもまた千鋭百鬼団の一鬼と戦いを繰り広げていた。ハニーアントは戦闘力は低いためひたすらアイアンアントの補給に回っているがメルは光魔法が使える。


 故に戦闘も可能だ。しかも今回魔法系のメルの盾役としてアイアンアントが動いてくれている。これによりメルも思う存分魔法に集中出来た。


「光魔法・光弓!」


 メルの手に光で出来た弓が生み出された。メルは帝国兵に向けて矢を射るが、その幾つかが突如跳ね返された。


「キャッ!」

「中々可愛らしい声で鳴くじゃないか」


 メルの前に姿を見せたのは魔剣を持つ騎士の一人だった。


「また妙な剣を持ってる~!」

「妙なではない。鏡魔剣カガミラだ。魔法を、特に光魔法であればより反射させることが可能なのだ」


 そう言って剣を振ると、鏡が出現し、メルの魔法がことごとく跳ね返されていった。


「アギィ!」

「あ、ごめんね!」

 

 跳ね返った魔法がアイアンアントに当たりそうになった。思わずメルも謝る。

 

 しかしメルにとっては厄介な相手でもあった。メルの得意な光魔法を反射する鏡を生み出すのだから。


「これで魔法は封じたも同然! 逆にこっちはやり放題だ!」


 鏡魔剣により光魔法が弾かれていく。更に他の騎士や兵士が戦闘に加わりそれぞれの騎士が扱う剣から炎が放たれたり風の刃が飛んできたりする。


 メルの魔法は鏡に反射され、相手の攻撃は容赦なく襲いかかる。一見すると絶望的な状況だったわけだが。


「アリ~!」

「アリリ~!」


 そこで行動に移したのはメルの仲間であるハニーアントたちだった。本来戦闘は得意ではないハニーアントだったが直近の主であるメルの危機にハニーアント達も動き出したのである。


 彼らのやったことは蜜の玉を作って投げるというものだった。この蜜自体には攻撃能力はない。


 だが、この蜜は鏡魔剣で作成された鏡を蟻蜜漬けとしていった。


「は、所詮は蟲だな。そんなことしてどうなるというのだ!」

「それは、どうかな! 光魔法・指閃!」


 メルの指から閃光が走った。その光は鏡に向けて一直線に突き進む。本来ならこれも鏡で反射される筈だった。


 しかし――光は鏡を突き破り魔剣を振るっていた騎士の一人に命中。騎士は倒れた。


「ば、馬鹿な! 何故反射され――ハッ! まさか蜜か!」

「そういうことだよ! 光魔法・光散弾!」


 更にメルの放った光の散弾が鏡を破壊し兵達に命中していく。既に鏡はその機能を発揮できなくなっていた。ハニーアントの蜜によって滑らかさが失われ反射する力が無くなったからである。


「光魔法・光裂線!」


 そしてメルが両手を前に突き出すことで光線が放たれ鏡魔剣を使っていた騎士を飲み込んだ。全ての鏡が一斉に割れる。使用者が消滅したからだ。


 そしてそこからはメルの魔法で帝国兵が次々と倒されていく。アインにしてもアイアンアントとの連携で千鋭百鬼団を寄せ付けない強さを発揮した。


 地下での戦いは既に決着がついたも同然であった――






◇◆◇


「うふふ、さぁ、私の毒蛇剣ヴァイパーからどれだけ逃げられるかしらね!」

「全くうざったいですの!」


 露出度の多い鎧を身にまとった男の騎士がモルジアと戦いを演じていた。


 彼は男だが口調は女性のようである。髪も長く唇には紅も塗られていた。


 彼の操る剣は構造自体が普通の剣と異なっている。蛇腹剣――細かい刃が組み合わさったような剣であり、伸縮自在で鞭のように扱うことが出来るのが特徴だ。


 しかもただの蛇腹剣ではなく魔剣だ。刃からは常に毒液が滲み出ており、掠り傷一つでも魔獣も軽く殺せると操る騎士が豪語していた。


 それが事実かはともかく、少なくともモルジアではほんの僅かでも傷を負えば死に至ることだろう。


『ケケッ、どうすんだ逃げっぱなしじゃ仕方ないぜ』


 カセが問うように言う。モルジアは空間魔法による転移で相手の攻撃を避け続けている。


 その合間もダンベルを落としたりで反撃したが、この騎士は身軽なこともあるのか、動きが速い。空間魔法で相手の動きを封じるという手もあるが、モルジアが認識した後の発動になるので動き回る相手だと中々捉えることが出来ない。


 まして相手の毒に気をつけなければいけず、どうしても意識がそっちにとられてしまうのだ――

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