表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第五章 砂漠と帝国の刺客編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

168/333

第166話 侵略者

「おい! わざと迷って時間を稼ごうなんて考えてないよな? だとしたらすぐにその虫けらを殺すぞ!」

「――ッ!? だ、大丈夫だよ。こっちだから……」

「あん? 何かおかしくねぇか? ふん。まぁいい。これ以上おかしな真似をしたら次こそ殺すからな!」


 シュデルに怒鳴られ、マインはそっと唇を噛んだ。図星だったからだ。しかし、そのような小細工が通用する相手ではなかった。


 仲間の様子を確認する。一人は石化したまま砂漠に置き去りにされてしまった。

 マインは今になって後悔していた。外へのあこがれが強く、一面砂ばかりの砂漠地帯と知ってもなお、兄のクリムゾンの忠告を無視しよく外を出歩いていた。


 その過程で出会ったのがホルスだった。マインにとっては初めて出会った同族以外の種族であり、恐ろしいと聞いていた人間だった。


 だが事実は違った。ホルスもその仲間たちも皆優しかったし何よりマインが危なかったところを人間が助けてくれた。


 ホルスのことは族長である兄も認めてくれていた。だからマインは思い込んでしまった。人間はそんなに怖い存在でないと。

 

 だがそうではなかった。たまたま出会ったホルスが心優しい人間であったというだけであり、当然人には邪悪な意思を持って動く人間もいる。


ホルスの兄を名乗るこのシュデルが良い例だった。兄弟だから話せばわかるなんて考えも甘かった。


 仲間を傷つけられマインは非常に動揺していた。マインは兄に溺愛され仲間からも可愛がられて育った。その上ホルス達も優しかった。だからこそマインはあまりに他者の悪意に鈍感だった。


 だからこそ初めて出会った悪意ある人間に対して耐性が出来ていない。考えもまとまらない。仲間を見捨てることも出来ないし、かと言ってこのままシュデル率いる帝国軍を仲間たちの暮らす地下集落に連れて行った結果どうなるかを考える余裕もなかった。そしていよいよマインの案内で帝国兵が集落にたどり着く。





「まさか、ゴムの木がガム以外で役立つなんてな」


 パピルサグの集落は今が書き入れ時であった。ロキが大量のゴムを要求したのが大きい。ロキは試作品の履帯という車輪に巻きつける物を完成させたが、耐久性を上げるためにミスリルと組み合わせた強化ゴムを造るつもりなようだった。


 これに成功すれば魔法耐性も備わった強靭な履帯が出来るという。そのために大量のゴムが必要ということでもある。


 砂糖も町で暮らす人々が増えてからは需要が高まっていた。


「そういえばマインの姿が見えないが、どうした?」

「護衛付きで出てますぞ」


 キョロキョロと最愛の妹の存在を確認するクリムゾンに側近であるレッドが答えた。年齢はクリムゾンよりはるかに上であり、先代の頃から長年族長に仕えてきた常識人でもある。


「そ、そうだったか。護衛付きなら大丈夫だと思うが……」


 マインの姿が見えないことで急に不安を口にする族長に嘆息するレッドである。


「心配なさらなくてもつけた護衛は手練の三人です。それよりも今は仕事を――」

「ハッ、ここが蠍連中の群がる巣穴かよ。全くジメッとして土臭いところだなここはよぉ」


 その時だった。パピルサグの集落に聞き慣れない声が広がりを見せる。足音も多い。この集落に普段くる人数を軽く超えていた。


「何だお前たちは――マイン!?」


 クリムゾンが振り返り、土足で集落に踏み込んできた人間たちに誰何するが、すぐにクリムゾンは兵達に捕まったマインに気が付き叫んだ。


「あぁ悪いけど、この虫けらの案内で勝手に入らせてもらったぜ」

「き、貴様! マインと仲間に一体何をした!」

「ギャァギャァ騒いでんじゃねぇぞ糞蟲が! いいか? よく聞け薄汚ねぇ蠍ども! 今からこの場所もお前らも、マグレフ帝国が第四皇子シュデル・マグレフ様のもんだ!」

「な、何?」


 族長が目を見開き、周囲のパピルサグ族からもどよめきが広がった。


「ふざけるな何を勝手な……」

「あん? 何だ逆らうのか? いいのかなぁ! ここにいるお前の大事な仲間を今すぐ処刑してもいいんだぜ?」

「そ、そんな話が違う!」


 シュデルの発言にマインが目を丸くさせて声を張り上げる。だが、そんなマインに冷たくシュデルが言い放つ。


「黙れや。何が違う! テメェが何でも言うことを聞くと言ったんだろうが。だから言ったよなぁ? お前ら全員俺様の奴隷だってなぁ?」

「そ、そんな……」

「えぇ、えぇ、確かにこのワズイルも聞きましたぞ」


 媚びを売るように揉み手を見せながら、ワズイルがシュデルの言葉を肯定した。


「ま、それでも逆らうって言うなら今からこいつらの首を一つずつ転がしていくだけどなぁ。どうすんだぁ? おい?」

「ひ、卑怯者が! 妹を放せ!」

「馬鹿が戦争に卑怯も糞もあるか! いいからテメェらは黙って言うことを聞けばいいんだよ! それとも真っ先にテメェの妹とやらを殺すか? あぁ?」 

「キャッ!」


 シュデルがマインの髪を掴み無理やり引き寄せ、剣をその首に当てた。クリムゾンがうめき声を上げる。


「さぁ、どうする! こっちはやろうと思えば今すぐテメェら全員皆殺しにするぐらいわけないんだ! とっとと服従するか死ぬか選べや! 糞虫が!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 途中名前間違えてますよ
[気になる点] 何か前座が長いですね
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ