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砂魔法で砂の王国を作ろう~砂漠に追放されたから頑張って祖国以上の国家を建ててみた~  作者: 空地 大乃
第五章 砂漠と帝国の刺客編

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第155話 外務卿

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます。

これからも感想やレビューをどしどしお待ちしてます!

「――というわけでにゃ~バラムドーラの王には話をしておいたにゃ~これで少なくとも話は聞いてくれるはずにゃ~」


 一通り説明した後、アリババは紅茶を啜り、一緒に用意してくれたケーキも頂いた。こういったケーキなどは大陸ではエルドラから発祥したスイーツでもある。


「これも美味しいにゃ~」

「その手で器用に食べるものですね」


 秘書がフォークを使ってケーキを食べるアリババを見ながら感心した。ケットシーは手も猫と一緒でありぷにぷにした肉球もしっかり備わっている。


 普通の猫ならこの手で器用に物を掴んだりは出来ないがケットシーであればまた別だ。ケットシーの手は普通の猫より更に柔軟でありそのため物を掴む上での不便はない。


「ふふ、見ててとっても愛らしいわ」

「にゃ~美人な女性にそう言われると悪い気はしないにゃ~」

「ケットシーでも人の顔で美人など判断するのですか?」

「なかなか細かい秘書にゃ~」

「す、すみません」

「別に怒っているわけじゃないにゃ~」


 秘書がしまったと顔を強張らせる。だがアリババは気にしているわけではなさそうだ。


「人も猫を見て可愛いや綺麗と思うことがある筈にゃ~感覚的に似たようなものにゃ~」

「なるほど。そう言われてみれば確かにわかる気がします」

「うふふ、それだと私が愛玩用みたいに思えちゃうわね」

「あ、愛玩……」

 

 途端に秘書の顔が赤くなった。


「話を戻しますが、バラムドーラのホルス王に口利きして頂きありがとうございます」

「施されたら施し返す性格にゃ~猫の恩返しといったところにゃ~」


 アリババは以前、議会でロベリアに助け舟を出してもらっていた。それもあったので借りを返すという意味合いもあって動いた。


 もっともホルスがどうしても嫌だと固辞した場合は諦める他なかった。また、トヌーラ商会がヨクゴウの時代と何ら変わってなければこんな真似はしなかっただろう。もっともその場合は議会でロベリアの手助けもなかったであろうが。


「それに今回はとりあえず実害は無いと踏んだにゃ~ただ、今回は結果的に上手く行っているようだから、それについては詮索はしないつもりだけどにゃ~だけど、バラムドーラ王国は僕のお得意さんになる予定の大事な相手にゃ~弊害になると判断したら――僕も容赦しないにゃ」


 最後の語尾は間延びせず鋭いナイフのように放たれた。その時ばかりは目つきも野獣のそれであった。


「ふふ、ご忠告に感謝いたします。ただ、勘違いしないで頂きたいのはあの王は私にとってもお得意様になる可能性があるということです。それなのに自ら潰すような真似は」

「潰れないことが大前提なようにも思えるにゃ~」

「フフ、まさか」

「そうでないことを祈るにゃ~」


 アリババの目つきも元の接しやすい物に変わり、互いにニコッと微笑み話しているが、秘書から見れば二人が牽制しあっているようにしか思えないようだ。


「ま、結果的にバラムドーラの住民の数は増えたにゃ~」

「そうですか。そういえば最近帝国と揉めてるようですし、心配ですね」

「今ここでその話に触れるとは大した玉だにゃ~」


 そして一通り話した後、アリババからも一つ頼むように語る。


「まぁ建築に関しては宜しく頼むにゃ~」

「はい。そういえば……本日はルガールという人狼の付き人が一緒ではないのですね」

「今は別件で離れてもらってるにゃ~」

「おやおや珍しいですね」

「にゃ~とにかくこれで用件は済んだにゃ~。ハーブティーは気に入ったから買っていくにゃ~」

「ありがとうございます。うちの秘書に用意させますので。よろしくね」

「はい。すぐに」


 すぐに秘書が下手を出ていった。品物を準備しに向かったようだ。


「そうだ。ちょうどよかったわ。アリババ商会で扱っている魔導昇降機を頼めるかしら?」

「構わないにゃ~見積もりは後で送らせるにゃ~でもそれだと魔法使いはどうするにゃ~?」

 

 アリババは何となく聞いた形だ。当然魔導昇降機が備わったらあの魔法使いは必要なくなる。


「元々冒険者ギルドで期間を決めての契約でしたから。設置のタイミングで期間は終わるだろうから丁度いいの」

「それは合理的にゃ~」

 

 そんな雑談をした後、アリババはお暇することにした。ロベリアも見送りに今度は下まで一緒に下りてくれた。


 そして扉が開き、受付まで向かったところに身覚えのある男と遭遇した。


「おやおや、これはまた珍しい組み合わせだ」


 そこに立っていた老齢の男は、以前議会でアリババの提案に反対の意を示していたアプステア議員であった。


「商会長。今丁度お伺いに行こうと思っていたところで」

「そう。ありがとう」


 ハッとした顔で受付嬢が伝えてくる。ロベリアは一言お礼を述べた後、視線をアプステアに向けた。


「これはこれはアプステア外務卿。このようなところまでわざわざお越しいただきありがとうございます。ただ、約束はなかったかと思いますが」


 一揖しニコリと微笑みながらもロベリアの目は笑っていなかった。もっともそれはアプステアにしても一緒か。


 外務卿――アプステアは議員であると同時に外務省の長官でもある。


「ははは、君と私の仲ではないか。この程度の手間大したことではないさ」

「まぁ、うふふ」

 

 アプステアの返しに一瞬ロベリアの眉がピクリと反応した。直後外面だけの笑顔をみせてはいるが、内心ではそこまでの仲ではないと否定しているようでもある。


「しかし、丁度よかったようだな。アリババ卿はお帰りなようであるし」

「……確かに今帰るところだったにゃ~」

「そうかそうか。あぁそうだついでにもう一つ。ついさっき魔法火薬を輸出制限することが決まった。君のところでも扱っていたな? だったら気をつけることだな」


 片眼鏡越しに見えた猫の目が光った。


「議会では特に何も出てなかった話にゃ~」

「可及的速やかに可決する必要があったからな。今回は私が各省の長官に話をつけ超法規的措置として処理した」

「私も初耳ですわ。一体何故そのような制限を?」


 ロベリアの様子をチラリと確認するアリババだが、確かにロベリアは知らなかったような反応を見せている。


「現在、マグレフ帝国と砂漠に出来た……そうだな、仮として国のような物としておこう。そこと緊張状態にある。このような状況で中立国を謳っている我が国がどちらかに加担した、などと疑われるような真似は国としての品位を貶め余計な軋轢も生みかねない。最悪な事態を避けるためにも今回の制限は必要なことだ。故に魔法火薬だけではなく武器に使えそうな物資は勿論魔導具も禁止品目に加えてある。もっとも我が国のしかも議員の誰かがそのようなどこかの、ましてやまだ国とも言えぬような小国に加担して武器などを輸出するとは思えないが、商人の中にはそういった恥知らずな真似を平気でする物もいるからな」


 もっともらしいことを言っているがエルドラド共和国は商業で成り立っている国である。しかもその範囲は自国だけではなく他国にも及ぶ。


 故にこれまでもどこの国であっても商いに繋がるとあれば赴きあくまで法に則る形ではあるが、どんなものでも売り買いしていた。


 当然魔法火薬にしても武器や魔導具に関してもこれまで一度たりとも禁止された前例はない。


 しかしそれが急遽、超法規的措置などという原則を無視したやり方で輸出制限が決まった。


 アプステアが親帝国派であることを考えれば、一体どこに忖度したのかなど利くまでもなかった――

まだ評価してなかったな~という方でそろそろ評価してもいいかもと少しでも思って頂けたならこの下の★で評価して頂けると嬉しく思います!

ブックマークがまだだったな~という方がいましたらこの機会に是非!

それではここまでお読み頂きありがとうございます!これからも更新頑張ります!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あそこなら探せば火薬の材料も集められそうな気がするんですが…
[一言] もし帝国との戦いでその時限定の新技を使うなら、技の名前「アプステアパンチ」にしません?
[一言] 一つだけ言うことがあるとすれば、アプステアは酷い目にあえばいいのに具体的に全身生きたまま砂金に変換される呪いレベルのエグいやつ。
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