第150話 砂漠の国を悪く言う帝国
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どうやらアリババは僕とモルジアが元々はマグレフ帝国の皇族だと気がついていたようだね。
もっとも、名前を変えていたわけでもないし気がついていないわけがないか。ペルシアだって帝国に攻め込まれた関係でもう知っていたことだし。
「別に隠すつもりもなかったのですが」
「別に構わないにゃ~むしろ聞かれてもいないことを自分からべらべら喋るもんではないにゃ~僕相手でも一緒にゃ~必要なことだけ語ればいいにゃ~それに言いたくないときは言わなくてもいいし時には騙すことも覚えるといいにゃ~」
騙す、か。僕の苦手なことだ。
「お兄たま。帝国の言っていることはデタラメもいいところにゃ~うちもその場にいたにゃん! 保証するにゃん!」
「わかっているにゃ~そもそも帝国が吹聴しているのは自分たちに都合のいいことばかりにゃ~」
「一体どのようなことを言われてるのですか?」
表情を曇らせスイムが問いかける。ギルドマスターとして気になるのかな。スイムは責任感が強い。
「掻い摘んで言うならにゃ~バラムドーラ側が人質解放の交渉に向かった兵を逆に人質に取り、更に約束を違えて帝国側の兵を何人も惨殺したというものにゃ~帝国側は、勝手気ままな振る舞いとその横暴ぶりから国の為にならないとして正当な理由で追放した元皇子であるホルスが逆恨みからこのような暴挙に出たと宣っているにゃ~」
「でたらめすぎてどこから指摘していいのかわからなくなるですの」
モルジアが眉を顰めた。当惑の色がその表情にありありと滲み出ている。
「面倒なやつらよのう。王よ命じてくれれば今すぐにでも帝国を焦土に変えて見せようぞ」
「フィー物騒すぎ!」
「それも愛、ではないかしら」
獰猛な顔を覗かせるフィー。元が神獣だから怒らすと怖い……ただ帝国全体を焦土は流石に無理があるかなと思うし、悪いのはごく一部の人間だからね……
「その美貌で強さを兼ね添えしかもあのおっぱい! 最高だ!」
「ス~……」
「オイッス……」
「キュ~イ……」
あ、うん。ロキはぶれないね。肩のスーでさえ呆れ顔だ。彼の周りにいる精霊なんて申し訳無さそうにしている。
「とにかくフィー。その焦土はなしで」
「やれやれ仕方ないのう」
「ふむ、しかしそこまでの力を持っているのかにゃ~?」
「フィーは凄いにゃん! やってきた帝国兵も一瞬にして燃やし尽くしたにゃん!」
「……なるほどにゃ~どうやら真相としては帝国側が一方的に敗北したのが正解といったところかにゃ~」
「そこまでわかるのですか?」
「むしろそう考えた方が、これだけの住民が増えた理由もわかるにゃ~帝国の兵が捕虜となり、この地で過ごす内に王国側に移民することに決めたといったところかにゃ~」
凄い、全くもってそのとおりだ。
「当然帝国側もそんなことをまともに発表できるわけないにゃ~面子も潰れたと思っている可能性が高いにゃ~」
「全く。むしろ逆恨みは向こう側の方ですな」
嘆息混じりにスイムが言った。皆も呆れ顔だ。
「にゃ~ただ面倒なことは確かにゃ~帝国側の発表もあって元老院の議員がバラムドーラを国家として認めることに反対しているにゃ~」
「どうしてにゃん! どう考えても帝国の言っていることがおかしいにゃん!」
「その通りにゃん。議員連中も帝国の言っていることをうのみにするわけではないにゃ~ただその方が都合がいい議員もいるにゃ~その最たるものが親帝国派と呼ばれる議員にゃ~連中はまるで水を得た魚のように振る舞い始めているにゃ~それにはっきりとした帝国派ではなくても下手に介入して帝国の不興を買うのは避けたいと及び腰になっている議員もそれなりにいるにゃ~」
つまりマグレフ帝国とは揉めたくないという人がそれなりに多いってことなんだね。帝国と揉めたくないのに敵対関係にあると帝国が吹聴しているこの場所を国として認めたら当然帝国側は面白くない。
「こちらも色々と動いているけどにゃ~少し時間を頂くかも知れないにゃ~」
「それは勿論色々動いて貰っているだけでありがたいことですので」
「ありがとうにゃ~ただ……こうなった以上、近い内に帝国側が攻め込んでくるのは間違いないと思うにゃ~噂では帝国の第四皇子が準備を進めているとも聞こえてきているにゃ~」
「え? ジュデルが?」
「また嫌なやつが出てきたですの」
モルジアが不快そうに顔を顰める。ジュデルにはよく魔法で造った砂の城を踏み潰されたな。それ以外にも色々と嫌がらせを受けたし。
『ケケッ、連中も懲りないな』
「全くよのう。ま、やってきても返り討ちにっしてくれるだけだがのう」
「しかし、そうなると大砲の材料が欲しいとこだな。本体は問題ないが、砲弾を飛ばすのに魔法の火薬があると助かるぜ」
「にゃ~それなら魔法火薬を追加しておくかにゃ~? 急がせるにゃ~」
「魔法火薬……いえ、お願いします」
何かその名前を聞くといよいよ帝国との戦いも避けられないんだろうなと、嫌な気持ちにはなるけど、僕には王として皆を護る責任がある。
「さて話も纏まったから僕はそろそろ失礼するにゃ~依頼された商品の準備も急ぐにゃ~」
「何から何までありがとうございます」
アリババが辞去を示したから僕も改めてお礼を言った。するとアリババがチラリとルガールを見て、ふむ、とヒゲをピンっと指で弾いた。
「ペルシアは暫くここに残すつもりにゃ~だけど、ペルシアだけじゃ不安もあるにゃ~」
「にゃん! うちはしっかりやるにゃん。心配ご無用にゃん!」
「頼もしい発言だけどにゃ~兄としてやはり心配はあるにゃ~」
あれ? 今ちらっとロキを見た?
「だからルガールも一緒に残って上げるにゃ~」
「え? 私がですか? しかしご主人様の護衛が」
「僕は何とかなるにゃ~それにルガールの力は何かあった時に、とても頼りになると思うにゃ~だからお願い出来るかにゃ~?」
「……承知いたしました。では暫くの間、ここでお世話になれたらと思いますが宜しいでしょうか?」
「勿論! 歓迎するよ」
「よし、とりあえず歓迎の為に人化の薬を飲むんだ!」
「そのドワーフは陛下の許す範囲でやってしまっていいにゃ~」
「委細承知!」
「ちょ、待て! 何故爪を、いた! 切れてる! 本当に切れてるぞおい!」
というわけで暫くルガールも僕の国で過ごすことになったんだ。でも、帝国か……
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