第146話 砂漠のロキの作業
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「すみません。今ここには工房も炉もないんです」
「ふん。まぁそんなとこだとは思ったがな。見たところ冒険者ギルド以外に建物はないし、この城にも工房なんてありそうになかったからな」
鼻を鳴らしロキが語る。どうやらロキにも予想はできていたようだ。
「でも、それこそあんたドワーフなんだから自分でなんとかなるんじゃないのかい?」
「ふん。当然だ、と言いたいとこだが、今の段階なら作れるのは基本的な反射炉ってとこか……お前、砂で色々と作れるんだろう?」
「は、はい! 大丈夫です!」
「よし。なら構造は俺が教えるから砂で工房と反射炉をつくってくれ。ただしそれだとミスリルの加工が難しいんだよな。魔石をつかった魔導反射炉があると一番いいんだが」
ロキが頭を悩ませる。魔導反射炉……そんなのがあるのか。色々と知らないことばかりだ。
「にゃん。それならアリババ商会に任せるにゃん! 魔石は各種取り揃えているにゃん!」
ロキの課題はどうやらペルシアのおかげで解決しそうだ。そう言えばアリババ商会は特に魔導具関係に強いんだったね。
「困ったときのアリババ商会ですの」
「魔導具のことなら特に任せるにゃん」
「そりゃいいな。ならどうせなら上下水道設備も整えちまおうぜ。嬢ちゃんこんなのは」
「それならこれも――」
な、なにかロキを中心にして色々話が始まってしまったよ。確かにあったら便利かなと思うけど。
「ざっと見積もりで、エルドラド相場で金貨五千万枚ってところにゃん。毎度ありがとうございますにゃん♪」
「金貨五千万枚!?」
話が纏まったようだけど、何かとんでもない金額になったきがするよ!
「ここには金貨はないであろう」
「にゃん。だからその分は砂金や宝石の砂で代金とさせて貰うにゃん。大丈夫にゃんここの採れる量で言えばそれでも全然余裕があるにゃん」
「寧ろこれだけ揃えて五千万枚なら安いんじゃないか? なぁ」
ロキが僕の肩に腕を回してきて親指をグッと立てた。う~ん必要経費ってことかなぁ。
「でも、このスライムマットやセイヨクイカローションは何に使うにゃん?」
「おま! そういうことはべらべら喋るもんじゃないぞ!」
ロキが抗議した。だけどペルシアは思ったことを口にしちゃうタイプだからね。そして今の発言で更に女性陣の目が冷たくなった。
「却下でお願いしますの!」
「当然であるな」
「ホルス。やっぱりしっかりチェックした方がいいよ」
「ンゴンゴ!」
「そういう形も愛なのかしら?」
「ス~……」
ロキがしまった~! という顔を見せていた。その二つが何に使うのかはわからないけど、本当に必要かどうかは精査した方が良さそうだからチャガマとも協力してもらうことになったよ。
さて、こうしてある程度必要な物もわかってきた。ペルシアの話だとそろそろアリババ商会長がやってくるみたいだし、その時に纏めて注文することになると思う。
「頼んだものが揃うまでのんびり待ってるわけにもいかないからな。今のうちに出来ることから手をつけていくとするぜ」
その日から早速ロキが精力的に動いてくれた。魔導反射炉は後回しにしてもベースとなる形をつくっておくのは悪くないということで、僕の砂魔法で反射炉を作成することになった。
「石英もあるからな。砂との混合で奥に燃焼室と炉床、それと煙突の作成だ、いいか、こうやってだ」
ロキは砂に図を描いて詳しく説明してくれた。なるほど熱を反射して炉床の熱を上げるんだ。
「石英はそのまま燃料にも使える。木炭よりさらに効率は上がるぞ。よし、早速造るか」
そして僕はロキに指導されて魔法で構築していくんだけど。
「駄目だ! ここが甘い。それと砂の配合が違うぞ。もっと細かく――」
いざ、指導となるとロキは凄く細かかった。そして厳しい。このあたりは職人気質を感じる。
「お兄様をあまり虐めないで欲しいですの」
「虐めてねえよ。指導だ指導。てか、お前らはこいつに甘すぎだ。言うべきところはしっかり言わないと駄目なんだよ」
「は、はい! モルジア。僕は大丈夫だから」
「ふむ、王たるもの他者の意見をしっかり聞き入れる度量も必要不可欠であるからのう」
そして僕はロキに指導されながら、やっと反射炉を造ることが出来た。
「よし、まぁまぁの出来だな」
「よ、良かった……」
「ま、材料が揃ったら正式なのは別に造るけどな」
それでも、何か達成感があるよ。
「よし、なら先ずは簡単なとこからやってくか」
「オイッス~!」
「キューイ!」
そしてロキは鉄製の鍋とか生活に役立つものを精霊と協力して作り、同時進行で粘土から煉瓦を造ってくれた。
これを積み上げて簡易な家を造っていった。魔法じゃなくて物理的に作られた家だ。
これには皆も喜んでくれたよ。
「まだまだ改良は必要だから仮住居んみたいなもんだ。やっぱりちゃんとした手は欲しいとこだな」
だけど、ロキからしたらまだまだ課題も多いようだね。
アリババ商会が来たら本格的に相談しないと。
「あっと、忘れてた。これも遂に出来たぜ!」
そしてロキは皆に披露するために車輪をつけたそれを持ってきた。
「どうだ! この国で作成した大砲一号だ!」
「おお! かっこいいじゃねぇか!」
「そうだろうそうだろう。ガッハッハ! まぁまだまだ試作品だがな。砲弾も人間もこれだけじゃとばねぇからな」
あ、やっぱり人間を飛ばす前提なんだね……とまぁ色々と環境が移り変わって行く中、サーチからアリババ商会がやってきたという連絡が入ったんだ――
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