第139話 砂漠に降ってきたドワーフ
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『親方! 空からドワーフが!』
「急にどうしましたの?」
『ケケッ、何か急に叫びたくなった』
カセの叫びにモルジアが不思議がっている中、僕は僕で初めて見るドワーフにちょっぴりドキドキしていた。
もっとも砂漠でこれまで会ってきた種族は大体初めて会う種族ばっかりだったのだけど。
でも、噂では知っていたけど、本当に背が小さくてずんぐりむっくりとした体型なんだね。
それでいて筋肉量が凄い。肩なんて今にも弾け飛びそうだ。そして白いモサッとしたヒゲが口を覆うように生えている。
まさにイメージ通りのドワーフって感じだね。
「うん? おお! 砂漠だ! さてはこれが噂の死の砂漠か。ということは無事国を出れたんだな!」
そしてドワーフが周囲の状況を確認し、嬉しそうに声を張り上げた。そのうちに僕たちに顔を向け、ん? と疑問混じりの言葉を漏らす。
「誰だお前たちは?」
「どうみてもそれはこちらのセリフであろう。何じゃお前は?」
「何!」
フィーが怪訝そうな目でドワーフを見た。即座にドワーフが反応し声を上げたフィーをじっと見つめる。
表情が険しいように思える。僕が知っている情報だとドワーフは酒と鍛冶が何より大好きでそれ以外に興味がなく、それでいてとても頑固で偏屈らしい。
他者とのコミュニケーションもあまり取ることはなく黙々と炉の前でハンマーを振り続ける職人気質な種族。それがドワーフなんだとか。
フィーも偏屈とはいわないけど元が神獣だけあってとても気高く、僕のことは慕ってくれているけど全体的に見ると性格がキツい。
よ、よく考えたらドワーフとの相性はかなり悪いのかもしれない。初見から喧嘩にならないといいんだけど……
「うほおぉおぉおぉお! なんと美人な女だぁああぁあああ!」
だけど、直後のドワーフの反応に僕はずっこけそうになった。
「う~んエロい! 実にエロい! 褐色の肌にその大きなおっぱい! くぅ~やっぱりおっぱいは最高だぜ!」
僕の中でドワーフのイメージががらがらと音を立てて崩れていった。
モルジアとイシスの目もひどく冷たい。
「……本当に何なのだお前は?」
フィーの視線も蔑むような物に変わっていたよ! だけどドワーフは急にパンパンッと衣服の埃を払い落としてキメ顔で笑顔まで見せた。ドワーフって笑うんだ……
「おっと、これはしつれい美しいお嬢様。私は北のドワーフのロキだ。君の名は?」
「…………」
フィーが僕を見た。眉を顰めてとても困っている様子だ。とりあえず名前を答えていいかどうかというところなのかもしれない。
仕方ないので僕から答えることにした。
「えっと、彼女はフィーです」
「何だ貴様は。俺はこのおっぱいの大きな絶世の美女と話しているのだ。そもそも男はいらん! 消えてなくなれ!」
「えぇ~……」
今目の前にすごくガッカリなドワーフがいます。
「妾の王に向かって随分な言い草だのう」
「何! 王だと! このちんちくりんがか!」
「失礼ですの! お兄様に向かっていきなりなんですの! 大体貴方には言われたくないですの!」
モルジアがドワーフに抗議した。僕が比較的小柄なのは間違いではないんだけどね……自分で言ってて虚しくなってきたけど。
「むぅ……はぁ。これが格差というものか」
「どこを見て言ってるですの!」
ドワーフのロキがモルジアの胸を見てため息を吐いた。モルジアが怒る気持ちもわかるよ。
「あ、あの、とりあえず北のドワーフであるロキさんが何故砂漠にいるのですか?」
とにかく、このままじゃ埒が明かないと思ったのか、イシスがロキに誰もが気になったことを丁重に聞いてくれた。
「むっ! 嬢ちゃんも実にいい物をもっておる。これは将来が楽しみだな。実に期待できるぞ! この俺が保証しよう!」
「は、はぁ……」
一体何を保証するというのだろう。イシスも戸惑っているし。
「お主、さっきから胸のことばかりであるのう」
呆れたような目でフィーが言った。僕もそれは思ったけど聞きづらいから敢えて触れなかったんだよね。その点フィーは流石だ。
「それは当然だ! ドワーフと言えば酒に鍛冶におっぱいが大好きな種族だからな!」
「何それ初耳だよ! いや、酒と鍛冶はしっていたけど最後の何!?」
「何だ貴様はまだいたのか」
「だって私達の王様だもん」
「ガウガウ」
プリティが話に加わってきた。オルトがコクコクと頷いている。
「ふむ、嬢ちゃんはまだ小さいからこれからかのう」
顎髭を擦りながらプリティを見てそんなことを言い出した。プリティは小首をかしげているけど、とりあえずこのドワーフは子どもの教育に悪い気がする。
「世の中胸だけが全てじゃありませんですの!」
「おっぱいが全てに決まってるだろうがぁあああああぁああ!」
「な!?」
凄い形相で断言したよこのドワーフ! モルジアも絶句だよ!
「いいかよく聞くがいい。我らドワーフにも当然女はいる」
「まぁ、そうであろうな」
「だがな! ドワーフの女は何故かそろいもそろってちんちくりんで幼女体型な女ばかりなのだ! そこからまるで成長せんのだ! だからドワーフの女はそろいもそろってツルッとしてペタッとした女ばかり! 全くもって嘆かわしい!」
「えっと、でもドワーフ同士の恋愛もあるのではないのですか?」
僕は問う。素朴な疑問だ。勿論他種族同士の恋愛もあるだろうけど、多くの種族は基本同種族同士で結ばれることが多いからね。
「ふん。勿論そういう奴らもいるさ。だが俺は違いのわかるドワーフだからな。ロリとは違うのだよロリとは」
何言ってるのこのドワーフ!
「本当ドワーフの女はそろいもそろってツルッとしてペタッとしたのばかりだからな。ほれ、その女みたいなツルペタばかりなのだ。全くもって嘆かわしい」
あ、モルジアの肩がプルプルと震えて顔も真っ赤だ。
「あの、ロキさん。もうそのへんで」
「空間魔法……」
「うん? 何だ。あぁツルペタと言ったことか? しかし本当のこ――」
「空間の大鎚ぃいぃぃぃいぃぃぃいい!」
「ぐぼおぉぉおぉおぉおおぉおおおお!」
モルジアの魔法がロキに炸裂した。空間の大鎚――固定した空間を鎚を振るようにして頭上から叩きつけるという実にストレートな魔法だ。
でも破壊力は確かだったね! ロキが砂の中に埋まっちゃったしね!
でも、どうしようこの残念ドワーフ……
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