第138話 砂漠で家畜化しよう!
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野菜が飛んだり跳ねるようになって収穫も随分と楽になった。他にも試してみたけどあの石灰砂と生命魔法を組み合わせると動くようになるようだった。
とにかくこれで畑の拡張も済み、作物の心配は大分減ったのだけど、ファムが折角だからと案を出してくれた。
「食肉も~ある程度家畜化して育てるといいと思うんだ~」
それがファムの考えだった。一応死の砂漠と呼ばれるような場所だけに、その多くは家畜化が厳しいのだけどサハラバッファロー、デザートボアなど一部の魔物は家畜化が可能かもしれないというのがファムの意見だった。
畑で取れる作物には余裕が出来ているから餌にはそれが使えるし、確かにいけるかなとは思う。
というわけで今回は家畜用の獲物を捕獲しに砂漠を探索することにした。
「お兄様! デザートボアがいましたの」
「うん。そうだね」
「愛よね愛!」
「オルト、捕まえるだけだからね」
「ガウ!」
「ふむ、妾の出番はなさそうかのう」
今は僕以外はイシス、モルジア、プリティ、フィーの四人だ。何か女の子ばかりになっちゃった。いやオルトは雄だから女の子ばかりじゃないね!
「カセ、力を貸すですの」
『ケケッ、最近は気軽だなおい』
モルジアは前にカセの力を借りてから、ある程度自由にカセの魔力が扱えるよう練習を繰り返していたようだ。妹は魔法に関してかなり真面目だからね。
勿論僕もいざという時を考えて砂魔法の練習は欠かしてないけどね。
「空間魔法・空間結界!」
「フゴッ!?」
モルジアの魔法にすぐにデザートボアが反応した。デザートボアはその場で足踏みしながら頭を左右に振って狼狽している。
空間結界はカセの力で自由に使いこなせるようになった魔法だ。空間固定という魔法を前に使っていたけどあれは空間を固定して壁にしたり相手の手足を封じ込めたりといった魔法だった。
一方空間結界は相手の周りの空間を隔離して空間の中に閉じ込めるとかそんな話らしい。
「ブモォオォオォオオ!」
今度はデザートボアの何匹かがこっちに向けて突っ込んできた。僕も迎え撃とうと思ったけど、モルジアが前に出て言った。
「お兄様、ここは任せて欲しいですの! 空間固定!」
モルジアの魔法で空間が固定され壁になった。それに突っ込んだデザートボアがひっくり返って目を回す。
それを遠巻きに見ていたデザートボアが逃走を開始。だけどオルトが回り込んで雄叫びを上げると観念したように大人しくなった。
「砂魔法・鉄砂縛」
僕の魔法でデザートボアを捕らえる。これで捕まえることが出来たね。
「砂魔法・魔銀砂人形!」
そしてモルジアに魔銀の砂を出してもらってゴーレムを生み出した。
「このデザートボアを運んで貰える?」
「「「「「ゴッ!」」」」」
ミスリルのゴーレムは快く引き受けてくれた。僕の魔法で生まれたから当然といえば当然だけどね。
ミスリルゴーレムならここからオアシスまでの途中でやられることはないから安心でもある。
さて、引き続き家畜用の獲物を捕まえていく。サハラバッファローとミルキーヌーも見つけたね。
サハラバッファローは牛肉としてミルキーヌーの雌は乳牛としての価値が高い。ちなみにミルキーヌーも牛みたいな魔物だけど足が長いのが特徴だったりする。
狩りは順調に思えたけど、そんな僕たちの前に新たな相手が姿を見せた。
『ケケッ、魔獣ハンマージラフだな』
「知ってますのカセ?」
『当然。俺は詳しいんだ。鑑定が使えるようになったガキやすぐに解説始めるスイムっておっさんには負けないぜ』
スイムをおっさん扱いしたら気の毒な気もしないでもないかな。でも、あれ? カセそういうところ気にしてたの?
『あの魔獣はだ』
「首が長くて頭がハンマーのような魔獣だね」
「うむ。あの頭を振り回して攻撃してくるのだ。魔力で強化されているから十分に気をつけると良いであろう」
『おい! 俺が説明しようと思ったのに!』
「それも愛! そしてマスターを護るのも愛かしら!」
アイが魔法を行使。すると魔獣の足元が爆発した。
「この状態だとパワーが足りなかったかしら」
だけどハンマージラフはまだまだ元気だった。アイはやっぱり元のモアイの姿のほうが戦闘力は上がるみたいだね。
「いくよオルト!」
「ガウ!」
今度はオルトが向かっていく。だけど相手は長い首を活かして素早く頭を振り回してオルトを寄せ付けない。
「私の出番のようですの」
今度はモルジアが前に出た。
「空間魔法・空間投擲!」
「グボオォオォオォォオォオオオ!」
今の魔法は固定した空間を相手に向けて投げつけるという実にストレートな魔法だ。
魔法を受けてハンマージラフが蹌踉めいたけど、まだ動けそうだ。結構タフだね。
なら今度は僕が――そう思った時だった。
――ズゴォォォオォオォォォオォオォオオオン!
突如空から何かが魔獣の上に降ってきた。え? 何これ? えっとおかげでハンマージラフは倒れて完全に気を失ったようだけど……
「あいたたたた。ふぅ、やれやれ、人間大砲、いやドワーフ大砲か。あれは着地に問題があるな。まだまだ改良が必要だ」
「へ? えっと?」
そう。突如降って現れたのは小柄なおじさんといった見た目の人物だったんだけど、て、今ドワーフって言った?
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