第129話 砂漠の新たな発見
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捕虜となった兵がうちで働き始めてから結構な日が経った。あれから帝国からの動きはない。
もっともそもそもワズイルが戻ることが出来たのかという話でもあるけどね。
ちなみにあれから捕虜の数が少し増えた。以前戦線から逃げた兵が見つかったからだ。なんだかんだで帝国絡みの捕虜は七百人ぐらいになった。
結構な人数な気もしないでもない……
そして働く人数が増えたことで国内でも変化が現れた。先ず連絡が来たのは鉱山からだったんだけど。
「王よ! 何やら新しい砂が見つかったようですぞ!」
アインが興奮した様子でそう教えてくれたんだ。早速僕はチャガマを連れて鉱山に向かった。チャガマは鑑定魔法が使えるからね。
だから資源などの管理は今はチャガマを中心にやってくれている。算術や帳簿も得意なのが大きい。
そのチャガマと一緒に鉱山に向かった。何かいつの間にか坑道が随分と入り組んでいるね。もともとアイアンアントは砂鉄でも掘り進めることが出来るぐらい掘削能力が高い。
これまでの砂の運搬を捕虜の皆に頼んでアイアンアントを鉱山の開拓に回して正解だったかもね。
「アギィ~アギィ~」
「こちらだそうです」
「一体どんな砂が見つかったんだろうね」
「そもそも砂として見つかるんっすね」
確かに普通は鉱山と言えば石を採掘するものだけどね。
とにかくアイアンアントとアインの案内でその砂のある場所にたどり着いた。
「アギィ~」
アイアンアントが顎で壁を削った。すると壁がボロボロと砂の状態で崩れてきた。
どうやらそこの壁は砂が固まったような状態で存在しているようだね。だから崩すと砂として掘り起こされていくんだ。
「でもこれって銀? でも、ちょっと違うような?」
銀っぽいけど薄っすらと青っぽくもあるんだよね。
「こ、これは!」
するとチャガマが砂に触れ目を大きく見開いた。凄く驚いている様子だ。
「大変ですよ! これ魔銀の砂ですよ! 凄く貴重な代物です!」
チャガマが興奮気味に話してくれたけど、ちょっと頭が追いつかない。勿論ミスリルは知っているけど、え? これミスリルの砂なの?
ちょっと試しに魔法で操作できるか試してみた。
「ゴーーーーーー!」
「「「喋ったーーーーーー!?」」」
砂魔法・砂人形を行使したら見事にミスリルゴーレムが出来た。しかもこのゴーレム喋るぞ!
いや、喋ると言ってもゴーとかだけだけど、これまでのゴーレムは無口だったからね。
「えっと、僕のことわかる?」
「ゴッ!」
頷いた。
「きっと生み出してくれた王に感謝してるのですな。この家臣心の強さ素晴らしい!」
アインの熱が強い。う~ん、でもやっぱりミスリルの砂製だからこれまでのゴーレムとは一味違うのかな?
とにかくこれでミスリルゲットだね! でも、これどうしたらいいかな?
まぁ、城には運んでもらおうかな。
◇◆◇
「変わった砂を見つけたぜボス! 硝子の砂並の大発見かもしれないぜ!」
ある時今度はライゴウが凄く張り切った様子で報告に来た。ちなみにライゴウについた捕虜は見違えるぐらいにマッソーな肉体になってた。
一体何があったんだろう?
「「「「「「アイ様の愛あるトレーニングのおかげでこんなにも逞しく!」」」」」」
「そ、そうなんだ……」
ちなみに女性陣の方は肌艶がよくなったり元から美人だったと思うけど全体的により綺麗になってた。
「「「「「「アイ様の愛の美容法のおかげです!」」」」」」
「そ、そうなんだ……」
「愛よね愛!」
「すっかりアイのファンが多くなったみたいで……」
イシスもちょっと戸惑っているね。
それはそうとして、チャガマと一緒にその新しい砂がある場所に向かった。地盤が下がって窪みになっている場所があって、そこの砂は確かに他とは違うようだった。
早速チャガマが手で掬い上げ鑑定してくれる。
「これは石灰砂っすね」
「石灰砂!?」
正直ちょっと驚いた。石なのか灰なのか砂なのかって。
「よくわからねぇけど、使えそうか?」
「石灰は上手く使えばコンクリートの材料に出来るかもっす。しかも石灰としてかなり優秀っす。これ、肥料としても良さそうっす!」
何かこれ一つでかなり可能性が上がるらしい。コンクリート……もしかしてそれがあれば砂でなくても家屋などが建築出来るようになるのかな?
それなら確かに夢が広がるね! よし、これも回収――
「グォォォォオォオォォオォォオオオオ!」
と思ったら石灰砂が盛り上がり、巨大な石像って感じの魔物が姿を見せた。
「ひ、ひぇえぇええ! こ、こいつは動く石灰像っす! とんでもない魔物っすよ~~~~~~~~!」
チャガマは驚いてひっくり返りながらもしっかり鑑定してくれた。そのおかげで現れた魔物の名前も判明したね。でも、どうやらそう簡単には持ち帰らせてくれないみたいだね――
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