第13話 砂漠で追いかけっ子
「待て待てーーーー!」
「ンゴ~ンゴ~!」
ラクが追いかける僕を見ながら助けを呼ぶように鳴いていた。
「待ってて今助けるからね」
「ンゴッ! ンゴッ!」
希望に満ちた目でラクが僕を見下ろしてくる。そうだイシスの大事な友だちを魔獣の餌になんて出来ない!
僕は砂の波で怪鳥に近づきそこから別の魔法に切り替えた。
「砂柱!」
足元の砂が柱に変化し一気に伸び上がる。そしてデザートアルバトロスの飛行してる高さまで到達した。
「砂巨烈拳!」
砂で作った巨大な拳で怪鳥を殴った。クリーンヒットし怪鳥の動きが止まる。
「グェッ!」
うめき声を上げ、怪鳥がラクを放した。それは良かったけど勢いがついて滑降していってしまう。あの勢いは不味い。
砂の柱をラクの落ちていく方向めがけて勢いつけて伸ばす。それを発射台にして飛び立ち、ラクを追いかけた。
「ンゴォオオオオ!」
「ラクーーーーーー!」
悲鳴を上げて降下中のラクに追いつき背中に飛びついた。そして魔法を行使!
「砂球!」
砂を球にして僕とラクを包み込む。弾力のあるようにしたからこれで落ちても衝撃は吸収できる。
そしてズサっと砂の上に落ちた。ふぅ、よかった僕もラクも無事だね。
空を見上げると怪鳥も逃げていった。良かったもう狙ってはこないだろう。
「ンゴ~ンゴ~」
「はは、怪我もなくてよかったよ」
砂に着地し、ラクが僕に頭を擦り付けてきてペロペロと顔を舐めてきた。感謝の気持ちを表してくれているんだね。
さてと、このままじゃ状況が見えないから魔法を解除してっと。砂球がサラサラと砂に戻り崩れていった。視界が一気に広がり、まばゆい黄金の光が視界に飛び込んできた。
「え? 何これ!」
「ンゴォオオォオーーーー!」
ラクも驚いているよ。そして僕もびっくりだ。何せ周りには金金金、そう辺り一帯が金色に包まれていたんだ。
これってもしかして? 僕はその砂を手で掬って確認してみる。
「やっぱり、これは砂金だ」
キラキラと太陽光に反射して輝いている。色もくすんでいないしかなり質のいい金だよ。
「ンゴッンゴッ」
「え? 駄目だよラク! それは食べ物じゃないから」
「ンゴッ? ンゴッ! ペッペッ!」
ラクが砂金を口に含んでいたから注意したら、ラクも美味しくなかったようですぐに吐き捨てた。
色が鮮やかだから美味しそうに見えたのかな?
「でも、なんでこんなところに砂金が?」
「ンゴゥ?」
僕が首を傾げているとラクも一緒になって首を傾けてくれた。見たところここは丘に囲まれた盆地なようだね。
周囲が砂金で埋め尽くされているや。
「ンゴッ! ンゴッ!」
「う~ん、誰のものかわからないし勝手には持っていけないよね」
ラクが砂金をつつきながら持っていく? とアピールしていたから答えた。自然に発生したものにしては不自然な気がするし……
それにしても不思議な場所だね。なんとなくだけど、砂感知で周囲の状況を確認してみた。砂金も砂だから魔法の対象になる。
「あれ?」
砂金に埋もれた一点が気になった。ラクと一緒に近づき、魔法で砂金をどかしてみると地下に繋がる穴が現れた。
「もしかして、迷宮かな?」
「ンゴッ?」
ラクがなになに~? という顔で穴を覗き込む。
「待って、罠とかあったら危険だから下手に顔をいれないほうがいい」
「ンゴッ!」
慌ててラクが首を引っ込めた。好奇心が強いのはいいけど、迂闊な行為が危険に繋がることもあるからね。
それにしても迷宮か……帝国にもあったけど、この世界で時折発見される代物で冒険者と呼ばれる職業の人にとっては重要な探索地でもあった。
迷宮内には危険も多いけど、それを考慮しても余りあるほどの資源やお宝が眠っていることがある。しかも迷宮は定期的に内部の構造を変えてその都度お宝や資源も入れ替わるというからね。
もしこれが迷宮ならちょっと浪漫を感じるかな。もしかして砂金がいっぱいあるのもその影響だったりして。
ちょっと入ってみようかな……まずは砂を利用して中を感知――すぐには危険はなさそうだな。
「砂魔法・砂人形!」
僕は人と同じぐらいのサイズの砂のゴーレムを生み出した。砂金でも砂だから作成は可能だ。おかげで金ピカのゴーレムが出来てしまったけど、とりあえず先頭を歩いてもらった。その後からついていくことにする。
「ンゴッ?」
ラクが僕に入るの? という顔を見せた。
「うん。とりあえず入ってすぐに危険があるってこともなさそうだから、探索してみようと思って。ラクはどうする?」
「ンゴッ! ンゴッ!」
一緒にいくつもりなようだね。ラクだけを残しておくのも心配だし、その方がいいかな。
だから僕はラクを連れて穴の中を探ってみることにした。さて、何が出るかな?
さて中には何が……
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