第127話 砂漠の捕虜の扱い方
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捕虜に対して、ただ地下で自由にさせてそのまま食べさせるだけというのも、皆は納得しないだろうから働いてもらうことにした。
ただ、流石に犯罪奴隷はちょっと皆も不安だろうから牢屋でゴーレムに監視させる。だけど、外に出ないにしても何もさせないというのもな~と思ったんだけど。
「ならこの奴隷については私達に任せてもらってもいい?」
僕がフィーとどうしようかと話しているところに来て、そう申し出てきたのは水の竜団のプールだった。隣には元奴隷だった少女ケアも立っている。少女といってもあの中では一番のお姉さんだけどね。
ケアは薬学にある程度精通していて錬成系の魔法の素質もあった。
今は砂漠で取れる薬草や魔草からなにか出来ないかと色々と試行錯誤を重ねて錬金術みたいなことをしている。
その二人が犯罪奴隷については任せて欲しいと言っている。
「私の香水魔法の実験、いえ、色々と試すのに協力させてほしいの」
「私は新しい薬の制作に役立つモルモット、いえ試験体として利用、いえ協力してもらいたいの」
うん? なにか今不穏なワードが聞こえたような?
「えっと、それは危険なの?」
「大丈夫よ。(何らかの異常は出るかもしれないけど)死ぬことはないし」
「そうそう。死んだらもう実験できな、いえ、そこまで危険はないからね」
あれ? 空耳かな? 小さく物騒なワードが聞こえた気もしないでもないけど……うん、まぁでもそこまでのことにはならないよね。
「うんわかったよ。じゃあこっちの奴隷達は二人に任せるね」
「ス~♪」
「ちょっとまてぇえええぇええい!」
「いかにもヤバいだろうその二人! 冗談じゃねぇ!」
「勘弁してくれ! だったらまだ強制労働の方が――」
「黙れ。王が決めたことであるからのう。お前ら塵は黙って言うとおりにしておればいいのだ」
「ヒッ!」
「あわわ……」
何か犯罪奴隷の皆が不満そうにしていたけどフィーの説得で大人しくなったね。泡を吹いて倒れてる人も多いのが気になるところだけど。
「それじゃあお願いね」
「任せて王様~(やった実験体ゲット♪)」
「ふふふ、ショタじゃない男だから容赦はいらないわね」
見張りには砂のゴーレムをつけているから問題ないよね。武器も取り上げているから危害を加えることは出来ないだろうし。
「働いてもらうって、奴隷にするつもりか?」
改めて捕虜となった皆と話すと、騎士の一人が不安そうに聞いてきた。だからそれにはしっかり答えてあげる。
「奴隷にはしません。そもそも奴隷にする道具もないですから」
「にゃん。アリババ商会では奴隷関係はあつかってないから仕方ないにゃん」
うん。ペルシアはいろいろな魔導具をもってきてくれているけど、商会の方針もあって奴隷に関する物はもってないんだ。あったとしても使うつもりはなかったけどね。
「うん? 今アリババ商会と言ったのか?」
「アリババ商会といえば、エルドラド共和国でも一、二を争う大商会じゃないか」
「何故その商会がここに?」
「てか、猫が何で喋ってるんだよ!」
騎士の一人がペルシアの姿にも驚いていた。今のペルシアは元のケットシーの姿だからね。全体的に凄くもふもふしてそうな良い毛並みをしている。
「そういえばアリババ商会の商会長がケットシーだと聞いたことがあるぞ」
「にゃん。その妹にゃん」
「「「「「「「「マジで!?」」」」」」」」
帝国の騎士たちが驚いているよ。やっぱり知名度は高かったんだね。
「にゃん。アリババ商会はこのバラムドーラと懇意にしてるにゃん。まいったかにゃん」
ペルシアが腕を組んでドヤ顔を見せた。
「つまりいずれは俺たちもエルドラド共和国に売られるのか……」
「お前たち話を聞いていたかにゃん? アリババ商会は奴隷を扱ってないにゃん」
騎士たちは身売りされる心配をしていたようだけど、僕にもそのつもりはないからね。
「奴隷にはしませんが、見張りはしっかりとつけさせて貰います。その上で働いてください」
「奴隷にはしないが強制労働で無理やり重労働しろってことか」
「帝国の地下に皇帝専用の地下施設を造れとか、そんな無茶を言うつもりだな」
「劣悪な環境で昼夜問わず働かせるつもりなんだな」
「地下専用の貨幣で相場より高い食べ物とか買わせるつもりだな」
「そんなことはしませんが……」
というか帝国であの人は一体なにしてるんだ……
「仕事は今皆がやっているのと基本的には変わりません。大変でないとはいいませんが、特別厳しいことをやらせるつもりはないですし、休憩もとってくれていいので」
「馬鹿な! 俺たちは捕虜だぞ!」
「捕虜でも人権はありますから……」
犯罪奴隷だった人はともかく、彼らはただ帝国の命令で来ただけだしね。
「人権? 捕虜に人権?」
「ハハッそんな馬鹿な。捕虜に人権なんてあるわけがない」
「男ならすぐに死ぬような辛くてキツくて汚い強制労働を休みなくやらされるか、女なら慰みものにされるのが落ちだろう」
そういえば魔法兵には女性がいて、かなり怯えていたって聞いたっけ。女性の対応は女性陣に任せてるけどね。
「とにかく、これから皆さんに話を聞きます。そのうえである程度適してると思われる仕事についてもらいますが、どうしても嫌なら言ってくださいね別の配置も考えますから」
「「「「「「「「「拒否権があるだと!?」」」」」」」」」」
何かいちいちすごい驚きようだ。一応もともと暮らしていた帝国だけど予想以上にやってることは真っ黒だったのかもしれないね――
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