第122話 砂漠で圧倒
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戦いが始まり、今度はかなりの数の兵士が陣形をとって攻め込んできた。正面を厚めに右翼と左翼からも波のような勢いでやってくる。
だけど僕たちも手を拱いてそれを見ているわけにはいかない。先ず体の大きなジャックは右翼に向かわせ相手の片側の攻めを抑え込んだ。
その上で適材適所で皆を配置していく。その間に僕も砂や砂鉄のゴーレムを作成し戦線に投入していった。
当初は数で圧倒していた帝国軍だったけど、皆の力で数が減り、ゴーレムの投入もあって数の優位性も保てなくなっていった。
「愛なのよ~~~~!」
「な、なんだこのピンク色の巨大なのは!」
「妙な顔しやがって!」
「でもつぇええぇええ!」
アイも元の姿に戻って戦いに参加してくれた。あの子もかなり強いからね。
「凄いよアイちゃん」
「マスターをサポートするのは私の役目なの~愛よね愛!」
「ンゴッ♪」
後方からはイシスが声援を送っていた。イシスは味方にけが人が出たときの要だ。直接戦闘が出来ないけどその分をアイが補っているね。
ラクも応援してくれている。その間にハニーアントの蜜を補給していた。別に何もしてないわけじゃなくてラクが飲むことでコブからの水分補給に蜜の栄養が加わる。甘くなるし疲れも取れるから後の補給にぴったりなんだ。
「鉄壁の陣!」
こちらに攻め込んでくる兵が減ったなと思ったら正面の部隊が立ち止まり、防御を固めた。途端に皆の攻撃が通らなくなってしまう。
「むぅ、あれは……」
「知っているのですのスイム?」
「うむ。あれは防御に徹する陣形魔闘術。防御以外に一切の行動を封じることで圧倒的な堅牢さを体現する」
帝国兵が鉄壁の陣で壁のように正面を塞いだ。でもスイムの言うとおりなら防御を固めた兵士たちは攻撃が出来ないはずだけど――
その時、僕たちに向けて矢が次々と降り注いできた。そうか。壁を挟んで向こうから矢で攻めてくるつもりなのか。
だけど鉄壁の陣で視界が塞がっているのか、矢の飛んでくる場所がバラバラだ。これだと誰にも命中しないけど――
「お兄様煙ですの!」
「これは、矢に仕掛けがあったようだにゃん」
モルジアが叫びペルシアが続けた。矢は攻撃目的じゃなくてこちらの視界を塞ぐ為だったのか。
そして直後また上空から何かが降り注ぎ、辺りから爆発音がこだましていった。
これは空中からの爆撃! 視界が塞がっていて一部ではパニックも見られた。
「よしいまだ! お前ら俺たちの力を見せつけてやろうぜ!」
「「「「「「「「おう!」」」」」」」」
横から複数の声が聞こえてくる。煙に紛れて僕たちに攻撃を仕掛けてこようとしているのか!
「にゃん! 任せるにゃん! 吸引の魔導具にゃん!」
だけど、ペルシアが声を張り上げ、するとあっというまに煙が消えていった。いや、ペルシアを見るとぷにぷにした肉球の手に所々に穴の空いた玉が握られていた。煙はその穴に吸い込まれている。
「吸引魔導具のダイソモンにゃん。吸引力最強のただ一つの魔導具にゃん!」
ペルシアが自慢気に言った。確かにあれだけの煙が一瞬にして吸い込まれたから大したものだね。
「空からの攻撃はあの鳥野郎だよ! 魔法の爆弾を持っていたんだね。狙い撃ちにするよ!」
アローネとグレテルの矢が鳥人間に放たれている。でも動きが速いね。すいすいと躱していくよ。
「弓ごときに俺がやられるものか」
「光魔法・指閃!」
「なッ!?」
だけど、メルが放った光魔法に翼を撃ち抜かれて墜落した。確かにかなり機敏な動きだったけど光の速さには対応できなかったみたいだね。
「凄いやメル!」
「えへへ~♪」
これで空中からの攻撃は途絶えたけど、横から来ていた兵からの猛攻が続いた。霧は晴れたからライゴウやアインが対応してくれている。
水の竜団の皆も抗ってくれていた。
「な、なんだこの匂い。頭がくらくらする……」
「私の香水魔法よ。さぁ乱れなさい」
プールは水に様々な香りを付与する香水魔法というのが得意らしい。
「お、おい、何で俺を攻撃するんだ!」
「うぉおぉおおぉお!」
香りにやられた敵兵が味方を攻撃し始めた。これが香水魔法の効果なんだ……眠らせる効果のもあるみたいで地味にいやらしい。仲間で良かったなと思う。
「皆、その人達は首輪をしている。奴隷として無理やり戦わせられている可能性もあるから気をつけてあげて!」
よく見ると煙に紛れてやってきた兵たちは奴隷の首輪をしてた獣人だった。望まない戦いを強いられているなら、出来れば助けて上げたい。
「な、水がドロドロになんだこれ!」
「ふっ、イケてる僕の軟水魔法なのさ~」
クロールの魔法で奴隷兵達の動きが封じ込まれる。見た目はともかく効果は絶大だ。
「ふん! ふん!」
「な、こいつ魔法使いのくせに接近戦を! ギャフン!」
バタフライは水を纏って戦士のように振る舞う。
「水がしょっぺぇ! な、鎧が!」
「俺の剣も錆びついている!?」
「これでもう戦いは継続出来まい。諦めて降伏するのだな」
スイムも水の塩分を高めて相手の装備を次々と腐食させていった。味方にするとこれだけ頼もしい存在はいないね。いろいろと知識も豊富だし。
オアシスのあるここでは水魔法の力も遺憾なく発揮されている。
奴隷兵の戦力もつぎつぎと削がれていった。
「奴隷の首輪ならこっちでも何とかなるよ。だから戦いたくないなら戦闘を止めて!」
「……それは本当なのか?」
すると、一人の男が僕に声を掛けてきた。この中で一番大柄な牛の獣人だった。雄々しい角が特徴でもある。
彼ら獣人は特に帝国では蔑視され迫害を受けている。今回も帝国に無理やり従わされている可能性が高いだろう。
「俺達は獣人だ。油断させて殺すつもりじゃないのか?」
「そんなことはしないよ。王として誓う」
「……王としてか。ならもっと近づいて見ていいか? あんたの目を見たいんだ」
「うん。わかったよ。皆も手は出さないで」
そして僕と相手の獣人が互いの距離を近づけていく。
「待つっす王様! そいつに気を許しちゃ駄目っす! 他の奴隷も含めてその首輪は凶悪な犯罪奴隷に着けられてるものっす!」
「え?」
たぬきの獣人のチャガマが叫んだ。以前ダンジョンで手に入れた白紙の魔導書……あれは適正がある人だけが読める本だったけど、それが唯一読めたのがチャガマだった。
そして本を読むことで彼は鑑定の魔法を覚えることが出来たんだ。アカシアの記憶から様々な情報を読み解く鑑定魔法。
その効果で首輪の術式を看破したのだろう。
「くそ! バレたら仕方ねぇ!」
「お兄様!」
「ホルス!」
モルジアとイシスの緊迫した声が届く。牛の獣人が僕に向けて斧を投げつけてきたからだ。
「スーー!」
だけど、その斧は僕に当たることなく、スーの砂防御で弾き返された。
「な、馬鹿な! 俺の大殺旋斧が!」
男が叫んだ。跳ね返した斧は彼の手元に戻っていった。どうやら今のは彼の魔闘技だったらしい。だけどスーの自動防御の前では意味がなかった。
「王の優しさに漬け込むとは卑怯千万!」
「チッ! な、こいつ強い!」
怒り心頭と言った様子のアインが牛の男に槍で攻め立てる。斧では捌ききれず、遂にはアインの蟻顎豪槍を喰らって吹っ飛んでしまった。
これで奴隷兵達も全滅したね。ただチャガマの話だと全員凶悪な犯罪奴隷だったらしい……う~ん、そっちの対処も後で考えないとなぁ~……
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