第12話 砂漠の塔
ソルガムを採取したのは正解だった。しかもイシスの魔法のおかげでオアシスの周囲に畑が出来た。
僕の砂魔法で砂をある程度均したというのもあるけどオアシス周辺には良い土になる砂が出来たおかげで、後はイシスの魔法と合わせて良い畑が出来たわけ。
そこにソルガムを植え替えて育てていった。イシスの生命魔法があるからソルガムはすくすくと育ちすぐに収穫が可能となったんだ。
このソルガムの良いところはとても手軽に美味しいパンが食べられることだ。ソルガムを粉にして水を混ぜて捏ねて焼けば出来上がりだ。とってもシンプルだけど味はいい。
「普通のソルガムだとちょっと苦味が強いけど、白いソルガムはそれが無いし栄養も豊富なの」
そうなんだね。イシスは物知りだなぁ。そしてメルから分けてもらった蜜を塗って食べるとこれがまた美味しくて、ふぅ、本当採ってきてよかったよ。
「それで主殿。今日はどうされますか?」
「そうだなぁ」
アインが今日の予定について聞いてきた。ベースは出来てきた。砂漠とはいえオアシスになったから畑も用意できたしね。
そして、今はアインが好意で分けてくれた砂鉄がある。うん、そうだ。
「折角アインが分けてくれたんだし、砂鉄を砂の城に組み込んでみようかな」
「おお! それは凄くいい手だと思いますぞ!」
相変わらずアインは僕に疑いなく賛同してくれる。
メルとイシスも文句はないみたいだけどね。もともとイシスも砂鉄の利用方法にそれを想定していたみたいだし。
というわけで今日は城を見て回って、とりあえず砂の上に砂鉄を被せて薄く鉄でコーティングしてみた。何か凄く頑強そうになったかも……
「いやはや、これは立派ですな!」
「でも、ちょっと物々しいかな?」
「いやいやこれぐらいインパクトがあった方がいいと思いますぞ」
砂漠の真ん中でインパクトっているのかなぁ? とりあえず壁も砂鉄で作り変えたけどね。ただ、鉄だけだと靭やかさが足りないから砂もある程度残してあるけど。
う~んでもやっぱり――
「戻してしまわれたのですか?」
「見た目はね。やっぱり砂の城の方が温かみがある気がしてさ」
「わかります。私も砂の城の方が味わいがあっていいかなって思うもん」
「はい! 私もこちらの方が好きです。それに主様に合っている気がします!」
イシスも同意してくれた。メルも肯定してくれてるし。
「それに砂鉄をまるで使わなかったわけじゃないよ。層にして砂、砂鉄、砂にしてあるんだ。これで城の強靭さはよりアップしたし、アインが運んでくれた砂鉄のおかげだよ」
「なんと有難きお言葉! このアインの心にまた一つ刻まれましたぞ!」
う~ん、そこまでのことではないと思うんだけどね。
「ところで主殿。ここは一つ塔を作ってみては如何か?」
「塔?」
アインの意見を反芻する。
「砂漠で塔はいるかな?」
「主殿砂漠とは言え、この辺りは意外と起伏が激しいのです。特に西と北側はより地盤が高い上、砂丘も多く存在します。敵がやってきた場合向こう側から一方的にこちらの様子を探れるという状況になりかねない。塔があれば警戒できますし敵対勢力が現れた場合の抑止力にもなります」
て、敵対勢力? アインは流石見た目が騎士っぽいだけにそういう点に良く気がつくね。
でも、この砂漠のど真ん中に敵なんて出てくるものかな?
「ここは砂漠だし敵対勢力とか出てくるかな?」
「主殿、これだけ立派なオアシスが構築され城も建っているのです。勿論なにもないに越したことはありませんが、準備を進めておくのに越したことはないかと」
なるほど。そう言われてみればそんな気もしてきたかな。なら――
「砂魔法・砂塔!」
魔法でその場に砂鉄の塔を作成した。勿論今回は砂鉄をメインにしてある。
「おお! 何という立派な! 我は猛烈に感動してますぞ!」
アインが涙を流して喜んだ。そ、そこまで?
「わ~たか~い」
「ンゴッ!」
「主様の威光を知らしめるに十分な塔ですね」
い、威光? メルがそんなことを言ったけど、そこまでのつもりはなかったんだけどね。
うん、でも城よりは高いほうがいいかなとは思ったけど、これは自分で言うのも何だけど壮観かも。
「上ってみようか?」
「うん!」
「ンゴッ!」
「是非も無し!」
「わくわくするね~」
そして僕たちは塔を上ることにした。
「わ、床が動いた!」
「この高さを上るのは大変だからね。魔法で動くようにしておいたんだ」
仕組みは難しくなくて塔の真ん中に上下に動くもう一つの塔がある感じだ。
そしてあっという間に塔の頂上にたどり着く。
「凄い、壮大な景色が広がってます」
「はい! 流石主様です。このような万物を見下ろす巨大な塔をあっという間に構築してしまうのですから」
「当然であるな。主殿の力は神にも等しい!」
メルとアインの評価が過大すぎる!
そしてイシスは塔から見える景色に感動しているようだった。砂漠の真ん中だけど、高いところから見える景色は壮観だ。
そしてアインの言うように、この砂漠は確かに起伏があるようだ。砂丘も数多く見えるし、離れた場所にはゴツゴツした岩山も見えた。
「ンゴ! ンゴ♪」
「あ、ラク危ないよ~」
するとラクが塔の壁に上り縁に立って喜んでいるのが見えた。器用に上ったなと思うし喜んでいるけど確かにちょっと危ないかも、て!
「キェエェエエエェエエエ!」
「ンゴッ!?」
「え? ラク? ラクーーーー!」
「ンゴォオォォォオォオオオオ!」
そんな、ラクが突如降りてきた怪鳥に捕まえられ連れ去られてしまった。
「あれはデザートアルバトロス! 獰猛な鳥の魔獣ですよ!」
アインが教えてくれた。つまりこのままじゃラクが食べられちゃうってことだ!
「そ、そんなラクが」
「大丈夫! 僕が救うよ!」
「え? 主殿!」
すぐに塔から飛び降りた。アインが心配してくれたようだけど、砂魔法で足場を柔らかくして着地、砂座波ですぐに捕まったラクを追いかけた。
「おお! 流石主殿!」
「イシスは待ってて! アインとメルは留守をお願い!」
皆にそう伝えて僕はデザートアルバトロスの後を追った――
ラクがピンチ!
「くっ!腕が!」
「もうやめて!貴方のライフ(文章力)はもう0よ!」
「これ以上続けたら君の腕は保証できないぞ!」
「駄目だ、俺は皆の期待に答えるためにまだ更新を……こうなったらスーパーアームストロングローリングサンダー執筆を使わざるを得ない!」
「馬鹿な!その状態でスーパーアームストロングローリングサンダー執筆など使ったら二度とペンを持てないぞ!」
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