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ゲーマー幼女 ~訳あって攻撃力に全振りする~  作者:
第二回イベント『バトルロイヤル』編
105/147

「イベントお疲れ様~」

* * *


『プレイヤーの皆様、イベント終了のお時間です。残ったプレイヤーの転送を順次行いますので、しばらくその場でお待ちください』


 戦闘ログに、見やすいようにと赤文字でそう表示され始めた。

 ついにこのバトルロイヤルも終わりだよぉ。長かったなぁ。


「おっと時間か。じゃあね沙南沙ちゃん」

「神化の情報ありがとう! 戻ったらさっそく試してみるよ」


 私の周りのプレイヤーが次々と転送されて消えていく。

 そう。私はイベントが終了するギリギリまで、他のプレイヤーから質問攻めを受け続けていた。

 というのも、私の身に起きた『神獣化』というアビリティ。これがバトル終了まで元に戻らないらしく、イベントの最中ずっと神化している状態だった。

 当然、この異変に気が付いた一部のプレイヤーは、攻撃される事を覚悟で私にコンタクトを取ってきた。

 私としても無抵抗の相手を攻撃するなんて出来るはずもなく、普通に雑談を始めたが最後、次から次へと興味を引かれたプレイヤーが集まってきたのだった。

 私は動物園のパンダになったような気分のまま、みんなが向ける物珍しそうな視線を浴びながら質問に答えていた。

 地下ダンジョン攻略部隊との勝負が気がかりだったけど、イベント後半からはすでに勝負が決まったような状況になった。

 シルヴィアちゃんが呼んだ『フラムベルク』。瑞穂ちゃんが密談してくれた『モフモフ日和』。

 この二つの上位クランがほぼ同時に動いて、地下ダンジョン攻略部隊の残党狩りを始めたからだ。

 チャットからは定期的に討伐報告が送られてきて、私たちの勝利はほぼ確定になっていた。

 そうして私の体も光に包まれ転送されていく。長いようで短い、クランメンバーを巻き込んだ私の『親子喧嘩』は終わりを迎えたのだった。

「沙南ぁ~!」


 ダダダダダッ! ドシンッ!


「ごふぅっ!?」


 イベントエリカから戻された直後、私は強烈なタックルをその身に受けた……

 困惑しながらよく見ると、ルリちゃんが私に飛びついてきただけだった。

 ……敵の奇襲かと思ったよ。イベントの直後だから余計にね……


「沙南ごめんね。私、イベント終わるまで生き残れなかった……」

「ううん。事情は瑞穂ちゃんからチャットで聞いてるよ。一生懸命に戦ってくれたんでしょ? 瑞穂ちゃんも感謝してたよ!」

「うん。私のできる範囲で頑張ったんだけど……やっぱり敵も相当強かった」


 ルリちゃん、ちょっとだけ悔しそう。

 けどイベントポイント的にはかなり貢献してくれてるから、十分だと思うんだけどな。


「あ、いたいた。沙南~」


 また聞き慣れた声がしてその方向を見ると、瑞穂ちゃんが手を振って近づいていた。


「イベントお疲れ様~」

「おつかれ~。瑞穂ちゃん大活躍だったね~」


 私がそう言うと、瑞穂ちゃんはなんだか申し訳なさそうな顔になった。


「ん……。私は結局、みんなに助けられただけだから。ごめんねルリ、私のために戦闘不能になっちゃって……」

「別にいい。あの場は瑞穂を生かすほうが得策だと思っただけ。現に最後までいい仕事してくれた!」


 ビッ! と、ルリちゃんが親指を立てる。

 なんかカッコいい!

 けど私とルリちゃんは知っている。瑞穂ちゃんが何かを為そうとしていたことを。

 イベントが始まる前日に、涙を浮かべながら必死に決意を語ってくれたからこそ、ルリちゃんも瑞穂ちゃんを信じきれたんだと思う。


「そうそう! あの『モフモフ日和』って瑞穂ちゃんが呼んでくれたんでしょ! びっくりしちゃったよ!」

「あれは……私も協力してくれるか微妙なところだったのよ」

「けど参戦してくれたんだから、やっぱり呼んでくれた瑞穂ちゃんに感謝だよ。ありがとね!」


 お礼を言うと、瑞穂ちゃんは照れたように顔を背けてしまった。


「べ、別にいいって。私は私の出来ることをしたかっただけだから……」


 そんな瑞穂ちゃんの反応に、私とルリちゃんは顔を見合わせる。

 どうしてもわからないことが一つだけあった。


「ねぇ瑞穂ちゃん。どうしてそこまで私に協力してくれるの?」

「どうしてって……私だけ役立たずだと思われたくないからよ。私だってこのクランの一員なんだから……」


 そっか。瑞穂ちゃんって成り行きでこのクランに入ったようなものだから、実は不満があるんじゃないかと思ってた。けどそんな事はなかったんだ!


「そ、それに……その……と、とと、友達を助けるためなら、私だって本気になるし……」


 ボソッとそう言ってくれた。確かにそう言ってくれた。

 それがすごく嬉しくて、心から嬉しくて、私は思わず瑞穂ちゃんの手を握っていた!


「私も瑞穂ちゃんのこと大好きだよっ!!」

「わ、私は好きだなんて言ってないわよっ!!」


 顔が真っ赤になってる!

 瑞穂ちゃんはかわいいなぁ。


「むぅ~……瑞穂ばっかりズルい。私なんて沙南に好きって言われたこともないのに……」


 ルリちゃんが隣で膨れていた。


「え? ルリちゃんの事は一番好きだよ? そんなの決まってるよぉ」

「ふぇ!? ほんとに!?」


 目を輝かせて喜んでくれた。

 みんなと仲良し! すごく嬉しい!

 そんな時だった。ザワザワと他のプレイヤーが騒めき始めた。

 奥のほうにある掲示板にみんなが集まっていく。きっとイベントの結果が出たんだ!


「見に行こう!」


 私たちも大きな掲示板に向かって人込みを抜けていく。

 一番前までかき分けていくと、そこにはナーユちゃんがいた。


「あ! ナーユちゃん!」

「あら、沙南さんお疲れ様です」


 いつもの様子で丁寧にあいさつをしてくれた。

 掲示板の前は人がごった返しになっているので、私はナーユちゃんの腰にしがみ付いていた。


「私たちの順位は!?」

「ほら、あそこに書いてありますよ」


 ナーユちゃんの指さす方を見ると、そこにび~すとふぁんぐの名前を発見した!

 35位。合計イベントポイント5938。クラン名:び~すとふぁんぐ。

 そう載せられていた。


「お父さんの……地下ダンジョン攻略部隊は!?」

「あそこですね。177位に載ってます」


 ナーユちゃんの言う通り、177位の位置に地下ダンジョン攻略部隊の名前が載っていた。

 周りからも、トップクランが大きく順位を下げたことによるどよめきが聞こえてきていた。

 そっか。じゃあ私たち勝ったんだ! お父さんとの勝負に勝ったんだ!


「くぅ~……やった~!!」

「ふふっ。おめでとうございます」


 ナーユちゃんが私の頭をナデナデしながら祝ってくれた。


「あ、そうだ! ナーユちゃんって地下ダンジョン攻略部隊のマスターと戦って勝ったんだよね! 凄いよぉ! 順位で勝てたのはそれのおかげだよね。ありがと!」

「いえいえ。力になれて何よりです。私もこのクランで戦いたいと願った一人なんですから」


 ナーユちゃんはそう軽く言ってくれたけど、やっぱり凄いと思う。物凄く頼りになる強力なメンバーだよ!

 そんな私の頭には、興味深い一つの疑問が思い浮かんだ。


「ねぇナーユちゃん。ナーユちゃんって今までにプレイヤーバトルで負けた事あるの? 今はどんな戦績なの?」


 本能の赴くまま、そう聞いてみた。


「ん~、そうですね。沙南さんになら教えてもいいですよ」


 ナーユちゃんは自分のアイコンを開いて、周りに見られないように自分の手で隠しながらコッソリと見せてくれた。

 そこに載っていた戦績は――


 ――132戦、131勝、1敗。


 そう表示されていた。

 すごーい!! やっぱりナーユちゃんは強いなぁ。

 ん? だけどこれって……


「ねぇ、この1敗って……」

「はい。私に勝った事があるのは、沙南さんだけですよ」


 そう、ナーユちゃんは笑顔で答えてくれるのだった。



 ――イベントの個人詳細。


 蜥蜴丸(Lv302)のイベント記録。

 イベント地点から仲間との合流を果たすために移動を開始。ルリ、瑞穂との合流に成功する。

 仲間と協力をして、地下ダンジョン攻略部隊『エクス(Lv488)』を撃破。

 その後、同クランメンバー、『シュウト(Lv1086)』と戦闘に入り、倒される。

 討伐数:1

 ポイント:186


 ルリ(Lv155)のイベント記録。

 イベント地点から仲間との合流を果たすために移動を開始。瑞穂、蜥蜴丸との合流に成功する。

 地下ダンジョン攻略部隊、『エクス(Lv488)』との戦闘にてアシストをする。

 その後、同クランメンバーである『グレン(Lv1042)』と戦闘開始。

 戦闘中に隙を見て瑞穂と合流。協力して『シュウト(Lv1086)』を撃破。

 その後、服部半蔵に倒される。

 討伐数:1人

 ポイント:931


 瑞穂(Lv397)のイベント記録。

 イベント地点から仲間との合流を果たすために移動を開始。ルリ、蜥蜴丸との合流に成功する。

 その後、地下ダンジョン攻略部隊『武蔵(Lv621)』を魔法にて狙撃。撃破する。

 さらにその後、同クランメンバー『エクス(Lv488)』との戦闘にてアシストをする。

 またその後、同クランメンバーである『服部半蔵(Lv1150)』と戦闘開始。

 合流したルリと協力して、『シュウト(Lv1086)』撃破のアシストをする。

 服部半蔵との戦闘にて、飛来物ダメージにより服部半蔵を撃破。(飛来物ダメージによりポイントは入らない)

 その後、同クランメンバー『金色鯨(Lv1011)』と遭遇、戦闘に入る。

 モフモフ日和の介入により『金色鯨(Lv1011)』を退ける事に成功。以後、最後までモフモフ日和と行動を共にしてイベント終了。生き残りボーナスを得る。

 討伐数:1人

 ポイント:621


 小烏丸(Lv322)のイベント記録。

 イベント地点から仲間との合流を果たすために移動を開始。シルヴィアとの合流に成功する。

 その後、地下ダンジョン攻略部隊『あやめ(Lv612)』と戦闘。シルヴィアと協力して撃破する。

 さらにその後、小狐丸の応援に向かい、以後行動を共にしてイベント終了。生き残りボーナスを得る。

 討伐数:1人

 ポイント:612


 シルヴィア(Lv588)のイベント記録。

 イベント地点から仲間との合流を果たすために移動を開始。小烏丸との合流に成功する。

 その後、地下ダンジョン攻略部隊『あやめ(Lv612)』と戦闘。撃破のアシストをする。

 さらにその後、小狐丸の応援に向かい、以後行動を共にしてイベント終了。生き残りボーナスを得る。

 討伐数:0人

 ポイント:588


 小狐丸(Lv917)のイベント記録。

 イベント開始から数分後、地下ダンジョン攻略部隊のメンバー、『JIN(Lv600)』を不意打ちで撃破。

 その後、同クランメンバー『ファイ(Lv997)』、『ランス(Lv989)』との戦闘開始。

 シルヴィアと小烏丸の応援により、協力して二人の撃破に成功する。

 以後、シルヴィア、小烏丸と行動を共にしてイベント終了。生き残りボーナスを得る。

 討伐数:3人

 ポイント:1069


 GMナーユ(Lv787)のイベント記録。

 イベント開始から定期的に一般プレイヤーに狙われ続けるが、それらを全て撃破しながら移動を行う。

 イベント開始から数分後、地下ダンジョン攻略部隊のメンバーである『こむらがえり(Lv982)』、『幽玄(Lv514)』と遭遇し撃破する。

 その後、同クランマスターである『ハルシオン(Lv1207)』と、同クランメンバー『ろろろ(Lv924)』、『エメラルド(Lv839)』に遭遇。その全てを撃破する。

 さらにその後、協力関係となった『フラムベルク』のメンバーと合流。最後まで行動を共にしてイベント終了。生き残りボーナスを得る。

 討伐数:14人

 ポイント:2591

 

 沙南(Lv154)のイベント記録。

 イベント開始直後、数名のプレイヤーと戦闘になり、順次撃破する。

 その戦いから数分後、地下ダンジョン攻略部隊のメンバー、『ジーク(Lv842)』を不意打ちで撃破。

 その後、同クランメンバーである『ゼノ(Lv1001)』と戦闘を開始し、撃破する。

 さらにその後、soul Requiemと、その周囲のプレイヤーとの乱戦となり、チコリーヌ以外全て撃破。

 直後、地下ダンジョン攻略部隊、『ネークス(Lv1031)』との戦闘になり、チコリーヌと共闘して撃破。

 すぐさま同クランメンバー、『シンギ(Lv1050)』、『カズ(Lv942)』との戦闘に入り、二人を撃破する。

 その後、集まった他プレイヤーに揉みくちゃにされながらイベント終了。生き残りボーナスを得る。

 討伐数:18人

 ポイント:5289


 合計イベントポイント:5938(個人のポイント上限が1000のため)

 イベント順位:35位。


 イベントポイント個人成績。

 1位:び~すとふぁんぐ。沙南。

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