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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
~ めぐりあい編 ~
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【Side:ステラ】まさかの失態!睡魔に負けてスイマセン!!

挿絵(By みてみん)


 日付が変わりしばらくした頃、寝息を立てる少女達。


 ミッシェルとフェイトは寄り添い座りながら寝ているが、ステラは倒れるように床に横たわり寝ていた。そんなひと時の休息を取っていると、壁が壊れるほど叩くけたたましい音と怒鳴り声が響き渡る!


「(ドンドンドンドンドン!)いつまで寝てるんだいっ!!ガキども起きな!!!」


「ヤバっ!起きて、フェイト、と……そうだ、ステラ!!」


 ミッシェルが寝ているフェイトとステラを揺り動かす。


「お姉ちゃん。あ、もしかして寝過ごしたの!?」


 慌てて起きるフェイト。


「あと5分。」


 ステラは寝ぼける。そんなステラの頰を何度か叩くミッシェル。


「ステラ、起きて!仕事だよ!!」


 ようやく目を覚ますステラ。起こす役なのに寝てしまったことを思い出し、慌てる!


◇◇◇


「ゴメン、わたし寝ちゃった!」


「そんなのはいいから、すぐ出るよ!!」


 ミッシェルとフェイトを追って、わたし達3人は大慌てで部屋を飛び出す。王宮騎士団の宿舎裏口に今回の大浴場清掃の当番が集合していた。


「寝過ごすとはどういうことだい!?ふざけてるんじゃないよ!!」


 パパスの怒号が3人に飛ぶ!


「すみませんでした!」


「すみませんでした!」


 ミッシェルとフェイトが必死に謝罪する。


「すみませんでした!わたしが2人を起こすハズが、寝てしまいました。わたしの責任です!!」


 わたしも深く頭を下げる。


「なんだって!!ミッシェル、フェイト本当かい?」


「その……」


 口籠る2人。


「本当です!わたしが悪いんです。」


 パパスが近寄り思いっきり頰をひっぱたく!!力一杯叩かれて吹き飛び、倒れるミッシェルとフェイト。


「え!?何で2人をぶつんです!?悪いのはわたしですよ!」


 パパスに意見したわたしの頰にも平手が飛ぶ!


「ぁ痛ったーーー!!」


 パパスは叩いた手を抑えながら悶絶し呻く。叩かれたわたしは平然としていた。そう、無意識のうちに身体強化魔法を発動しちゃったのだ!


「アンタの頰は鉄板かい!?とにかく、新人に任せて寝るなんて偉くなったね、ミッシェル、フェイト!先輩であるお前たちの責任だ!!今度ふざけた指導したらただじゃおかないからな!!!さあ、行くよっ!!!!!」


「ご、ごめん、二人とも。わたし、余計なこと言って。」


「いいんだよ。パパスの言う通りだから。」


「そうよ、ステラは悪くないわ。わたし達が悪いのよ。そう、最初に寝たわたしが一番悪いの。お姉ちゃん、ステラ、ごめんなさい!」


 フェイトは泣きながら謝る。そんなフェイトをミッシェルとわたしが慰める。


 日が変わり午前1時、宿舎の大浴場清掃が始まる。


 大浴場は3つあり、『男性用』と『女性用』と『混浴用』がある。その中でも混浴用は混浴目的の男女の利用もあるが、それよりは性別が無い種族や魔物が入ることが多い。色々な意味で混浴用はカオスであり、清掃が一番大変な風呂場であった。毎回、混浴用を誰がやるかでもめる程に。


 15人位で3つの大浴場清掃をするので、作業分担で1つの大浴場を4〜5人で清掃する。班はあらかた決まっていたが、新人のわたしが入ったことで編成が変わり、同世代のミッシェルとフェイトと3人で同じ班となった。わたし達は一緒の班になれたことを喜んだ。


 どの大浴場を清掃をするかは清掃開始前にクジで決めるのだが、今回の混浴用の清掃当番は既に決まった。そう、寝坊したミッシェル・フェイト・わたしに与えられた罰として、3人だけで混浴大浴場の清掃が命ぜられた。


「お前たち、しっかりと働くんだよ!ふざける奴はアタシが許さないからね!!」


 パパス女史から相変わらず辛辣な言葉を掛けられる。3人で直立して返事をする。


「はい!」


 騎士団員の入浴時間は0時までで、清掃時間は1時からと決まっていた。


 流石に王国を守る騎士団の労をねぎらう大浴場だけあり広く清潔な風呂場であった。ただし、3人が今回担当の混浴風呂は全体的に汚れが目立つ。色々な種族の体毛や体液の様なものや純粋な汚れやゴミが多く、浴槽の湯は最後には黒く濁っていることもしばしば。


 このとき知るのだが、人間の作業員の入浴はこの大浴場清掃の時だけであり、清掃前に入浴してから清掃に移るのだった。


 3人は誰かが入っていないことを確認してから、清掃前に入浴をする。3人は手早く身体や髪を洗い、広い湯船に浸かる。3人で入るには贅沢なほど広いので得した気分だった。幸い今回の湯はそれほど汚れてはいなかった。


「あああああ、身体の疲れが溶かされていくようだあ〜〜〜。」


 ようやく長い長い1日が報われた気分だった。

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