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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
~ 魔王編 ~
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【Side:現代】魔法少女、最後の戦い!?

挿絵(By みてみん)


「いまです、ステラ!」


「ステラ、頼みましたぞー!!」


 そう叫んだ二人の少女は全身全霊を込めて魔力の結界を張り、全身が漆黒の闇に染まり悪魔を連想させる禍々しい異形の姿をしたそれを抑え込んでいた。


 ステラと呼ばれた白き衣の少女は両手で天を仰ぎ、満天の星々の輝きを一点に束ねていく。


 その時、結界の中のそれが荒々しく咆哮する。


「先の戦いで我を獄に着かせた忌ま忌ましき魔法少女!永き刻を経てなお我の前に現れた貴様等は必ず消し去ってくれようぞっっ!!」


◇◇◇


 この世界を我がものにするとかこの世界を滅ぼすとかいう、いわゆる魔王の例に漏れず、その『魔王』がこの時代に顕現した。


 そして、古の時代からその魔王の野望を阻みこの世界を守ってきたのが、その時代時代で選ばれ、力を受け継ぎし少女達。


 時代や地域により様々だが『聖女』『魔女』『巫女』等と呼ばれてきたが、現代で彼女たちは『魔法少女』と呼ばれた。幼い頃にアニメや漫画で見た魔法少女そのものであった。


 いままさに魔王の前に三人の魔法少女が凛として立ちはだかる。


 これまで彼女たち魔法少女の活躍により魔王の眷属たちは壊滅し、遂にラスボスである魔王がその姿を現したのだった!


 魔王は全身が漆黒の闇に染まり悪魔を連想させる禍々しい異形の姿で、何よりその大きさは都心のビルをなぎ倒すほど巨大であった。その悍ましい姿を目の当たりにした人々は恐れおののき絶望した。


「みなさん、大丈夫!魔王はわたしたち魔法少女が倒します。みなさんは落ち着いて避難してください。」


 魔導書を開いた水色の魔法少女アリスの優しい声が恐怖に支配された人々の耳に届き、人々の心に安らぎが芽生えた。


 勇敢にバケモノと戦う魔法少女たちに多くの人々から限りない感謝と応援の声が響き渡る!


挿絵(By みてみん)


「みなさんの声援……暖かいですね。」


 魔法少女アリスは胸に手を当て、人々の想いを受け止める。


「いやぁ~、熱い展開になってきたのでBパートも終盤ですな。そろそろ幕引きと行こうではないですか。」


 赤色と緑色の魔法少女ノエルが眉間に手を当てて語りだす。


挿絵(By みてみん)


「そうだね!こっちも余裕が無くなってきたから、全力で行くよ、二人とも!!」


 白衣の魔法少女ステラは杖を持った右手をブンブン振り回し、気合を入れる。


挿絵(By みてみん)


 ふとアリスの表情がいつもと違うと感じたステラは声をかける。


「アリス、大丈夫?何かあった?」


 率直に尋ねたステラの言葉に、自分の心の動揺を隠せていないことに気付くアリス。


「うんん、大丈夫です。ありがとう……ステラ。行きましょう!!」


 先に助けられなかった少年のことが心に残っていたが、今は多くの人々を守り、魔王を倒すことにだけ集中する決心をするアリス。


「(守れなくてごめんなさい、吾妻くん。魔王は必ず倒すから……見てて!)」


 魔王は有り余る強大で破壊的な魔力の閃光を街に解き放つ!!


「街は撃たせません!空間の門よ開け!!『ワンダー・ゲート』」


 アリスの魔法により魔王の正面に空間のゆがみが生じ、放たれた魔力の閃光が飲み込まれると、直下から上空に向けて自ら放った破壊的魔力の直撃を受ける魔王は苦悶の叫びを上げる。


「グオオオオォッ!許さぬぞぉぉーッ、魔法少女オォォォーーー!!!」


 魔王が両手に魔力を集約しはじめる。


「そんな厄介な攻撃はもうさせませんぞ。聖夜を彩る祈りの力、彼のモノを縛る枷となれ!『セイクリッド・クロス』」


 ノエルがタクトを振ると、魔王の背後に光の十字架が出現し魔王を戒める。


「ステラ!!」


 光の十字架で魔王の動きを封じるノエルと、それを魔力サポートする二人が叫んだ!!


「ありがとう、ノエル、アリス。長かった戦い、いま終わらせるよっ!」


 星々の輝きが天に掲げるステラの杖に紡がられ、光が一点に収縮され、眩い光の魔法陣が形成される。


「これが私たち魔法少女が連綿と繰り返してきた闘いの中で見出した、貴方を打ち破る奇跡の力!」


 ステラの杖が描く魔法陣に収縮され臨界に達した数多の光を、封じられた魔王に解き放つ!!


「この世界の誕生より生まれし原初の星々の煌めき、闇を打ち消す光と成れっ!『スターライト・バースド』!!」


 一瞬、あまりの眩さに世界が閃光に包まれ、魔王の身体は星々の輝きに飲まれ崩壊してゆく!!!


「魔法少女たちよ、貴様らもいつか必ず闇の底に沈めてくれようぞ……覚えておくがよい!!」


 魔王の口からは嗚咽にも似た低い声が漏れる。時をかけずに魔王の肉体は光となり消滅した。


「遂にやりましたな、ステラ。」


 魔法少女ノエルが力を使い果たしながらも、同じく満身創痍の魔法少女ステラに歩み寄る。


「終わりましたね……ステラ、ノエル!」


 魔法少女アリスも力を使い果たし、倒れそうになるのを必死に堪えながら、ステラとノエルのところに向かう。


 三人は互いに抱き合いながら、魔王との辛く長い戦いが終わりを迎え……心から安堵する魔法少女たち。そんななか、アリスはこの戦いで命を落としたあの少年のことを想う。


「(やったよ、吾妻くん。魔王を倒してこの世界を守ったよ。吾妻くん、また会いたいよ……)」


 月あかりが暗雲に閉ざされた刹那、魔法少女アリスの胸から漆黒の刃が突き出し、鮮血がほとばしる!!


「アリスッ!?」


 この後、程なくして……魔法少女たちの戦いは終わりを迎えた。

ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。(´∀`)


遂に魔王を倒した3人の魔法少女たち。安堵を付いた刹那、魔法少女アリスが漆黒の凶刃に倒れてしまいました。その後の彼女たちの運命は……先の話でね。現代世界でのお話はいったんここまで。そして次のステージ、そう異世界に舞台を移します。魔法少女たちの異世界での冒険が始まる♪(o ゝω・)b


お読みいただいた感想や評価をお願いします。いただけると今後の励みになりますし、もっと良い話にできますので、本当にお願いします~。m(_ _ )m


毎週金曜日の午前中に定期更新してますので、また宜しくお願い致します。(๑>◡<๑)

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