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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
~ 試練編 ~
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【Side:ステラ】決着間近!?兵どもが夢を見る

挿絵(By みてみん)


「ステラ見〜つけた。生きてたんだ?遠くで見てたけど、人間なのに強いんだな。どうなってるんだ?確かめたいからさ、ちょっとボクと戦おうか!あ、でも……邪魔が多いから、またにしようかな。ね?」


 乱戦になって別れたワーウルフの少女『キリコ』が再びやって来て一方的に話し始めた。こんな戦場でもマイペースなキリコにはある意味感心する。


「あぁ、見逃して欲し……ゴホゴホ。えっと、見逃してくれるの?」


「ステラが死んだらあの『アンバー』食べられなくなるのは困るな。そうだ、一緒に力を合わせて勝ち進めば良くない?」


「え?共闘していいの?」


「知らないのか?ほとんどはソロだけど、今残ってる中では4組は共闘体制だね。だいたいペアだけど、多いとこで5体が組んでるな。」


 頭から共闘OKと思ってなかったから、とりあえず戦っていたけど、言われるとそれらしいのがいたなぁと感じた。ま、倒したから共闘してたかは知る由もないが。


 共闘を持ち掛けてきたキリコの言葉に嘘はなさそうだと直感が言うので早速共闘を受け入れる。


「あと、あの料理の名前は『ハンバーグ』ね。生き残れたらキリコちゃんにいっぱいご馳走するよ!ヨロシク〜!!」


 キリコは豆鉄砲を喰らったような顔で、でも頰を赤らめながら言う。


「ち、ちゃんって!?やめてよ、キリコでいいよ。」


 ボクっ娘でちゃん付けは呼ばれ慣れていないようだ。


「じゃあ行こうか、キリコ!ちゃちゃっと終わらせよう!!」


◇◇◇


 意外な展開に観客は歓喜していた!人狼・人間の意外過ぎるペアが快進撃は続けていた。


 攻撃は人狼キリコ、そして魔法でのサポートをわたしステラが担当した。人狼であるキリコはスピード攻撃型であり、わたしもスピード型。どちらかが相手にペースを合わせる必要が無く、はじめてのペアとは思えない程にわたし達の動きは自然にシンクロしていた。


 小休止。出場者の戦闘可能数が減ったことで敵に出会う頻度が少なくなる。掲示板の表示を見るとだいたい弱い敵が淘汰されたと考えられる。


【戦闘可能】23

【戦闘不能】77


 あと13名脱落すれば決着する。あとひと頑張り!


「いやぁ、キリコ強いね!さすが人狼だぁ〜。」


 感心するわたしの額に思っきりデコピンするキリコ。


「あいたっっ!!!」


 額を抑えて身悶え、わたしは地面をゴロゴロ転がる。


「ステラ、キミの正体は何だい?『カボチャの悪魔』って言うくらいだから魔族なんだろ?何故人間のフリなんかするんだよ?」


 なんかもうこの世界では、実は人間じゃないと嘘をついた方が良いのかと思えてきた。


「そうだな。実は、今はまだ言えないが……いつかわたしの正体を話せる日が来ると思うから、それまでは人間ってことにしておいてくれたまえ、人狼キリコよ!」


 何だこの芝居がかった言い回し、そして伏線?我ながら何言ってるんだと苦笑してしまう。


 そうか、これは確か中二病ってヤツだと思い出す。幼馴染みで中二病なアイツがよくこんな感じでバカな振る舞いをしていたなと懐かしく思い出す。


「(ブー君、元気かなぁ?)」


 現世のことを久々に思い出しながらも気恥ずかしくなったけど、そんなわたしにむしろ納得するキリコだった。


「やっぱり!分かったよ、秘密にすればいいんだね。おかしいと思ったよ、ボクのスピードに人間が付いて来るなんてあり得ないからね。」


 キリコを傷付けまいと気を遣いながら内心複雑な心境だった。


 突如、地響きと共に、会場内に2体の巨大な魔獣が侵入してきた!どちらも5mをゆうに超える大きさジャイアントポイズンスパイダーとジャイアントポイズントードだった。


 会場中が騒然となる。そこにアナウンスが流れた。


「今回は出場者だけでなく、魔獣の乱入を用意したので……健闘してくれ給え。」


 ジャイアントポイズンスパイダーは麻痺効果のある毒液を吐き、尻からは粘糸を放出する。動きは素早い。ジャイアントポイズントード。致死毒を撒き散らしつつ、驚異的な跳躍力で迫り、伸縮自在な舌で獲物を呑み込んでいく。


 出場者たちの動きは様々だった。ジャイアントポイズンスパイダーとジャイアントポイズントードにターゲットにされた者は立ち向かったり、逃げ回ったり。魔獣を攻撃する者もいるが、大抵はターゲットでなければ距離を取って様子見を決める。


 数を減らす絶好のチャンスであり、隙をついて魔獣でなく出場者を殺る機会を伺う。


 わたし達はターゲットではなかったので様子見をしていた。2体の魔獣は思いのほか素早く動き回るため、ターゲットが入れ替わる頻度は結構早い。魔獣たちはお構いなしに撒き散らした毒液を浴びる者、蜘蛛の糸に絡め取られ動けなくなる者、魔獣に蹴散らされる者、魔獣に気を取られ不意を突かれる者、魔獣の乱入で脱落者が増える。


 その後、無暗に素早く動く魔獣たちのターゲットになったが、わたし達は人数が多い場所に魔獣を誘導し他者を巻き添えにしていった。


 ただし、残った者達は生き残るだけの力があり、ジャイアントポイズンスパイダーとジャイアントポイズントードは残った実力者達により始末された。


 魔獣乱入後の、残っている人数の最新情報と共に、メンバー紹介も掲示板に表示される。


【戦闘可能】12

【戦闘不能】88


・ヴァンパイアハーフの魔銃士『ジオ』


・ダークエルフの魔女『シール』


・巨人族の剣闘士『5370』、通称『軍神の如き』


・ワーウルフの女拳闘士『キリコ』、通称『血飛沫』


・人間の女魔法使い『ステラ』、通称『カボチャの悪魔』


・ゴブリンの暗殺者『名無し』


・オーガの狂戦士『バルバル』、通称『皆殺し』


・正体不明の仮面の女魔剣士『ゴールド』


・リザードマンの戦士『ゲラン』、通称『沼池走り』


・デュラハンの重騎士『ジョースティンⅡ世』


・悪魔族の闇司祭『マルティム』


・死神『名無し』


 泣いても笑っても、あと2名脱落で決着となる!

ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。(´∀`)


大会もいよいよ大詰め!?君は生き残れるか!?(雑!)


お読みいただいた感想や評価をお願いします。いただけると今後の励みになりますし、もっと良い話にできますので、是非ともお願いします。m(_ _ )m


毎週金曜日の午前中に定期更新してますので、また宜しくお願い致します。(๑>◡<๑)

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