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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
〜 暗黒編 〜
132/142

【Side:ブレイブ】凍てつく世界

挿絵(By みてみん)


 俺は走る、女性の悪魔族の後を追って!


 何人かの悪魔族が『魔獣の森海』に向かうが、その女悪魔族のそばに他の悪魔族は居ないのが救いだった。


「ま、待ってくれーっ!」


 俺の叫びは届かなかったのだろう。女悪魔族の後ろ姿が魔獣の森海の闇に溶けていった。いくつかある最悪の内の一つが現実となる。


 追い付くには密林に入らなければならない。いや、まだ入り口近くだ、それほど魔獣も居ないだろう。躊躇している暇は無い!追ってレオナールかどうか確認しないと!!


 意を決して人外魔境に飛び込む!


「(主、囲まれておる!)」


 スノーホワイトの呼び掛けが無かったらそこで旅は終わっていた!


 まるでトンネルに入ったように一気に視界がブラックアウトしてしまう。それ程にこの魔獣の森海は幾重にも生い茂り陽の光を遮る木々の迷宮となっていた。


 立ち止まった俺は氷剣スノーホワイトを構え、周囲に気を配る。闇に目が慣れ、周囲には見たことのない魔獣が何匹もいた!


「うわぁ、こんな入り口に魔獣が!?」


 襲ってきた魔獣に俺はカウンターで切り付ける!だが、鬱蒼と生い茂るこの密林ではやはり長剣を振るうことは出来なかった!!


 木々を縫うように駆り寄る魔獣達!この魔境に住まうだけあって苦もなく俺に襲い掛かる!!


「ぐぁあっ!」


 続け様に何匹もの魔獣が鋭い牙や爪を突き立てる!咄嗟に左腕のスモールシールドで防御するが防ぎきれず俺の身体を切り裂いていく!


「(馬鹿者、我が力を解き放て!)」


 スノーホワイトの命令が如き叫びが脳内に響く!


「氷剣スノーホワイト、七剣技が六の斬『アイス・ワールド』!!」


 掲げた氷剣スノーホワイトから解き放たれた極寒の凍気がこの場の全てを一瞬で凍り付かせた!


「ハァ…ハァ、危なかった!ありがとう、スノーホワイト。あのままだったら何も出来ずに殺されていたよ。」


 一面銀世界とはこのことだろう。視界の全てが凍り付いていた。


 かつて魔剣士ゴールドがヒュール相手に使った技だ。こんなのを王都で使うなんてイカれてる!でも今は『アイス・ワールド』の広範囲凍結の威力に感謝しかない。


 警戒しつつ先に進むと……さっきの女悪魔族が……凍結していた!!駆け寄りその姿を確認する。


「レオナール様……じゃない?いや、どうだろう?」


 その姿は人型ではあるが身体にライオンやヘビやコウモリなどが生えた異形なものであった。


「あ、まさかマンティコアの……パーツ!?」


「見た……わね?」


 凍った眼球が動き、俺を睨みつける!


「ヒィ!生きてる!?」


「ブレイブね、アナタが……やったの?」


 俺の名を呼ぶその口調はまさしく聞き覚えがあった!


「レオナール様ですか?」


 答えは返ってこなかったが、俺はスノーホワイトにレオナールの凍結を解くように頼む。


「(それは聞きたくないぞ、主よ。そう、この悪魔族じゃ。形を変えられた元レオナールとやらは。今は『ゴミクズ』だったか。)」


「ゴミクズ?」


 そう口にした途端、レオナールを覆う氷に亀裂が入る。


「そう……知っているのね。なら……」


 一気に氷が砕け、レオナールが動き始めた。


「レオナール様、大丈夫ですか?俺、貴女を助けに来たんですよ。」


「助けに?……哀れみ?殺してやるっ!!」


 どういうことだ!?レオナールが俺に襲いかかってきた!


「やめてください、俺は貴女の奴隷じゃないですか?」


「馬鹿にしやがってっ!!」


 ダメだ、怒りに我を忘れた様だ!手が付けられない!!だが、鬼神のように襲い掛かるレオナールだったが、その攻撃は当たることはなかった。


「クソ、殺してやる殺してやる殺してやる!」


 呪詛の様な言葉を吐き続けるが、その動きは遅く感じた。


「(アイス・ワールドの中ならあやつも敵ではあるまい。さっさと倒してしまえ。)」


 スノーホワイトがそう促す。そうか、アイス・ワールドは広範囲凍結魔法だけど、氷剣使いにとっては地形効果を最大限活かせるバトルフィールドなのか!敵にしてみれば極寒の結界なのだろう。でも……


「悪魔の契約がある限り、レオナール様の死は俺の死なんだよ!倒せる訳ないだろう!!」


「(形を変えられ名を変えられ、レオナールで無くなったのだから、そんな契約も存在しないだろう。)」


 スノーホワイトが驚きの発言をする!レオナールではない?確かに姿形はマンティコアと融合した醜い姿だけど、会話から間違いなくレオナールだ。もし契約が無効で無かったらやはり俺の命は無い。


「スノーホワイト、形は違うが中身はレオナール様なんだ。なら契約は継続してるんじゃないか?」


「(我を疑うのか、主よ?)」


 疑う……というより、真偽を確かめる術が俺には無い。そしてスノーホワイトが間違っていた場合のリスクがデカ過ぎるんだ。まさにデッドオアアライブさじゃないか!!


「何をしているの?ゴミクズ。」


 その声に俺とレオナールは凍り付いた!聞き覚えのあるその声に。

ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。(´∀`)


ブレイブ編の舞台も『魔獣の森海』へ!確かステラ編も同じ舞台でしたね。どーしようかなぁ〜。(・∀・)


お読みいただいた感想や評価をお願いします。いただけると今後の励みになりますし、もっと良い話にできますので、是非ともお願いします。m(_ _ )m


毎週金曜日に定期更新してますので、また宜しくお願い致します。(๑>◡<๑)

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