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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
~ 異世界編 ~
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【Side:ステラ】魔法少女ステラ降臨!?

挿絵(By みてみん)


 空を切る甲高い音と共に魔獣の触手が襲い掛かり、激しい衝撃に土埃が舞い散る!!単眼の魔獣は突き刺した獲物を確認すべく埃が消えるのを待つ。視界が開けた時、触手は何も貫いてはいなかった。


「間に合った〜!」


 魔獣から離れた場所に意識を失ったヴェイロンを横たえると、わたしは単眼の魔獣を指さす。


挿絵(By みてみん)


「『魔法少女ステラ』降臨だよ!もう好きにはさせないからね、目玉のバケモノ!!」


 いまのわたしは光り輝く純白の天使にも似た魔法少女の姿になっていた。


 魔力供給されない危機のため、一度変身できるだけの魔力が右手のリングに貯められていたことを思い出した。もっとも今まで変身できない状況が無かったためリングの魔力のことを忘れていた。間一髪だよ!


「魔法少女になればアンタなんかには負けないからっ!」


 力強く握りしめた左の拳を魔獣に向ける。さっき骨が砕けた左腕は魔法少女の力で元通り!そんな変身したことなどお構いなしに触手の乱打を放つ単眼の魔獣!でも、いまのわたしにそれは届かない。


「『スターダスト・プロテクション』。煌めく星屑の潮流を越えることできないよ。」 


 わたしを取り巻く数多の星屑が凶悪な触手をいなす。いくら打ち付けても揺るがないわたしに憤りを感じているのか、凄い勢いで突進してくる単眼の魔獣。


「気持ち悪いから近づかないで。戒めろ!『スターライト・プリズン』。」


 天より光の柵が降りしきり、単眼の魔獣を拘束した。急に身動きができなくなった単眼の魔獣は力任せに暴れるが一歩として進むことはできなかった。


「そろそろおしまいにするよ。満天の星々よ、その輝きを我が手に!『ティンクルスターロッド』!!」


 眩い光が天に掲げた右手に集約する。


 次の瞬間!


「い、痛い!」


 急速に輝きが失せ、魔法少女の装いが消え去り、左腕に激痛が走る!


挿絵(By みてみん)


「うそ、もう変身が解けたの!?そんな……一回しか変身できないのにぃ~!!」


 魔法少女の治癒力で治りかけていた左腕だが完全には治癒していない。さっきより痛みや腫れは引いていたが、それでも再び駆け巡る激痛。


 魔法少女の変身が解け、ただの女子高生に戻ったわたしの前に悍ましい単眼の魔獣が立ちふさがる。騎士ヴェイロンは未だ目を覚まさない。単眼の魔獣に知性や感情があるかは不明だけど、元に戻った満身創痍のわたしを見つめる単眼の魔獣はとても嬉しそうだった。危機的状況に逆戻りである。


 もう魔法少女の力は当てにできない。苦痛を堪えながらもわたしは魔獣を観察していた。普通だったら今のわたしでは倒しえない敵を倒すために狙うべきポイントを。


 そして、わたしは今使える唯一の魔法を発動させる。


 『身体強化魔法』


 読んで字の如くな魔法。仮に魔法少女に変身出来ない時でも、ある程度は護身出来るよう自分の持つ魔力だけで発動が可能。


 この森でヴェイロンに初めて襲われた時は空腹が勝り無意識にこの魔法を発動していた。いま思うと恥ずかしい限りです。


 そしてわたしは迷うことなく単眼の魔獣に特攻した!突進してくるわたしに魔獣は触手の鞭を打ち付ける!!それを紙一重で触手を交わし、手に塗った泥を巨大な単眼に塗り付ける。魔獣は眼に泥を塗られ視界が塞がれたことでパニックに陥ったのか、全ての触手を悪戯に振り回す。もしかしたら顔に泥を塗られて激怒したのかもしれない。そんな怒りに満ちた触手の乱舞の一撃を避けることができず吹き飛ばされてしまった!


「ああああああああああがっ!!」


 再びの激痛に声にならない叫びが漏れる。わたしは咄嗟にガードした……左腕で。完治していない左腕を捨てるしかないと判断したからだ。


 単眼の魔獣は泥を塗られた顔、もとい、眼を器用に触手で拭い取ると、プライドに泥を塗った人間を探すことに躍起になる。離れた場所で左腕を抑えてかろうじて立ち上がるわたしを見つけるや、魔獣は興奮した様子で突進してきた!魔獣の眼にはちっぽけな人間を八つ裂きにして歓喜する未来が映っていたことだろう。


 そんな単眼の魔獣に対し、短剣、と言うにはかなり大きな短剣をわたしは正面に構える。この巨大な短剣はヴェイロンの腰から拝借したもの。ヴェイロンなら易々と片手でフォークのように扱うのだろうが、わたしには両手で持つ剣に近い。左腕を負傷したため、左腕の脇に短剣を挟み、右手で短剣を支える。


「この一撃に賭けるしか……ないよね。がんばれ……わたし!!」


 負けじと魔力全開で単眼の魔獣に特攻をかける!


 互いに相手を屠るべく突撃するが、先に攻撃を仕掛けたのはリーチがある魔獣の触手だった。複数の触手が四方からわたしを包むような軌道で遅い逃げる隙を潰していた。触手がわたしを捕らえる瞬間、わたしは爆発的に加速度を上げ一直線に魔獣に突撃した!


 魔獣にしてみると、触手が捕らえ無残に痛めつけたはずの獲物が突如目の前に現れたことを理解できなかったようだ。直後、激しい衝撃に見舞われる!!


 文字通り、わたしと魔獣は正面衝突したのだった。わたしより遥かに重い魔獣は衝撃で少し後ろに弾かれたが、わたしは空高く弾き飛ばされ、そのまま勢いよく大地に叩きつけられる!


 そこでわたしは意識を失った。

ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。(´∀`)


魔法少女に変身できたのも束の間、変身が解けてしまったステラ。危機再び!大丈夫か~?(^▽^;)


お読みいただいた感想や評価をお願いします。いただけると今後の励みになりますし、もっと良い話にできますので、本当にお願いします~。m(_ _ )m


毎週金曜日の午前中に定期更新してますので、また宜しくお願い致します。(๑>◡<๑)

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