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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
〜 暗黒編 〜
125/142

【Side:ブレイブ】集落の風習

挿絵(By みてみん)


「無理無理無理無理ぃぃぃ~~~!!」


 巨木と化したウッディパペットの鋭利な木の枝が雨あられの如く降り注ぐ中、俺は必死に逃げた!手にした槍一本とスモールシールドで防げる訳もなく、間一髪で湖畔の雑木林に逃げ込む!!


「剣士が逃げるんですか~?情けないですね。流石は名前負けのブレイブ。」


 先に逃げ隠れていた人間の少女パスティーズが高貴なエルフの俺にハラスメントアタックを仕掛けてくる。くっそ、俺のセクシャルハラスメントに対するハラスメント返しという訳か。


「お前さ、言葉で人を殺せるって知ってるか?もう俺のMPは0だよ、お前の心無い言葉の暴力でな。この責任は取らせるからな!楽しみにしてろよな!!」


「言葉でって……呪いのこと?エムピイ?よく分からないけど……ブレイブにできるのかなぁ?楽しみにしておくよ〜。クスクス!」


 こいつ段々と本性を現し始めた感じだな。何かファナに似た反応だ。何で俺の周りには変な女しか寄り付かないんだろう。


 いや、アリスは除く!あんなに優しく親切で清楚で……何より可愛いし巨乳!!最高の女の子としか言いようがない。


「あ、咲いた!」


 はい?何を言ってるんだ、この女。お前の頭に花が咲いたのか?パスティーズが見ている巨大なウッディパペットに視線を移す。


「何だ……あれは?」


 確かに咲いていた……さっきまで青々と葉が茂っていたウッディパペット頭頂部に花々が咲き誇っていた!


「満開だね〜。あ、枯れる。」


 確かに……急速に花が散り始め花吹雪が舞い踊る。続けて急激にたくさんの果実が実り色付くと、葉の落葉と一緒に大きな実が一斉に落ち始める。


「あれ、どうなってるんだよ?」


「精霊魔法が効いてきたみたい。精霊に祈りを捧げその加護を得るんだけど、正直どういう結果になるかは分からないんだよね。何せ精霊のやることだから。このウッディーパペットには四季の移ろいを早めて活力を無くそうとしてるんだと思う。ほら動かなくなってきた。さぁ、今のうちにやっちゃいなよ!」


 うん、確かに……ウッディパペットは寂しい姿となり動きが鈍くなる。


「早く!いつまた動き出すか分からないから。」


「あ、ああ。分かった!」


 俺はウッディーパペットに登ると、勝手に借りているパスティーズの槍でその表皮を削り掘っていく。だが、斧ならまだしも槍では全く埒が開かない。


「クソッ、掘りにくい!どんだけ掘ればいいんだよ!?」


 俺は早くパチャムを助けたいがため、誰ともなく愚痴を叫ぶ!


「木の上位精霊『ドリュアース』よ、御身の眷属に巣食う病魔を癒し、迷い込んだ者を排除させ給え!」


 パスティーズの祈りの言葉が遠く聞こえると、幾重にも重なり合う木の根や枝が解けるように道ができていく。


「お前凄いな!こんな魔法が使えるなんて。」


「もっと褒めて褒めて!ご褒美に撫でくれてもいいのよ。」


 自慢げに胸を張るパスティーズを横目に、そのおっぱいを眺めていた。


「あぁ、後で隈なく撫で回してやるよ。てか、最初からその魔法使えってーの。褒めて損したわ!俺の努力を返せし。」


 俺は空いた穴のトンネルに潜り込む!遥か先の方に人影が確認できた。


「いた、パチャムだ!待ってろよ!!」


 狭いトンネルでは槍は役に立たないので、手持ちの短剣を手にパチャムに絡みつく木の枝を切り裂き救出した。気を失っているパチャムを担ぎながら俺は必死に外へと飛び出す!!


「やった、助けたぞーーー!!」


「良かったね、ブレイブ。さっきの林のところまで行こう。司祭様の治療をするから。」


 パスティーズは救出の成功を讃えてくれ、パチャムの治療まで買って出てくれた。というかコイツ……何てイイ笑顔をするんだ!この後メチャクチャにしてヒィヒィ言わせてやろうという決意が削がれる……。いやヤるけどね。


 その後、巨大なウッディーパペットは核となるパチャムが居なくなったからか、それとも上位精霊様によって呪いや暴走が収まったのかは分からないけど、巨木は枯れ木となって湖に崩れ落ちていった。


「司祭様の体内に根付いた木の根とその毒素も精霊の加護で消えたから大丈夫だと思うけど、酷く衰弱しているから街の医師に診てもらったほうがいいね。」


 パスティーズは集中していたからか酷く汗をかいていた。必死にパチャムを救ってくれた証だ。


「その、ありがとうな……パスティーズ。お前が居なかったらパチャムを救うことはできなかったよ。」


「困ったときはお互い様だしね。それより……アタシの槍は?」


 槍?そういえば……どうしたんだっけ?パチャムを助ける際、狭いトンネルでは邪魔だから……投げ捨てたんだっけか?


「あー、どっかに投げ捨てた……かな?」


「はい!?投げ捨てたってウッディパペットの上でなら一緒に湖に沈んだってことよね?とにかくアタシの槍探してよね!」


「わ、分かったよ。探してくるよ。」


 俺はパンツ一丁になると湖に入る。湖面にはウッディパペットの破片が多く漂い、湖底に沈んだ槍を海面から探すのは無理そうだ。


 湖に潜ると沈んだウッディパペットの重い木片がこれまた大量に湖底を覆っていた。ここから槍を探すことなんてできるのか!?気が遠くなってくる……。


 湖底に沈んだひときわ大きな木片の周囲を探していると……絡み合った枝にパンツが引っかかってしまう。破けないように枝を外そうとするが湖底の砂が舞い視界が悪くなる。クソッ、更に絡まりやがった!息が苦しい……。


 不意に何かが背中に触れた!柔らかい?


 振り向くとそこにはパスティーズが居た。って、全裸だし!!!


「ガンブボバンバボボ!?(何で裸なんだよ!?)」


 いかん!水中でツッコミを入れてしまい、口から空気が漏れ出したっ!!命の泡が遥か天井に消えてゆく……。苦しさで意識が飛びそうになる。


 ゴボッ!


 俺の口に注がれる……空気!?


 何とパスティーズがマウストゥマウスで空気を分けてくれた!!つまり……キス!!!


 続けて、パスティーズは俺のパンツを破り、俺の手を引いて湖面を目指す。破りたくなかったから頑張っていたのに〜。


 俺の先を泳ぐパスティーズのその姿はまるで人魚のようだった。


「プハッ!ハァッ……ハァハァ!!」


 湖岸に辿り着くと俺は大の字になって有り余る空気を何度も吸い込み吐いた!


「あれ!また大きくなってる。ソレって化膿して腫れてるの?」


 隣に座り俺のチ◯コをマジマジと見つめるパスティーズ。そりゃあ、いきなり女子の全裸が目の前にあったら勃つってばよ!!


「違ぇよ、俺のチ◯コはデカイんだよ。いい加減気付けよな。それよりさ、お前は裸見られて恥ずかしくないのかよ?」


「え!こんなに大きいの初めて見た!!あと、湖に入るんだから服は脱ぐでしょう?別に恥ずかしいカッコしてないし。」


 全裸を恥ずかしくないカッコだと!?サイコパスな露出狂かよーっ!!いや、どこかの金ピカ魔剣士も同類か!?


 聞けば、パスティーズの故郷では……年齢や性別関係なく、老若男女みんな全裸で水浴びするらしい。男子がふざけて勃起したモノを見せることはあったが、俺のは別次元だったので病気だと思ったようだ。分かります。


 そんな水浴び裸族の集落で生まれ育ったコイツには裸体を晒すことへの羞恥心は無いようだ。ただし、水浴び以外での全裸は恥ずかしいらしい……。


 まったく理解不能だよ〜!でも……ありがとう!!


「あのさ、さっき出たのって……膿だよね?」


「あぁ、あれは……膿だ。うん……多分。」


 あと、無くした槍は水の精霊に探してもらって無事に見つかりました。最初からそうしろって話……だよな?

ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。(´∀`)


独自の風習や文化ってありますよねー。老若男女構わず混浴が当たり前。デカルチャー!(*⁰▿⁰*)


お読みいただいた感想や評価をお願いします。いただけると今後の励みになりますし、もっと良い話にできますので、是非ともお願いします。m(_ _ )m


毎週金曜日に定期更新してますので、また宜しくお願い致します。(๑>◡<๑)

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