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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
〜 暗黒編 〜
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【Side:ブレイブ】セクハラ・モラトリアム②

挿絵(By みてみん)


「じゃあ……行きましょうか。」


 パスティーズは足が治った馬を撫でながら言う。


 初対面で俺との大惨事を共にしたパスティーズ。バカなのか天然なのかお人好しなのか、あんな……セクハラ行為をされても大して怒らないのが意味不明である。


 二人で大惨事の後処理をしながら、パスティーズは俺の抱える問題を聞いてくれた。つまり、バカで天然でお人好しなんだ、コイツは。


 身支度が終わった俺たちは巨大化したウッディパペットがいるグルゼル湖畔に向かう。


「しっかり掴まってろよ。振り落とされないようにな!」


「うん。」


 その道程の馬上、俺の背中にしがみつく柔らかな胸のリズミカルな感触が心地よい。まぁ、アリスの巨乳には遠く及ばない。しいて言うなら……ステラ位かな?丁度いい大きさということだ。それも悪く無いだろう!


「ねぇ、そういえば名前聞いてなかったね。」


 あぁ……パスティーズは名乗ったが俺は名乗ってなかったな。


「俺はブレイ……」


「何?よく聞こえない~。」


 ふと思う。俺は名乗って良いのか?


 コイツは俺に殺されそうになり、その挙句の……大惨事。後ろから刺されてもおかしくない。街の衛兵に通報されるかもしれない!用が済んだらコイツとは二度と会わないようにしなければ。


「俺の名はブラッディー……レッド…………インペリアル……ブレイブだ!」


 しまったー!『ブ・レ・イ・ブ』を一文字ずつ単語にした偽名にしようとして、最後に本名入れちゃった!!


「『ブラッディーレッドインペリアルブレイブ』長い名前。」


「インペリアル、つまりは高貴なる者ということだ。分かったか人間!」


「ブレイブでいいよね?」


 一周回って本名かよ!!


「せめてインペリアルにしろよ。」


「言いにくい。ブレイブなら言い易いから決定!特に……名前負けしてるところが良くない?」


 本人に同意を求めるか!?コイツ、あとでヒィヒィ言わせてやるからなー!


「あれ、また大きくなってる?まだ膿が残ってるのかな?あんなに出たのに……」


 ヒィヒィ言うコイツを想像してたら……反応してしまった!それを手慣れた手つきで撫でてくる。


「や、やめろって!また、その……膿が出ちゃうだろうが~!!」


「溜まってるならいっぱい出した方がいいよ!」


 コイツ、自分がエロい台詞を口走っていることに気付いてないのか!?そんなこと言われたら収まるものも収まらないだろうが~!いや、実は誘ってるのか!?


「お前のおっぱいが当たるからだろうが。責任取れよな!」


「何それ?意味分からない。おっぱいとか言うな、ホント最低~!」


「クソッ。後でヒィヒィ言わせてやるから、覚悟しておけよ!」


◇◇◇


 パスティーズ曰く、ウッディパペットに限らず、モンスターの死骸には念が宿り、何かしらのきっかけで呪いとなることがあるらしい。


 俺の話からパスティーズが連想したのは悪魔族であるレオナールが死した怨霊を呼び覚ましたのだろうと。


 今思い返すと倒れたウッディパペットのパチャムをレオナールが起こしてくれた時には仕込んでいたのだろうと思う。全てあの女悪魔の手の上だったのだ……。


 精霊術でパチャムを救えるかもしれないとパスティーズは言い、あんなに酷いことをした俺に力を貸してくれると言ってくれた。


 八方塞がりな俺には細くて容易く切れそうな蜘蛛の糸だったが、掴まずにはいられなかった。


「ちょっと……大きい!?」


「俺のチ◯コが?」


「チン◯じゃない!アレ!!」


 パスティーズが指差す木々の上に覗くのは……ウッディパペット!?


「あんなにでかくなったのか!?」


 湖畔に着くと巨大なウッディパペットは眠るように動かなかった。見上げる俺たちからすれば小さな山のようだった。


「こんなのどうしろって言うんだよ!?」


 パスティーズは湖に入りウッディパペットに手をかざす。


「やっぱり悪霊化して木の精霊力が暴走してる。」


「危ない、パスティーズ!」


 目覚めたのか、上から無数の枝が鞭のようにパスティーズを襲う!俺はパスティーズの槍を使い襲い来る枝を薙ぎ払う。


「初めて名前呼んでくれたね。」


「は?何言ってるんだよお前は!?」


「ほら、もう一回。名前で呼んでよ!」


 コイツ、戦いが始まってるってのに何を言ってるんだよ!?そうしている間にも枝の攻撃は増えていった。これ以上は一人では捌ききれない!


「分かったよ。早く助けてくれ、パスティーズ!」


「うん、ヤる気が出てきた!木の上位精霊『ドリュアース』よ、このウッディパペットを諫め給え!!」

 

 パスティーズが力強くその言葉を口にするとウッディパペットは……何も変わらない!?いや、より攻撃は激しくなった気がする!!


「うおぃ、むしろ元気ハツラツになってないか!?どーなってるんだよ?」


 パスティーズを見ると湖岸に上がり……離れた林の木陰に逃げ隠れた。


「さぁ?どーなるんだろうね〜?」


 な、な、なっ!まさか俺への仕返しか!?


「裏切ったなー!汚いぞー!!」


「汚いエルフに汚いって言われたくないし。」


 この局面で俺をハメるなんて!


「クッソォー、今度は俺がハメてやる!ヒィヒィじゃ済まさないからなぁ〜〜〜っ!!」


 土砂降りのように降り注ぐ枝の攻撃が俺を襲う!

ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。(´∀`)


ブレイブってこんなキャラだったか?と思うほどに進化してますねー。セクハラ被害者のパスティーズはどう動く?(*'▽'*)


お読みいただいた感想や評価をお願いします。いただけると今後の励みになりますし、もっと良い話にできますので、是非ともお願いします。m(_ _ )m


毎週金曜日に定期更新してますので、また宜しくお願い致します。(๑>◡<๑)

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