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異世界でも魔法少女となら大丈夫だよね!?  作者: 古土師 弥生
〜 暗黒編 〜
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【Side:ブレイブ】汚いエルフ

挿絵(By みてみん)


 仲間の司祭パチャムは身につけたウッディパペットの着ぐるみに取り込まれ、今や巨大なウッディパペットそのものになってしまった。


 どうすることもできない俺は助けを求めるためにパチャムの元から逃げ出し、乗っていた馬を転倒させてしまう。


 そこに現れた人間の少女パスティーズ。彼女は足の折れた馬を助けたい想いから暴れる馬を、その身を呈して諫めるに至る。


「……そんな大怪我をしてるところ悪いんだけど、俺は急いでるんだ。」


「え?何それ?酷くないですか!?アナタの馬を助けるためにこんなに傷付いたアタシを見殺しにするなんて!」


 そうだな、酷いよな。だが……足の折れた馬を介錯しようとした所にパスティーズが殺すなと乱入してきた。その結果、馬に蹴られたり押し潰されたりして大怪我を負った。


「自業自得だろ。骨が折れた馬を俺の邪魔をしてまで助けようとし、その挙句に怪我をしたんだ。俺にとっては邪魔者以外の何者でもない。じゃあな!」


 今の俺は(変装した)ダークエルフ。これくらい非道なことも口にして当然。それほど心の余裕が無かったのだ。


「何よ、汚いエルフだと思ったら性根まで汚いのね!最低〜。」


 勝手に俺の邪魔をした上に、身勝手な物言い!


 ん?


「エルフだって?」


「エルフでしょ?馬から落ちてそんなに汚れたの?」


 改めて両手を見ると……ダークエルフの変装に塗ったどうらんが落ちてる!そうか、さっき湖に投げ飛ばされて全身濡れたからか。


「なぁ、俺はダークエルフに見えるか?」


 問われたパスティーズは複雑な表情を見せる。


「見えないね。汚いエルフには見えるけど?」


 やっぱりか〜!この姿じゃ敵領内のミッドグルンの街に入れない。そして今の俺の御主人様である女悪魔レオナールにダークエルフではないとバレてしまう。変装道具は街中の宿屋だし……八方塞がりじゃないかっ!


「ど、どうしたらいいんだ!?」


「困ってるようだけどさ、良かったら話してみてよ。力になれるかもだし。」


 横たわり満身創痍なパスティーズがそう言ってくれてはいるが……むしろ助けが必要なのはコイツの方だろうに。今にも死にそうなのにどれだけお人好しなんだろう。


「そんな状態の人間に出来ることはないし、俺には手負いの馬だけでなく瀕死なアンタを助けられる余裕も時間も無いんだ。置き去りにしてモンスターに食われるなら、いっそ……」


 察したのかパスティーズは俺を見つめる。俺の手にした短剣を……


「そうしたいなら構わないよ。さ、殺って……」


 パスティーズは両手を組んで目を閉じる。もうこうするしかないんだ。横たわるパスティーズに跨る俺は両手で短剣を振り上げ……心臓に振り下ろす!


「ぎゃあああーーーっっ!!」


◇◇◇


「いやぁ、本当に心身ともに汚いエルフね!びっくりしたわ〜。」


 大地にうずくまる俺は股間を抑えずにはいられなかった!そう、コイツはやりやがったってことだ!!悶絶しながら地べたに頬を着く俺は真横にパスティーズの視線を感じる。


「チ◯コを蹴り上げるなんて酷すぎるよ!潰れたらどうするんだ!?」


「それくらいで済んだんだから感謝してもらいたいわよ。というかチン◯とか言わないでよ、汚いわね!」


 何なんだよコイツは!?冷静に考えると、人間がこんな瀕死の状態で股間を蹴り上げたり暴言を吐いたり……普通なら苦痛で気を失ったり、いや死んでもおかしくない程の重症なんだが。


「傷、大丈夫なのか?」


「いま治してるの。待ってて。」


 なんて言った?治してる?そういえば出血が止まってるし腫れも引いてきている気がする。


「よっと!」


 30分程してあろうことか立ち上がるパスティーズ。


「お前、司祭なのか?癒しの魔法が使えるのか?」


「違うかな。アタシは精霊術師シャーマン。精霊の力で傷を癒したの。さ、立って。キミの足ももう大丈夫だから。」


 パスティーズは横たわる馬の足を撫でると、馬は何度か足を動かして立ち上がる!


「スゴイ!馬の足も治したのか!?」


「畏れ入った?ふふん!」


 俺は腫れて膨らんだ股間を撫でながらお願いする。


「俺のチ◯コも治してくれよ。」


「絶対イヤ!」


◇◇◇


「ちょっとコレ……大き過ぎるよ。」


「大きくなったのはお前のせいなんだぜ?責任取れよな。」


 自慢だけど、例えるなら新宿の某スイーパー並といっても過言では無い!それが蹴られて腫れ上がったのだからもはや別の生物のようだった。


「さ、最低!身も心も汚いエルフで、股間はケダモノだなんて。許せない!!」


 顔を赤らめたパスティーズは俺の腫れ上がったモノを両手で触り撫でる。


 どんだけ馬鹿力で蹴ったのか、ただでさえ大きい俺のモノが腫れ上がりズボンがパンパンになる。当然ズボンに擦れて激痛が走り俺は悶えて苦しむ!


 しばらく見て見ぬふりをしていたパスティーズが折れて、俺のズボンを剥ぎ取り精霊術で癒してくれた。


 治癒の精霊術は接触が必要らしく……パンツなどあって無きが如き俺のモノにその小さな手が触れる。


「何で初対面の汚いエルフの汚いモノを触らなきゃいけないのよ〜。それにもう腫れは引いてもいいのに小さくならないし……何で?」


 そりゃそうだ。女の子に直接撫でられて小さくなる訳が無い。そんなことも知らないのか?こんな機会は無いので頑張って小さくならないモノを撫でさせよう。イヤイヤ撫でる姿は興奮する。俺の中のドSが目覚めそうだ!


「そんなこと言って……上手いじゃないか。」


「か、勘違いしないでよね!これは善意の治療なんだから!!」


 真っ赤になったパスティーズの両手の動きが一気に早まる!待て、それは……ヤバイって〜〜〜!!!


「え!?いやああああーーーっ!!!!!」


 パスティーズの絶叫が響き渡る。

ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございます。(´∀`)


下ネタ回です。ただし、パスティーズ視点からは仕方なくの善意の治療行為であり人助けなのです。立場によって全然解釈が異なりますねー。


お読みいただいた感想や評価をお願いします。いただけると今後の励みになりますし、もっと良い話にできますので、本当にお願いします~。m(_ _ )m


毎週金曜日に定期更新してますので、また宜しくお願い致します。(๑>◡<๑)

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